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彷徨うおっさん42 ものを無くしやすいおっさんの欠点との向き合い方考察(5/5) 現実的な策で

 前回は、ものを無くさないための具体的な策を考察する一方で、現実的な策が、人との関係によってグダグダと意識の問題にすり替わってしまう。その現状について導入を述べた。
 今回はその続きを述べ、結局自分の欠点とどう向き合っていくかを考察したい。


 結局ものを無くした時の例で言えば、対策として

① 分かりやすくチェックリストや保管場所の明示などを行うこと
② 謝罪をし、意識向上のための研修を行う
③ 現状のやり方をなるべく変えずに、追加でできることを探す

 こんな効果の薄いことばかりやらされてしまい、結果としてミスを繰り返したとしても「意識」の問題にされてしまう。

 この反動として、根性論の他人様にも分かりやすい事象としてかみ砕いた

「短所は長所になり得る」だから定期財適所で行こうね

「個性だから仕方がない」だからおとなしくして、自分の輝ける分野で輝こうね

 などと言った、やや論点のズレた議論に発展していくような気がしてならない。問題から逃げることは出来るが、問題は放置されてしまう。

<行き過ぎた論点ズレが現実逃避になることも>


 そしてこの段階から更に論点がずれていくこともある。
 スピリチュアルな方面である。

曰く
「今回亡くしたものは、不要だからあなたの元から離れていった」
「あなたの運気が乱れているから、大事なものが嫌がって出て行った」
などと、いった言である。

 ものを無くしやすい自分の性質に、気を揉んでいる人達が、所謂多くの自己啓発系によって丸めて処理されたり、プライドを傷つけられた状態になると、ある意味耳に心地が良いのかもしれないが、気休めにもならないのでやめてもらいたい。

 ものを無くすというのは、述べてきたように案外パターンが存在するものである。意識や性質を変えることは困難であっても、そのパターンを見極めれば、策を講じることもでき、その被害をいくらか抑えられるようにもなる。

 この原点に立ち返って目を覚ましてもらいたい。

 また、策にはトレードオフの事象もある。
 おっさんの例で言うと、予備の鍵を小銭入れに入れておき、メインの鍵を無くしたり置き忘れた時に締め出されるリスクを回避するつもりが、小銭入れごと無くしてえらい目にあったというような状態だ。
 或いは、消しゴムや傘程度ならば諦めるという思考パターンの確立も、気持ちの動揺を抑えるという点では合理的でもある。
 物事はあちらが立てばこちらが立たずの場合も案外多い。
 全てを欲張らず、何が重要かを見極めて、冷静に判断すべきである。

<欠点は誰にでもある、だが向き合い方でその後が大きく違う>


 ものを無くすという事象は、自身の癖や性格にもよるが、経験を拾って状況をきちんと分析し、対策を打つべきものである。
 運命だったとか、運が悪かったと言えば、案外その通りなのかもしれないが、そうやって片付けてしまうと、一切の進歩がなく悪夢は繰り返し、多くの人に迷惑が及ぶことになる。

 また、ものを無くすという事象以外にも、例えば無駄遣いしてしまう、欲望や感情を抑えきれない、道が分からない、計算ができない、人と話すと人一倍疲れる、お酒に弱い、睡眠時間必須など、人間一人一人が持つ能力の限界というものは存在する。

 今回はおっさんの例としてものを無くすことについて述べたが、どんな事象であっても、パターンを見極めて冷静に対処することは大事であると思う。

 時々、悩み相談への解答や、あなたがそういう人生である理由、といった旨のコラムで、生まれや、星の巡りなどを根拠にグダグダと理屈を並べる人がいるが、本当に気休めでしかない。

 目の前に起こっている事象に目を向け、意識ではなくシステムとしてどうするか、運命ではなく対策としてどうするか、常に思考を切り替えていただきたいとおっさんは思う。

 とはいえ、かくいうおっさんも、小銭入れ、合鍵、クレジットカードと、無くしたくないものばかり、4月に入って立て続けに無くしており、さすがに神か悪魔の御業ではないかと、思わず両手を合わせてしまった。
 人とはそういう生き物でもある。

 だからこそ、なにか良くないことが起こった時に、嘘偽りなく見えている真実を糸口に、周囲に何を言われても、常に少しでも良くなるための模索を冷静に指向すべきだとおっさんは思う。

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