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【1000字書評】田村麻美『ブスのマーケティング戦略』

度肝を抜かれるタイトルですが、読んでみると「ブス」に限らずほぼすべての人に対して参考になる有益な本でした。
ありふれた自己啓発本や自分語りの励まし本かと思いきや、著者自身もあとがきで「自己啓発書が嫌い」と語っているように、それらの類とは一線を画す内容になっています。


【概要】
著者の田村さんは税理士であり、気さくなお姉さんであり、そして「ブス」です(正直わたしはどの写真を見てもブスとは感じませんでしたが)。「ブス」と「美人」では社会的な評価が異なるということに異論はないでしょう。『人は見た目が9割』という本が流行り、今やメイクや整形で美を意識、強化することは当たり前になっています。ではブスはどうすればよいのか。田村さんはマーケティング戦略の方法で、美人と同じ方法で戦うのではなく、ブスでも幸せになれる生き方を紹介します。同時に、この本は田村さんの半生を振り返る半自伝的エッセイとしても読むことができます。幼少期から思春期、就職、結婚、出産、起業までの過程と、その中で生きる欲望(本能)となった性欲やお金について赤裸々に語られており、その部分だけでも面白く読むことができます。


【感想】
わたしがこの本で得た学びは2つあります。
1つは、まずは行動をしてみるということ。田村さんは本書でどんどん行動し、失敗することを勧めます。自分の本能に素直になり、それが行動につながる。そしてやってみることで得られるものがあるという考え方は、不安を伴うものの、成功した際には自信につながります。しかし行動がおっくうであったり不安から動き出せないこともあるかもしれません。田村さんは「期限を設定するから行動できる」と言い、方法のひとつとして難関・実用的な資格取得を勧めています。資格は形になり、次の行動へのモチベーションになるということでしょう。


2つ目は、自分を客観視することです。田村さんは本書でマーケティング論で有名なプロダクト解析、セグメンテーション、3C分析、PDCAサイクル、ブルーオーシャン戦略、エリアマーケティング(ニッチ戦略)等を用いながら、自己を商品として見立て、評価します。自分を客観視するのは思いのほか難しいですが、そのために他者を必要とします。田村さんは合コンを市場調査と称し、そこで自身(商品)がどう受け入れられるか、改良する点はどこかということを学びます。このことは、営業職や我々のような支援職においても使える技術だと思います。

とてもライトな本で、普段読書をしない方でもすぐに読めると思います。是非ご一読ください。



田村麻美さんのHP


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