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人を頼ることになっても進歩していない訳ではない

緊急事態宣言から早1年が経ちました。
コロナ禍で当初はバタバタしましたが、いわゆる新しい生活様式にも慣れてきた頃だと思います。

個人的には前職を退社し、新しい職場に来たとほぼ同時にテレワークが開始したので「以前の職場環境と変わってしまったストレス」はほとんどありませんでした。なにぶん「以前」を体験していないので・・・。そういう意味では転職のタイミングはラッキーだったと思います。

そんな変化が多かった年でも、環境に文句を言うだけでなく活路を見出そうとする人が周りに多かったな、と思い前向きに慣れたのも事実でした。この感情は忘れたくないと思い備忘的なnoteになります。

・チャレンジすることの戸惑い

昨年、勤務するNPOで不登校、ひきこもり、ニートの親支援が対面面談からオンライン会議ツールを使っての面談に移行しました。

そんなツールをほぼ初めて使用する支援員はもちろんのこと、「スマホは電話しかしない」「Wi-Fiってなんですか」といった親御さんとオンラインでビデオ会議をすることになりました。今考えても移行しているのが本当に凄いと思います。

僕は主にオンラインでのトラブルにおけるテクニカルサポートを担当していましたが、昨年の4月は本当によく連絡が来ました。

「お母様のビデオが何故かオフになっています」
「相手の声が何故か聞こえません」
「お父様が何故か会議に参加できません」

枚挙に暇がありません。一つずつ対応し、上がった問題点を一覧にし分担して手作りQ&Aを作成しました。これは日々想像していないトラブルが起こっていたので良く言えば飽きそうな業務を飽きないで進めることができました。

そうして6月にもなると一通りのトラブルは経験し、支援員も利用される方も僕も、少しずつ安心してオンラインでの会議に取り組むことができるようになりました。

・とりあえずやってみる精神

緊急事態宣言も解除され、夏を迎える頃にはオンラインでの支援が特別なものから日常に変わり始めていました。社内ではオンライン支援が「できる」「できない」ではなく「やる」という意識が高まっていたように記憶しています。

オンラインでの相談支援はコロナ以前にも存在はしていたものの主流とは言えませんでした。
「オンラインで個人情報を扱うのはどうだろうか」
「面談の様子をスクショされたり録画される恐れはあるか」
「対面でないと雰囲気が伝わらない」

このような意見はかなり聞きましたし、この不安の気持ちもわかります。(不安要素は下記にも)

それでもオンライン支援を推進したのは、この期間に孤立する人が生まれることを危惧していたと思います。困って相談に来る利用者を第一に思えばこそ、支援者はチャレンジしようとしていたように思いました。

結果、オンライン相談は対面の代替案だけではなく、さらに支援の裾野を広げたと言えるでしょう。

・自信は慣れからやってくる


そして、オンラインに慣れると思わぬトラブルが生じても動じなくなります。
オンライン導入当初は、相談時に会議ツールの画面が映らないことがあるとパニックになり、支援が延期したケースもありました。固定電話で電話相談に持ち込んだりもしました。

何度も経験しているとおおよそ検討がつくようになるのか、支援員からも事後報告で、
「画面が映らなかったんだけどビデオがオフになっていた」
「カメラの調子が悪いからPCを再起動した」
と、軽い報告だけになってきました。

支援員の自信がついてくると、利用される方の安心にも繋がっていきます。
「一度、会議ツールを出て入り直してもらえますか?」
「画面右下の『カメラ』がオフになっていませんか?」
と、落ち着いた対応ができ、互いにパニックにはならず支援を進めることができます。「経験した」ことが自信に繋がっているのでしょう。知っている範囲の物事が増えてきたことで対処できるようになっていました。

・人に聞いても前進している

そして先日、支援員から連絡があり、
「会議にパスコード設定がされているが間違って予約していないか?設定画面で確認してほしい」
とありました。いつもと違う会議画面だったことに気づき、何が表示されているか把握し、対応手順まで提示していることに嬉しく思いました。(偉そうですが・・・)

1年経ったとはいえ、ここまでくる過程を見ていたので、日々の支援の向き合い方が反映されているように感じました。慣れない環境でも利用者が快適な方法ならとチャレンジしていたことが相乗効果で支援員のスキルまで上昇していました。

オンライン支援が始まった時、僕にトラブル対処を聞いてきた時に皆さん必ず「いつも申し訳ないです」と仰っていました。
全く申し訳ないことではないのですが、年下の僕にお願いする形で教えを乞うことができる人がどれだけいるかと感じましたし、そういう人間でありたいです。

プライドよりも支援を第一に考えている人がどんどん前に進んでる姿が見れた1年でした。



余談
コロナ禍でやるせない気持ちもあったことは確かですが、アメリカの親友3人組avenue beatがF2020の中で代弁してくれたことにいくらか救われました。(2020年は私の年だと思ったのに馬鹿げた状態になっている、的な意)


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