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ものづくりを日常に

「ものづくりを日常に」
というテーマが頭に浮かんだのはいつだっただろうか。思い出せないくらいに自然と湧いてきたこの言葉はこれまでの自分とこれからの自分を過不足なく一つにまとめていると思っているのだけれども、どうやら言葉が足らないらしいということがわかり、どうにかここに至る経緯からこれからの話を新しい年齢を前に言語化しておきたい。しかし文章にするたびに横にそれ、また書き直してまた横にそれてと、もう4、5回は挑戦してるがその都度とっ散らかるのでその散らかり方も込みで読んでもらえると嬉しい。

僕はこの世に代用のできないものはないと思っているし、自分の人生において自分は大切だが、マクロでみれば取るに足らない存在だと思って生きている。
これは一つの自己救済のようなところがあり、三十年かけた築いた、生きづらい自分の性分に沿ったサバイブテクニックのようなものだと思っている。

どんな人もどんなことも基本的にその人でないといけないということはなく、それでないといけないということもない。誰でも彼でも代用が効き、世界はあり続ける。エジソンは偉大だが、エジソンのいない21世紀も地球は回り続けているし、人類のほとんどの人がエジソンにもスティーブ・ジョブズにも大谷翔平にも藤井聡太にもなれない。それでも自分の人生をより良いものにするために一生懸命生きている。
人生をより良いものにしようと生きる時に心の底から放たれる光は何よりも美しく、その人にしか作れない光だと思う。
しかしそのように生きれている実感が湧きづらく、生きることに精一杯になり、光を失うことがこの現代では多々ある。

それは非日常の輝きの強さに一つの要因があると思っている。自分を位置付けるためのブランド、刺激的な映像、夢の国、羨ましいSNS、そんな眩しい非日常を消費するたびに日常が色褪せていく。
一時期、、僕はそんな消費の渦の中に陥っていた。モニター越しにあるように見える輝かしい世界とは分断されて、ただ繰り返される日々、狭いアパートメントの一室で疲れて寝るだけの暮らし。限界を迎えた僕が東京を抜け出して長野に来たのが7年前。
ほうれん草のお浸しを作った時の残り汁とたんぽぽの群生に魅せられて始まった僕の草木染めを誰かに教わるでもなく独学で推し進めてきた。そこから粘土の仮面や染めた毛糸の編み物、刺繍などさまざまな方向へものづくりが展開し「とりあえず作ってみる」が今、定着しつつある。

僕の鈍色だった日常は長野県の自然に彩られてとりどりの色を見せてくれている。

そして話は戻る。
取るに足らない、代わりの効く僕ができたことをどうして他人ができないことか。そう、僕のできることは誰にでもできることに違いないと結構確信を持って言える。

器用なわけではないし
センスがいいわけでもない
凄いものは作れない
エジソンにもピカソにもなれない汎用性の高い僕は、社会と合わせることが難しいというただ一つの強みを活かしながら、ただただ染めるのが楽しくて染めをして、綺麗に染まったら嬉しくてまた染めてと繰り返した蓄積で人に伝えることができるようになった。だからこそ同じ速度で人とものづくりができるとも思っている。

そして僕は自分の染めたTシャツに4万円の値段をつけた。自分でも高いと思ってる。僕の作るTシャツは誰にでも作れると思っているが、それでも4万円の値段がつくのは、買おうと思ってる人が同じように染めるTシャツにも4万円の価値があると思ってるからである。

草木染めに限らず、粘土や編み物など、作り方ややり方、焼き方はできるだけ安価で、極力無料でアクセスできる場所に置いておきたいと思っている。だからYouTubeという媒体はとても良いと思っていて、提供する側もされる側も無料でアクセスできるのでとても良い。僕はそこで僕のこれまで得た知識や技術は出し惜しみすることなく全部出していきたいと思っている。それが誰かのものづくりをするきっかけになれば本望だからだ。ただそれでもまだハードルが高いと思う人たちのために出張してワークショップをしたい。ゆくゆくは僕が行かなくてもそこでものづくりができるような形を目指してワークショップがしたい。
最後に夢として僕がものづくりをしている空間をオープンアトリエとして開き、誰でもいつでもものづくりをしに来られる空間を作りたい。それはここでしかできないものづくりではなく、なんとなくものづくりができる空気を持ち帰って、家でものづくりができるようになるための場所として。

正直な話をすれば、最終的にものづくりがそれぞれの人の日常化していって仕舞えば僕はいらなくなる。最終的に不必要になる形を目指すモデルが経済合理性として見合ってないことは重々わかっていて、それでも「これがやりたい!」というか「これをやるために生まれてきたのかも知れない」と思っている以上やるしかないと思っている。アンパンマンマーチさながら。

さて、長々と書いてきて想いが伝わったかはわからない。
とりあえず目指す場所はシンプルで、「すべての人」は言い過ぎだけれど、ものづくりに興味のある人たちの日常にものづくりを染み渡らせる。
休みの前日に明日作りたいものを思い浮かべて眠る。そんな暮らしを提供できたら嬉しいことこの上がない。

とりあえずフリーになって一年目。
やりたいこととやらないといけないことが乱雑に転がっている日々ですが、毎朝起きたと同時に何をどう作りたいかが頭に浮かんで布団から飛び起き、ふらふらと庭で植物を採取して切ったり煮たり染めたりする暮らしが嬉しくして仕方がないです。

ただそれだけではまだ生きていけなさそうなので、イベント出店の依頼やワークショップの依頼、ものづくりに関わらなくても手伝ってほしいことあればお待ちしています。
とりあえずまだ一年目で至らない点も多いですが、一年目のプレ価格ということで募集しておりますのでよろしくお願いします。
北海道でも九州でも沖縄でもどこでも道具背負って参上します。

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