見出し画像

ステロイドだけじゃ足りない!?台湾製「白か緑の油」の魔力

春夏秋こそ、私にとっては「ほぼ国内旅行」のような感覚でソウルに通いますが、冬季は「日本より暖かい国」台湾に「避難」させていただいております。韓国は30以上、台湾はこの2月で13回目(笑)。

そんな「国内旅行の延長」でしかない韓国と違うのは、台湾は全く言葉が通じない「完全アウェー」ということ。久しぶりに言葉が通じない旅先での珍道中をあえて楽しむのがえりおちゃん流台湾旅行。

さて今回、珍しくちょっと医学的なことを書こうか、なんちゃってw ワタクシ一応、医師なので(笑)。形成外科専門医であり、皮膚科臨床歴もまあまあ長く、皮膚の専門家、というか皮膚しかわからない専門家、なんですけれども(笑)、台湾で皮膚がやられるといったらアレですよ、アレ!

日本で手に入る「ストロンゲスト」、最強クラスのステロイドでもっても全く歯が立たなかった虫刺されに、台湾の「妖しい油」を塗ったらあらなんとフシギ! 以来、どこに旅するにも手放せなくなった、という必需品があります。今回はこちらについて、書かせていただこうかと思うわけであります。




台湾の蚊、これまた凄まじいのよ(泣笑)

台湾の蚊、というか東南アジアもかしら、とにかく、威力が凄まじいんですよ。

というか、最近の異常気象で日本にも北上してるんじゃないの?と思うときがありますが、とにかく最近「虫刺され」が全然かわいいもんじゃなくなってきているような気がするのって、私だけですか??

まあとにかく、日本で一番強いランクの「ストロンゲスト」なステロイドを塗っても全くかゆみが治まらない虫刺され、増えてます。どのくらい増えてるかって、日本での“お医者さんごっこ”の際に、ステロイドを処方しながら「日本にも台湾のアレがあったらいいのに」とか内心思うくらいの。

話がそれました、台湾の虫刺されですね。実は1回だけ、真夏に台湾に行ったことがあるんですよ。台湾三大観光地の一つとしても知られる湖、日月潭でレイクリゾートステイ、それはまた最高で……って今回はその話じゃ、ないんですw

夕方、日月潭の周囲を散歩したんですが、夕方だから日に焼けないじゃん、って、すっかり油断して、半袖のTシャツに、ユニ◯ロのステテコ履いて、歩いちゃったんですよね。そしたら見事に腕とスネをやられました、2箇所。

刺された直後はそんな、大したことなかったんですよ。いつも蚊に刺されたらすぐに「ストロンゲスト」を塗ればどーってことないので、「楽勝じゃ~ん!」って、そのときも刺されてからすぐ塗ったんです。

なんですけど、そのときは違ったのよ。「ストロンゲスト」なぞお構いなしに、どんどん腫れてくるんですけどww マジなんなのこれ!? すかさず塗り足していくんですけど、翌日になったら、「これ、ハチに刺されたんですか!?」ってくらいに腫れていて、もう笑っちゃう領域でしてねww

すみませんねこれ、太ももじゃなくて、二の腕です(笑)
中途半端にステロイドが効いてる状態の脚ww


これもはや、かゆい、というより「痛い」の領域になりかけつつありまして。


こうもなってくると、何かにつけて、ちょっとイラっとするもの。どーにかならんかな、と考えてみてふと思い浮かんだのは、現地の虫には現地の薬がいいんじゃないか?という「安易な考え」w

というのも、実はどこかで「虫刺されには台湾の緑の油がいい」的な情報を見聞きしたことがあって、そのときは「まさか~w ステロイドより効き目があるわけないじゃ~ん」ってタカをくくっていたのですが、日本で一番のステロイドが中途半端にしか効かない今、なんだって試してみようじゃないか!?


と、いうことで、薬局を求めてぷらぷら。あまりお店が乱立していない地方滞在、薬局なんてあるんかい!?
と思ったらたまたま、人の良さそうなおじいさんがやっていらっしゃる「昔ながらの」薬局がありました。


とうとう「台湾マジック」にハマる

私の腕の虫刺されの跡を見つけた薬局のおじいさんが、「それにはコレや!」
指差したところにおいてあったのが、この「なんとも効きそう!?」な昭和レトロパッケージ。

なんか「赤いき◯ねと緑のた◯き」ならぬ、「白い油と緑の油」的な……!?

しかしそれぞれ、別の会社で作られているようです。

当時はまだ今の6割くらいのレートでしたので、お値段は両方とも、200円もしないくらい?

どっちがいいのよ?と迷ってたら「どっちでも大丈夫だよ」的なので、なんじゃそりゃwって、両方買ってみましたよ、ってのが上の写真です。


これがまた、両方買ってみて大正解だったりするのよね。というのも、ちょっとだけ大きいサイズだった緑を自宅用、白を持ち運び用にしてるから。


この2製品がまさに、昔ながら台湾に伝わる2大外用剤、その名も「白花油(バイファーヨウ)」と「緑油精(リューヨウチン)」なのであります。あたいは勝手にそれぞれ「白油」「緑油」と呼んでますけどw

​​ちなみにこの2つ、台湾では、薬局はもちろんのこと、コンビニでも(!)、こんなふうにしてセットで「必ず」並べられております。今のレートで小さいサイズが300円、でっかいサイズが700円~1000円くらい。コンビニより薬局のほうがサイズにバリエーションがあって、30~50円くらい安め。です

薬局にて。


コンビニでもこんなふうにして、絶対置いてある。


で、塗ってみてビックリ!

そうなの。さすがに単独使用したことはないんですけどw(いかんせん西洋医学かぶれですので、まだそこまでは信用してない・笑)、ステロイドと重ね塗りしたら効果テキメン!  塗った端から不快なかゆみ・痛みが瞬時に吹っ飛ぶんですのよ。ただ、タイガーバーム的な!?  昔懐かし、おじいちゃんの湿布の匂いがするんですけれども(笑)。

「油」と言いながら、肌にサラッとのびる。ワセリンみたいなギトギト感がないです。使用量は、一滴だと多すぎるかな、というくらい。ほんのちょっと出してみると、驚くほどのびが良いし、かといって垂れないし。塗ってすぐサラッとして、つけ心地◎。しかもすぐスーッとしてきて、瞬時にかゆみがなくなる。

緑と白との違いについては……正直、色以外はほとんどわかりませんw

強いて言えば、緑のほうは、白い服を着ているとちょっと着色が心配になりますがw 自宅用にしているのはそういった理由もあるんですけど、でも、気づいたらすぐ透明になってる気がするんですよね……。

お土産で買う場合は、「インパクト大」の緑のほうにしてますけど。
でも正直、パッケージの好みとかで買えばいいのではないでしょうかw

この台湾での出来事以来、虫刺されにはステロイド外用薬と白or緑油の2本立てです。外来でも両方処方できたらいいのに、くらいに思っていることは先に書いたとおりです。


うおお! 民間療法、バカにならない!?

と思って、成分を見たら、実はそこまで民間療法じゃなかった、とか思ったので、最後に載せておきます。

まず、「緑油精」​​は、パッケージの写真を撮ってありまして。

主成分の表記、思いっきり英語じゃんww

主成分:メントール(スーッとする成分)、冬青油=サリチル酸メチル(肩こりをほぐす成分)、樟脳=カンフル(血行を良くし、炎症を抑え痛みを和らげる成分)
効能:めまい、鼻づまり、腹痛、頭痛、小児の腹痛、肩こり、虫さされ、やけど、かゆみ、手足の痛み、筋肉痛、船酔い、車酔い

続いて「白花油」。

主成分:薄荷腦=ハッカ油、冬青油=サリチル酸メチル(肩こりをほぐす成分)、桉葉油=ユーカリオイル、樟脳=カンフル(痛みや炎症を抑える)、薫衣草油=ラベンダーオイル
効能:やけど、虫刺され、風邪の頭痛、切り傷、かゆみ、痛み、腫れ、熱中症、車酔い、小児の腹痛、筋肉痛、腹痛、船酔いなど

まあ、ほとんど変わらない(笑)。
それより「ほとんどなんでもアリ状態」な効能の部分。これは買ったときに「ほとんど全部じゃねーかよ」って目が点になってました。

ですが、調べて初めて知りましたけど、船酔い、車酔いってどういうこと!? 私、酔いやすいんですけど、どこに塗るの?? ニオイを嗅ぐのか? 永遠の謎じゃ。

ちなみに白いほうは、最近台湾の薬局に行ったら、サンリオキャラクターバージョンが出てましたww


「ぐでたま」が大好きなので、大して内容を見ずに即買いしちゃったんですけれども、開けてみたら何やら細長くて、

まさかのロールオンタイプでした! 

香りも従来のとちょっと違って、ハッカが前面に出ている感じ。まあパッケージにそう書いてありますもんねw てかこれ、箱を捨てられないんですけど、どうしましょうww


「完全アウェー」な台湾が楽しい!

以上、今回はホテルかメシか、といういつもの趣向からちょっと変えてお届けいたしました。これぞ台湾! なかなかインパクトある感じ!? いかがでしたでしょうか。

フタを開けてみたら日本でも馴染みのあるかもな成分じゃ~ん!? でも、じゃあ、日本で日本語で類似品が売っていたら買うか!?言われると多分手をつけないだろうなw、というのが言葉がわからない台湾マジック。だって、
わかりそうでわからない漢字の羅列と、昭和レトロなパッケージ、これだけで他より効きそうじゃない!? 格好のマーケティング戦略。
まあ日頃はこんなして非医学的なことばっかり考えてるっすww

台湾ならではのビックリ体験、まだまだ続きますよ~! お楽しみに!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?