賢いカラスに完敗した話(997文字)
「洗剤がない。炊事場に袋に入れたまま置いておいたのに。知らない?」
「まだ洗い物も出ていないのに。洗剤は使ってないし、触ってもいない。」
キャンプ場は独占だったから他には誰もいないし、翌日の朝までは気楽に炊事場も使えるわけで、洗剤なんかも洗い場に置きっぱなしにしていた。誰もいないのになくなるわけがない。置いたはずの食器用洗剤がないなんて…オバケのしわざ?まさかね。そんな意味のない心霊現象なんてないでしょ。
「もしかしたら!さっき、カラスがあの辺で白い袋を咥えて飛んで行った