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空っぽのバスの行き先は…?

皆さん、お久しぶりです。


noteはほぼ毎日のように読んでいて、同じように留学している人や創作に励んでいる人、生きる上でのコツを教えてくれる人生の先輩のnoteなど様々なものを読んで日々刺激をいただいているのだが、自分が書くとなるとなかなか良いテーマが思いつかない。
なのでとりあえず今回は12月の中頃に訪れたGuimarães(ギマランイス) の話でもしようかと思う。冗長にならないように細心の注意を払いながら書き進めていきたい。

ギマランイスってどこ?

まずギマランイスがどこにあるのかという話から始めなければいけないだろう。ただでさえマイナーな行き先であるポルトガルの小さな街の話をしなければいけないのだから。

緯度で言うとバルセロナと同じくらいらしい

Google Map先生のお力をお借りして端的に説明するとここ↑だ。ポルトガル北部の大都市ポルトよりももう少し北側にある。かねてから綺麗な街だという噂は聞いていたので、1学期が終わり、暇になったタイミングで訪れてみることにした。

なぜこうなった…?

僕が住む街コインブラからはバスで約2時間半ほどというかなりアクセスしやすい場所にある。コインブラ→ポルト→ギマランイスの順でバスが北へと進んでいったのだが、事件はポルトで起きた。いつものようにうとうとしながらバスに揺られ(ポルトガルのバスは寝ていても今のところ何も盗まれていない)、ふと気付くと出発からおよそ1時間、ポルトのバス停にたどり着く頃だった。寝ているのか起きているのか分からないようなぼーっとした状態のまま、「あーポルトだなぁ」ぐらいしか思っていなかったのだが、やがて周りの人たちが皆いそいそと降りていくことに気が付いた。皆という言葉は大まかに大人数を指す時に使う場合もあるが、この時は本当に皆、全員降りて行ったのだ。

ポルトは大きな街なのでバスの中の大多数が降りていくことは何も不思議なことではない。しかし周りを見渡してみると誰もいない空っぽのバスになっていたのだ。その光景を目にして、さすがに目がぱっちり開いた。ポルトガルでバスのチケットを取ると、たまに乗り換えが必要なこともあるのでそれかと思い、バスを降りて運転手さんに聞いてみると「このままギマランイス行くよ」とのこと。首を傾げながらバスに戻って見回してみても、やっぱり誰もいない。


そう、ポルトからギマランイスまで乗客は僕一人。貸し切りで目的地まで運んでもらうことになったのだ。


動画もあるのだが、本当に一人だ

羨ましいなと思われる方もいるかもしれないが、大きなバスの中で(日本の夜行バスとほぼ同じサイズ)一人取り残された僕の身になって考えてみて欲しい。とは言ってもバスに一人取り残されたことがある人はなかなかいないと思うので、どのような気持ちになるかご説明しよう。

まずは不安が襲ってくる。本当にこのバスは目的地まで行くのか、さっきの会話は聞き間違えではなかったかなど色々なことを考える。その次に何をしていいのか分からなくなってくる。せっかく人がいないのだから踊ったりしてみても誰にも何も言われない。僕の場合はとりあえず2席を存分に使ってくつろいでみることにした。快適快適。ここまで来るとその状況が楽しくなってきてなんだがニヤけてくる。普通なら寝て過ごしていたであろうポルト→ギマランイスの道のりを思いがけない出来事によって非常に楽しく過ごすことができた。わざわざ僕一人のために運転してくれた運転手さんにお礼の握手をしてから、ついにギマランイスに到着した。

ギマランイス到着!

Aqui Nasceu Portugal(ここにポルトガル生誕す)
ポルトガル最初の王Afonso Henriques生誕の地であるためこう呼ばれる


やっと到着のところまで書けた。ここまでで約1300字。まだまだ続きます。


今回は一人旅だったこともあり、全くのノープラン。とりあえず街を歩いてみようと思ったのだが、これが想像以上だった。ただ歩いているだけで楽しめてしまう。ごく普通の民家であっても右の家は淡いピンク色で、真ん中の家は白、左は黄色というように誰かが意図的に作り上げたのではないかというぐらい色とりどりで鮮やか。雲ひとつ無い快晴の日だったことも相まって、写真を撮る手が止まらなかった。


カラフルハウスたち、住んでみたい
水路の上にポツンと一軒家
街歩きの途中で見つけた骨董屋さん、軽く一万点を超えそうな品揃えだった

街歩きの後は


中庭でフットサルできそう

街歩きを存分に楽しんだ後に訪れたのはPaço dos Duques de Bragança(ブラガンサ公爵宮殿) 元は中世に建てられたもので、現在の姿は再建後のものではあるものの、存分に中世ヨーロッパの雰囲気を感じることができる。内部は博物館のようになっており、絵画や調度品、武器のコレクションまで飾られていた。中でも圧巻だったのがステンドグラスがあしらわれた礼拝堂。快晴の太陽に照らされて、鮮やかに輝いていたのが印象的だった。

記憶上は人生初ステンドグラス


その次は少し坂を登って、今回の旅の目玉!になるはずだったCastelo de Guimarães(ギマランイス城)へ向かった。なるはずだった、というのは見事に改修工事中だったという事情がある。思い返せば小学生の時に行った日光東照宮も、中学の修学旅行で行った清水寺も工事中だった記憶がある。城の上に登れていたらさぞかし綺麗な景色だっただろうなーと少し悔しい思いをしながら市街地へ戻った。


登りたかった…


帰りのバスは予告なく30分近く遅れてくるわ、電光掲示板がないため自力でバスを探し歩かなければいけないわで大変だったが、しっかり同乗するお客さんが居て安心した。


ポルトガルでも有数の歴史深い街ギマランイス。なかなか名前を聞かない場所かもしれないが、色鮮やかな街並みとポルトガルの田舎を吹く風が、訪れる人の心を穏やかにしてくれるそんな素敵な街だった。皆さんも訪れてみてはどうだろうか、なんて気軽に言えるほど近い距離ではないがもし機会があれば是非。

帰りがけに見つけた名前も分からない教会


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