見出し画像

【動作感覚】高めるためにはムダなことをしろ!【初級編】

今回も動画の補足や派生的なことを…
せっかくなので深掘りよりも
横に広げる感じでいきたいと思います
最近よく聞くマインドフルネスとかにも
繋がったりしそうです

✅本当にムダなのか?

今回実践編で紹介している運動は
動画内では『ムダ』なことと言ってます
まぁ正確にはムダかムダじゃないかなんて
わからないし現時点で決まることでも
ないですと
気持ち的にはムダと思ってやっとく
くらいがいいと思いますという感じですね

答えになるかどうかはわかりませんが
室伏広治さんの著書『超える力』で
書かれていることを引用してみます

【以下本文より引用】
私は、独自のアイディアをもとに、
団扇(※うちわ)を投げるトレーニングや
投網を打つトレーニング、
碁石やおはじきを投げる
トレーニングも手がけた。

団扇投げでは目標をめがけ、
軌道を描いて投げる感覚を養い、
投網では投げる際に物体を
拡散させる感覚を養った。
碁石やおはじきを投げる際には
バラバラに拡散して投げる方法や
一箇所にまとめて投げる感覚なども身につけた

(中略)

ハンマーとはまるで異なるものを
投げるトレーニングを不思議そうに
見る人もあったが、ハンマーを
遠くに投げるだけでなく、
投げるモノがいろいろあり、
モノを投げることの楽しさも知った。
これらのトレーニングは、モノを
投げる際の集中力や投げる感覚を
磨くことに大いに役立った。

(中略)

自分なりに是々非々で必要なトレーニング、
自分の本能が欲するトレーニングを行なって、
日々、効果を試しているのである。(終わり)

ここにはとても面白いキーワードが
散らばっててそれも横に広げて
いこうと思いますが
まず大切なのは
室伏広治さんはこの時点の時にはもう
かなりのハンマー投げ選手だった

ってことですね
つまりハンマー投げの初心者ではないので
最初からこれは役に立ちそうだと
『当たりを付ける』はできたと思います
なのでモノを投げる際の集中力や感覚を
磨くことに大いに役立った、と
書いています

で、ここからが大切で面白いところです
これは室伏広治というすでに
トップクラスのハンマー投げ選手で
動作感覚の鋭い人だから
役立てることができたんじゃね?
つまり、一般人がこんなことをしても
大して役にも立たないし
『ムダ』なんじゃね?
っていう思いや疑問が生まれませんか?

じゃあもう少し丁寧に本文を
読み解いていきましょう

室伏さんは集中力や感覚を磨くことに
大いに役立ったと言っています
本人が言ってるんだから間違いないでしょう
ただ、引用した本文中にもその前後にも
すごく大切なことが書かれてません

『そして、これらのトレーニングにより
磨かれた集中力や感覚のおかげで私は
安定的に平均して50cmほどハンマーを
遠くに投げられるようになったのである』

こんな感じの文ですね
こんなことは本文中には
どこにも書いていないです
当然のことです、だって
そんな事は起こり得ないです

集中力や感覚が高まったのは事実
でも、それだけで競技能力は上がりません
特にこんな世界のトップレベルなら尚更です
つまり集中力や感覚が高まったことには
違いないですが、競技能力にまでは
影響を与えてないわけですから
この時点では高まった集中力も感覚も
『ムダ』なもの
ってことです

じゃあなぜ室伏さんは
そんなことをしてるのかというと
ここからは本文には直接は
書かれていないので推測にもなりますが
その後こういう事をしていったと思います

モノを投げる時の集中力は高まった
じゃあ同じような集中力を使って
技術練習はもちろん、基礎的な
トレーニングをしてみよう

モノを投げるような感覚と同じような
感覚になるようにダンベルやバーを
掴んで動作してみよう

おそらくこういう所に繋げて
練習・トレーニング・日常生活にまで
応用したはずです
そしてそれならば記録向上は
十分に可能性があることです
ただ、こうなってくると
もうどれが直接的に1番大きく
記録向上に影響したのかなんて
本人でもなかなかわからないと思います
もっと言うなら
1番最初に色んなモノを投げる集中力や感覚を
高める事は最終的にハンマー投げにも
役立つことになりそうだっていう
当たりは付けていたと思いますが
それが最終的に練習やトレーニングに
具体的にどんな変化を及ぼすことになるのか、
までは当たりはついていないと思います
なので紹介した本文の最後に
『日々、効果を試しているのである』
と書かれているわけですよね

試すって事は当然ですが
結果はわかってない状態なわけです
成功もすれば失敗もする
それを確かめるために試すわけですよね

室伏広治ってバケモンですよ

そんな人ですら途中まではほぼ確信に近い
当たりを付けられたとしても
最後は試すしかないんです
つまりムダかムダじゃないのかを
初期で判別なんかできないってことです

✅執着の怖さ

じゃあもうひとつ横に広げていきましょう
ヒトは色んな事に『執着』してしまいます
例えばあなたがハンマー投げの選手で
練習をしている時にたまたま室伏さんが
通りかかって
『ハンマーっていうモノを投げる競技を
しているんだからハンマー以外にも
色んなモノを投げてみるといいよ。
団扇とかおはじきとかね』
ってアドバイスしてくれたら
『あざっす!!』ってなると思います

じゃあ次は誰かもわからないおっさんに
『モノを投げるっていう感覚がまだ弱いね、
団扇とかおはじきとか投げられるモノ色々投げてごらん』って言われたら
『は?団扇とか投げてハンマー投げの成績よくなるわけないだろ!』ってなる人多いと思います

『何』を言っているのかよりも
『誰』が言っているのかになる

これもひとつの執着です
ど素人ってたまにプロよりも
核心的なことサラッと言ったりしますよ

次に感覚系は特に多いですが
色々と感覚高めることができるって
言われてるものをやってきたけど
あんまり効果は実感できなかったから
あるいは
もし、これもやってみて自分の
欲しい感覚に繋がらなかったら
時間と労力がムダになるから怖いな
みたいなね
『過去』と『未来』への執着です
僕が動画でもここでも
『ムダ』なもんだと思ってやってください
って言ってるのもここに繋がります

『不毛』って1番きついんですよ
畑に種まいて水あげたり雑草抜いたり
労力かけたのに何も収穫できねぇ…
そらきついですよね
それならやらんかったらよかったとなる
で、また次に畑と種用意されても
そら尻込みますわな

感覚トレーニングってのは
すごく不毛になりやすいです
いわゆる筋トレとか有酸素運動ってね
ちゃんとやったんなら
『絶対』効果でます

収穫できなかったんならそれは
ちゃんと水あげたり雑草抜いたりとかが
できてなかったってことですね
でも感覚ってのは
ちゃんと水あげて雑草抜いても
収穫できないことは普通にあります
だからこそ『過去』と『未来』への
不毛に対するきつさや怖さに
執着しやすいです

なのでここからはみなさんの
背中をグイグイ押していこうと思います
まず感覚っていうのは
『不毛になる』性質を持っています
そしてそれと同時に
『絶対に不毛にならない』性質も持っています

は?ってなりますよね
でもね、感覚系たくさんしてきた人は
多分わかるー!ってなってるはずです
要はこの矛盾を受け入れるかどうかって
だけの話です

エジソンとメッシですな
【トーマス・エジソン】
私は失敗したことがない。
ただ、1万通りのうまくいかない方法を
見つけただけだ。

【リオネル・メッシ】
努力すれば報われる?そうじゃないだろ。
報われるまで努力するんだ。

矛盾を受け入れた奴らはこんなこと
言うってことです

要は
・ちゃんとやろうが
・頑張ろうが
・丁寧にしようが
『不毛』になるんですよ

あなたがダメなわけでも
間違ったわけでもないです
そういう性質持ってるんだから
仕方ないです

突破口はたったひとつです
『やめんな』
これだけ

僕は別に根性論者ではないので
もうちょいだけいきましょう

✅キャパを超えるな!

というわけでもう一度室伏さんの
本文を見てみます
『投げるモノがいろいろあり、
モノを投げることの楽しさも知った。』
わかりますかね?
こいつ若干楽しんでやがるんです

つまり不毛になるし
不毛はきついんだけど
このきつさを和らげる方法があるんです
水あげや雑草抜くのが
ちょっと楽しめたらいいんです

それなら仮に不毛でも
まぁ水あげたり雑草抜いたりするの
ちょっと楽しかったしな
ってきつさは和らぎます

えー、でもぉ…
ってまだ思いますか?
ここまで読み進めてきたんだぜ?
興味津々じゃないか
僕に言わせりゃああなたたち
もう日よけの麦わら帽子被って
長靴履いてクワ持って立ってる 
ようにしか見えないですよ

無理やりその辺歩いてる人
引っ張ってきて畑しよう!って
僕は言ってないですからね
準備万端で畑の前に来たのは
みなさんですよ

じゃあやろうって言ってるだけです
で、アドバイスは
『キャパを越えないでね』
これだけです
つまり水をあげるのも雑草抜きも
若干楽しめる所まででやめといてください

ちゃんと水あげないと!
雑草も抜かないと!
やっても不毛の時あるって言いましたよね

キャパ超えてやっちゃうから
キャパを超えたきつさを感じて
その上不毛だった、なんて
もう二度と畑来たくなくなりますよ

人によってキャパはそれぞれですから
どこまでやるのかは変わりますけど
キャパを超えてなければそれでいいです

室伏さんはモノを投げる楽しさを知ったって
言いました

僕が好きなもう1人のバケモノは

『野球のことを愛したことだと思います。
これは変わることはなかったですね。
おかしなこと言ってます?僕。大丈夫?(笑)』

はい、イチローさんが引退会見で
イチロー選手が貫いたもの、貫けたものは?
っていう質問に対しての答えです
『愛』って言葉を使ってます
えげつないキャパですよね

水あげや草抜きすることを
愛してそれを貫けたって
言ってるんですからね
逆に言えばイチローさんでさえ
そのキャパを超えたら
野球を嫌いになると思います
愛なんて言葉を使ってる人の
キャパを超えることの方が
不可能に近いってだけの話です

ちなみにイチローさんはこんな感じです

見やすさの都合上これは
一部ですが簡単に言うと
イチローさん、ほぼ毎年のように
スイングフォームをマイナーチェンジしてます

パッと見は同じように見えますけど
バットの寝かせ具合とか
脚の上げ方・上げ幅
腰の回旋具合なんかも
ちょっと違ったりしますよね

これえげつないことなんですよ
だって2001年にマリナーズに入団して
初年度で242本ヒット打ってるんですよ
2004年には262本っていう大記録まで
打ち立ててるのに
フォームちょっと変えるんですよ

普通はすごいいい結果出たら
あまり変えたくないですよね?
変えてヒット数減っちゃったら
怖いって思いますよね?

やっぱりこの人もそんな『執着』
一切ないってことです
もうここまで来たら
収穫することすら気にしてなさそうです
どんな風に水あげよっかなー
どんな風に雑草抜こうかなー
ってそっちを楽しんでるんじゃね?
って思いませんか?

まぁ、この人のキャパは
えげつないですけど
キャパを超えずにその範囲の中で
やってたら『執着』もそんなに
起こらないってことです

✅まとめ

というわけで、今回の動画を
ちょっと横に広げて記事にしてみました
まだまだ広げられるんですけど
僕のキャパを超える可能性があるので
ここまでで今回は終了です

大阪市 谷町四丁目
パーソナルトレーニングジム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?