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「人って最期はあっけないものよ」と言ってた患者さんの最期

私の仕事は作業療法士。現在は訪問リハビリに携わっており、地域に住む利用者さんの自宅に訪問しリハビリテーションを提供している。

医療・介護の現場にいると、死がいつも身近にあり、私も何人もの患者さんの死を経験してきた。

ただリハビリテーションは状態が悪化すると中止になることが多いので、看護師に比べると直接目の前で死を見る経験は少ないかと。

それでもリハビリをしていた患者さんが亡くなることは悲しいし、ショック。でもいつまでも死を嘆いていても仕方ない、私には他にもたくさん担当している患者さんがいる。

そんなことを考えつつ、仕事をしてたら忘れる。

死に慣れてはいけないが、慣れないとやってられない。


最近亡くなったとある利用者さん。

若い頃から難病にかかり、自宅で闘病している方だった。年齢は40代。死に年齢は関係ないが、やっぱり若い方が亡くなるとショックも大きい。

その方の自宅でリハビリテーションをしているとき、どんな事故だったか忘れたけど、交通事故で死者が出たというニュースが流れていた。

そんな時、その利用者さんが言ったことが

「どんなに凄い人でも、人って最期はあっけないのよねー。まさか本人もこんなことで死ぬとは思ってなかったでしょうねー」

という言葉。


その数日後、その利用者さんは急死した。

原因はここでは触れないが、本当に急変だった。まさに寝耳に水。

情報によると自宅で容態が急変して救急搬送され、本人はパニック状態だったそう。パニックで自分の身に何が起こっているのかわからないまま亡くなったのではと推測される。

急変して亡くなるまでわずか数時間時。

利用者さんが言ってた「人の最後ってあっけないのよねー」という言葉を思い出す。本人も朝までこんなことになるとは思ってなかっただろうな。


本当に人の最期ってあっけない。

その人の最期を否定しているだけではない、ただ単純にあっけないなーと思うのだ。


私の最期もあっけないんだろう。病院や葬儀場のスタッフに流れ作業のように扱われ、骨になる。

そして忘れられる。

まぁ、死んだ後本当に大切な数人に想い出して貰えれば、それでいいんだけどね。

私の父は40代で亡くなった。
こういう若い死に触れるといつも行き着く考えが

「人間いつ死ぬかわからないから、やりたいことは今やろう」

ということ。


以前このことについて掘り下げて書いた。


利用者さんの死をきっかけに、薄れていたこの感覚を思い出すことができた。

最期までありがとう。


とにかく、やりたいことやって最期を迎えたいな!

死ぬこと考えると怖くなってくるので、この辺で終わり!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


◇◇◇


この話は実際の話をもとにしていますが、事実とは異なることを書いています。ただ自分が担当している利用者様が亡くなられたことは事実です。この場をお借りしてご冥福をお祈り致します。

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