中川多理 Tari Nakagawa

◇人形作家 ◇作品の悪質転売と裁判の経過報告、ギャラリーストーカー問題について書き留め…

中川多理 Tari Nakagawa

◇人形作家 ◇作品の悪質転売と裁判の経過報告、ギャラリーストーカー問題について書き留めています ◇本のこと・読書についての覚え書き ◇ ☞https://twitter.com/kostnicehttps://www.kostnice.net/

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

中川多理展「白堊――廃廟苑於」①(はいびょうえんにおいて)

中川多理展「白堊――廃廟苑於」 個展「白堊――廃廟苑於(はいびょうえんにおいて)」が5月10日よりオープンいたしました!会場は東日暮里の【元映画館】。名前の通り元映画館を改装したスペースでの展示です。 二階席からの眺望も面白く、スクリーンには2018年に京都・春秋山荘で撮影した『癩王のテラス』の観月台ステージでの様子を上映しています。 特別展示「癩王のテラス」今展示では、2018年に制作し、その後悪質転売者により破壊行為を受けた3人の王を修復して特別展示しています。その

    • 中川多理展「白堊――廃廟苑於」⑥【抽選販売B】

      【抽選販売B】中川多理展「白堊――廃廟苑於」中川多理展「白堊――廃廟苑於」 沢山の御来場ありがとうございました! ただいま会期後のメールでの抽選販売のお申込を受付しています。2024/5/20[月]までに、 詳細を御覧になって下記ページよりお申し込みください。 抽選販売作品:修復した王たち (三島由紀夫『癩王のテラス』より)会場での王たちの様子をお届けします。 抽選販売作品:修復した王たち (アントナン・アルトー『ヘリオガバルス あるいは戴冠せるアナーキスト』より)

      • 中川多理展「白堊――廃廟苑於」⑤【抽選販売A】

        【抽選販売A】中川多理展「白堊――廃廟苑於」中川多理展「白堊――廃廟苑於」 沢山の御来場ありがとうございました! ただいま会期後のメールでの抽選販売のお申込を受付しています。2024/5/20[月]までに、 詳細を御覧になって下記ページよりお申し込みください。 抽選販売作品:【コトリ#3】【翡翠(カワセミ)#2】【骨の葩(はなびら)—prototype】会場撮影の様子をお届けします。 抽選販売作品:【白堊の肖像シリーズ】 最後に「こんな感じもいいよね」と函を組み替えて

        • 中川多理展「白堊――廃廟苑於」④「人形歌集 骨ならびにボネ」川野芽生/中川多理

          【新刊】「人形歌集 骨ならびにボネ」新刊、第二歌集『人形歌集 骨ならびにボネ』川野芽生/中川多理 書店発売の前に会場で先行して販売中です! ひっそりサイン本を作成してきました。数量限定なので会場でぜひお求めください。 この第二歌集は、昨年12月〜今年頭に行われた展示(中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」)から60首弱の歌を、展示していた全ての人形に向けて作るという、空恐ろしい凄い事が行われて生まれてきました。 その展示についてはこちら(①〜③ま

        • 固定された記事

        中川多理展「白堊――廃廟苑於」①(はいびょうえんにおいて)

        マガジン

        • 本のこと
          13本
        • 人形のこと
          20本
        • 悪質転売・裁判について
          7本
        • 作品の取り扱いについて
          4本

        記事

          中川多理展「白堊――廃廟苑於」③(はいびょうえんにおいて)

          「白堊の肖像」シリーズ 丸窓から覗く少女達のBOX入り肖像。 作品集『薔薇色の脚』特装版としてシリーズで制作しています。 (前回初お披露目時のnoteはこちら↓) 今会場では、2階から人形達を見下ろすと、白堊の「堊」の文字が浮かび上がります。ぜひ階上のスイートスポットからも御覧ください。 そこに結界のように 肖像のBOXをインスタレーションしていきました。 今回の函は会場に合わせてグレー基調で制作して貰い、手作業でエイジングをかけて仕上げていきました。インダストリアル

          中川多理展「白堊――廃廟苑於」③(はいびょうえんにおいて)

          中川多理展「白堊――廃廟苑於」②(はいびょうえんにおいて)

          オールビスク・少女今回新作として、初の全身オールビスクの少女を発表しました。 これまで胴体までのオブジェ・ドールや、肥大した下半身と乾涸びた半身の「薔薇色の脚」は制作していましたが、手足先まで揃ったオールビスクの子は初めてでした。 「全身作るのは大変だろうなあ」というのは想像してはいましたが、いや…本当に大変でした。ビスクオンリーの作家さんよく心折れずにやっているなあ、と。あまり苦労ばかりを言うのもどうかと思いますが、粘土からビスクへの素材移行時に感じた事を、せっかくなの

          中川多理展「白堊――廃廟苑於」②(はいびょうえんにおいて)

          #今年のベスト本・漫画・映画

          #2023年上半期の本ベスト約10冊 『サハリン島』チェーホフ 『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子 『春と修羅』宮沢賢治 『薔薇色の脚』中川多理人形作品集 『地図と拳』小川哲 『安西冬衛全詩集』安西冬衛 『タタール人の砂漠』ブッツァーティ 『迷宮遊覧飛行』山尾悠子 『ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家』エイミー・ノヴェスキー他 『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』坂本龍一 『薔薇色の脚』中川多理人形作品集を入れたのは手前味噌ですが、御寄稿頂いた掌編・

          #今年のベスト本・漫画・映画

          【新刊】『人形歌集 羽あるいは骨』 川野芽生/中川多理

          『人形歌集 羽あるいは骨』ができるまで まさに企画が生まれた瞬間のお話です。 こちらもぜひご覧ください。 川野芽生『かわいいピンクの竜になる』 川野芽生さんから初のエッセイ集『かわいいピンクの竜になる』を御恵贈いただきました。左右社さんでのweb連載を楽しみに拝読していたのですが、この度一冊の本に纏まったとのこと。おめでとうございます!(現在#1のみ無料公開されています。) #3章「人形は頷かない」でパラボリカ・ビスの個展に足を運んでくれていたエピソードが書かれていま

          【新刊】『人形歌集 羽あるいは骨』 川野芽生/中川多理

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」③

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné 最後の小鳥たち 山尾悠子さんの掌編『小鳥たち』より生まれた連作、小鳥と少女の形態を使い分けるよう厳しく躾けられた編み上げ靴の侍女たち。沢山の侍女が羽ばたいていきましたが、この度最後の3体を送り出す事となりました。 シリーズ連作の作品は、大きさやクオリティを揃えるために型を使用して制作しています。また、より強固な素材に変換する為の作業でもあります(石粉粘土→モデリングキャスト、ビスクなど)。私の場合は、だいた

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」③

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」②

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」 Petit(プティ)-bisque ver. パラボリカ・ビスの企画「Little creatures展」で生まれた10センチサイズの革ボディのシリーズです。こちらもビスクで焼いたらどうなるかな?という好奇心のもと制作してみました。 かなり縮むだろうし、人形にするの難しいかな?と思ったけれど、ボディのサイズや手足の大きさでバランスを取って、良い感じに仕上がりました。 今までの子よりちょっとだけ小さい、弟

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」②

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」①

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」 12月15日からオープンしております「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」。ちびっ子の動物達と灰鳥さんと小鳥の侍女の饗宴です。 きっかけは、久しぶりに小さな子達を作ったので「プチっとした展示がしたいな」という所から始まりました。ちょっと変わった場所を押さえてくださったので、そちらに向けて準備をしていたのですが、この会場がポシャってしまい…改めて仕切り直しとなりました。 その顛末はこちらよりど

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」①

          メルカリ転売者②・続き

          ヤフオク・メルカリ等、フリマ系プラットフォームを悪用した、第三者による不当な転売が後を絶ちません。 メルカリには出版社直販で作品集を卸しています。直販(一次販売)で適正価格で出品する事によって、転売屋の商品に手を出す人が実質居なくなる事を目的としています。  この辺りはこちらも併読ください。様々な転売屋対策に皆頭を悩ませています。 (「サイン本を1万冊制作して物理で価値を下げる」が豪腕でした…(笑)) そして、毎回こういうのが沸いてくるんですが、第三者による転売を禁止し

          メルカリ転売者②・続き

          メルカリ転売者①:anyaネコネコ

          1:事の起こり こちらの記事のメルカリアカウント:anyaネコネコは「松井冬子サイン入り夜想」の頃からパラボリカ・ビスを狙い打ちし、作家サイン本を展示会場で入手しては高額転売を繰り返しています。 フリマアプリ「メルカリ」で anyaネコネコさんが販売中 素知らぬ顔で展示会場に現れては、作品のファンの素振りをしつつ会場限定本を入手して、メルカリで高額転売しています。 作品を観に来てくださった大切なお客様として、真摯に対応に当たっていたスタッフも、作家も大変なダメージとシ

          メルカリ転売者①:anyaネコネコ

          【新刊】『薔薇色の脚』中川多理人形作品集

          著者最新の人形作品集『薔薇色の脚』が発売になります。 近年取り組んでいた、山尾悠子さんとのコラボレーションにより生まれた「小鳥たち」「薔薇色の脚」の人形達が全収録されています。 作品集を纏める際に、いつも「この子も載せたい…」「構成上この子は外して、こちらを入れて…」とクォリティを上げるために泣く泣く沢山の人形達の中から取捨選択しているのですが、今回は全員取りこぼしなく掲載されています。こういった形で纏まるのは初めての試みなので、とても嬉しいです。 それでもカタログ的には

          【新刊】『薔薇色の脚』中川多理人形作品集

          はじめに

          ・主なコンテンツ 悪質転売者による転売・誹謗中傷行為と裁判について書き留めています。 悪質転売者、転売店による作品の取り扱いについての問題を書き留めています。 読書についての覚え書き。本にまつわるメモなど。 作品について、少し長めのお話。 「転売裁判関連」「本のこと」「人形のこと」の3項目を中心に更新しています。 お好きなマガジンをどうぞ御登録ください。

          『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』より宮沢賢治『春と修羅』へ

          梯久美子:著『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』は、ある想いを持ってサハリンを目指した作家達の軌跡を辿る旅の記録です。目指すというよりも、その時樺太/サハリンへ行かざるを得なかった作家としてチェーホフ、そして宮沢賢治の道程を追っています。 + 以前、宮沢賢治の詩から連想して「薄明穹(はくめいきゅう)」をテーマに「水琴窟」という鈍色に光る眼の、方舟のような作品を制作しました。賢治の詩には何度か「薄明穹」という言葉が登場しています。月や天体を表したものではないかと言われ

          『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』より宮沢賢治『春と修羅』へ