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この儲からない時代に「小説家になろう」ということ

ちゅうハヤサロンでリクエストをいただいたので、このお題で書いてみようと思います。今回は無料コンテンツです。

小説から自己啓発本、ビジネス書まで、本にはいろいろなジャンルがありますが、ここでは物語をつむぐ「小説家」に限って書きますね。


小説家になった方がいい人とならなくてもいい人がいる

ほとんどの人は、小説家になんてならない方がいいんです。お金のためなら、なおさらならない方がいい。

「印税がっぽりで左うちわ」のイメージがあるけれど、小説書いて稼げる人なんてほんの一握り。たいていの小説家は儲かっていません。

単純計算すればわかります。無名の新人なんてせいぜい初版3000部。1500円の単行本で印税率が10%だとすると、150×3000=450000円。よんじゅうごまんえんですよ。

一ヶ月に一冊のハイペースで書いていない限り、ふつうに会社員していた方がよっぽどお金が稼げます。取材でお金使うしね。


お金もうけが理由でないなら。

・自己顕示欲

・有名になりたい

・知的なイメージでなんだかかっこいい

こんな理由から「小説家になりたい」という人が多いのではないでしょうか。うん、私の中にもこういう欲求はあるとおもいます。「小説家」という肩書きをゲットして、あわよくばヒットしちゃったらうれしいな~、ってかんじですかね(笑)

でも、こういう世俗的理由から小説家を目指している人は、たいてい小説家にはなれないし、なれてもすぐに消えていきます。はい、すいません。私ですね。

よっぽどお金がなかったり、人に見下される人生を送ってきたりで、ギラギラしたハングリー精神を持っている人なら、生き残るかもしれないけどね。


小説家にならないといけない人もいる

一方、「小説家にならないといけない人」もいるんですねえ。本人が小説家になりたかろうがなんだろうが、ならざるを得ない人も少数ながら存在します。

たくさんの方に買っていただいた昨日の記事。

「私はどうやって小説家になったのか。そして、夢を叶えるのに必要不可欠なものとはなにか」

これの第二章に書いたこと。

こういうことが自分の中におこってしまったら。もう、これは小説家になるしかない。なので、私も第一作目だけに関しては「小説家にならないといけない人」だったのではないかな、と思っています。

この状態になったとき、人間は自分の意思では動いていないのです。目の前には厳然と存在する物語の世界があって、書き手はただの「カメラマン」だったり「切り出し職人」でしかない。

木の中に仏を見いだし、仏像を彫り出した円空みたいなものです。私も第一作目はそうだったな。「この世界をどうやって切り出そう」としか考えてなかった。

こういう状態に自分がなっているのだとしたら。もう、金ではない。時代や神からのオーダーだと思って、一心不乱に小説家を目指すべきです。

たとえお金は入ってこなくても、人の心や歴史になにかを残すことができるからね。

小説家を続けていられる人は、自己顕示欲で動いているのではないんでしょうね。神様からのオーダーを受けて、長年「切り出し職人」に徹しているのではないかな、と思います。


以上、この儲からない時代に、あえて「小説家」になろうとすることに関する私の見解でした。

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