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ゴッホと静物画(684文字)

先日、ゴッホの展覧会に行ってきた。

特に絵画に詳しいわけではなく、ゴッホと言えば、自画像やひまわりの絵が思い浮かぶ程度。また、自分の中では対象物の周りの黒の縁取りのイメージが強かった。小学生の頃、それがゴッホの特徴だと聞いて以来そう信じていた。しかし、今改めてネット検索してもそれが特徴的なゴッホの画法だという記事は見つけられず、単なる思い込みだったのかもしれないと思っていた。しかし、例えば彼の代表作であるひまわりを改めて見れば確かに花瓶には縁取りがある。思っていたよりも細い線だったが、これが自分の中でのゴッホの特徴だったのだと妙に納得した。

会場にはゴッホの作品だけでなく、ゴッホが影響を受けた画家やゴッホから影響を受けた画家の類似したテーマを持つ作品も並べて展示されていた。このような面白い展示方法もあるのかと思ったと同時に、絵画を追求する研究熱心な姿勢が垣間見られた気がした。

個人的には明るいタッチの絵が好きだけれど、この古靴の絵はかなりのインパクトがあって興味を惹かれた。

絵の脇に貼られた説明書きを見ると、ゴッホは雨の日にこの靴を履いて街中を歩き回り、敢えて泥まみれにしたと書かれていた。描きたい絵のイメージがあったら、その対象物を得るために努力を惜しまない。そんな絵に対する直向きさを象徴する作品だと思った。

慌ただしい毎日の中で絵画や音楽、その他趣味の時間やあるいは気のおけない友人とのティータイムなど、心に安らぎを得られる時間があるって大事。そういう機会を意識的に作っていきたい。我武者羅な時間との戦いの中にもふと立ち止まるオアシスが必要だと改めて思った。

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