【文章講座】プロ作家への道①「経験者のみ」の募集に真っ向勝負
【文章講座】を始めるにあたりプロとして歩んできた経験を綴ります。
ご興味のある方にご高覧いただけましたら幸いです。
▶︎いつも傍らにペンとノート
「はじめに言葉ありき」とは
よく知られる聖書の一節ですが
生まれながらにして
身近に本(=文章)があったのは幸いでした。
親はもとより、「この自分で今回は生きる」ということも
ちゃんと選んで生まれてくるといわれます。
そうであるなら、私が神さまのもとで選んだシナリオには
「作家になる」と書かれていたにちがいありません。
父が英語教師と文学者という二足のわらじだったため
家には夥しい本がありました。
そこへきて私は病弱で外遊びをさせてもらえず
また、我が家の躾けの都合上テレビを観ることができず
本に親しむほかなかったのです。
10歳で分厚い日記帳に文章を書き始めたのは
ごく自然な流れでした。
それからというもの、いつも傍らにペンとノートがあり
なかなか表現しがたい心模様を綴ることが習慣となりました。
私にとって「書く」という行為は
呼吸に等しいものだったのです。
▶︎作家になっても食べていけない
十七歳の頃には、将来作家になりたいと思い始めていました。
けれど、作家になるのは、難しいものです。
作家として食べていけるのは、ごくごくわずかな一握り。
そんな現実をわかっていたので
「作家になろう」と思う側から憂鬱になりました。
公募に出そうともしましたが、そういう目的が関係すると
どうも筆が進まなくなるのです。
そんな自分にイライラしながらも
「書く」ということをあきらめることができない。
もてあましてばかりの時間を何年も過ぎ越し
とにもかくにも、「書く」という職業につこうと決心したのが
25歳の春でした。
▶︎採用条件は経験者のみ
その当時、コピーライターとかデザイナーなどは
「カタカナ職業」と称され、特別視されていました。
もちろん、容易くなれるものではありません。
募集はあるものの、判で押したように「経験者のみ」とあります。
じゃあ、いったいどうやって経験を積んだらいいの?
反骨精神が刺激されたのでしょうか、
私は原稿用紙十枚にちょっとした掌編を書いて
ある編集プロダクションの面接に赴いたのです。
「うちは経験者しか募集していないんだよ」
「わかっていて来ました。
ただ、書く力の目安になるかと思って、これを持ってきました」
差し出した原稿を受け取ったのは
コピーライターのチーフです。
気難しい顔でしばらく読んでいたチーフは
なんと驚いたことに、
「これだけ書けるならいいんじゃないかな」と
社長に採用を交渉してくれたのです。
▶︎「プロの仕事」を思い知る
嬉しいなんてものではありませんでした。
が、同時に、猛烈に緊張しました。
経験者を求めていたということは
即戦力にならねば、役割を果たせないからです。
初めてコピーライティングを書くことになり
まずはチーフがざっくりと
「広告コピーの基本」を教えてくれました。
だいたい10分くらいでしたでしょうか。
たったそれだけで、「じゃ、書いてね」です。
頭が真っ白になりましたが、
呆然としている時間など少しもなく
とにかく見よう見まねで書いてみました。
それをチーフに持って行くと、思いっきりダメ出しが来ます。
書いてはダメ出しをされ、書いてはダメ出しをされ
という繰り返しが何度か続いたあげく
「じゃ、これでいこう」
と、言われた時の嬉しさったらありませんでした。
▶︎繰り返しの中で気づいたら身についていた
今にしてみれば、それはまるでお茶のお稽古と似ていました。
とにかくやってみて、指摘されたところを直して
という繰り返しのなかで、
いつしかコピーライティングの技術を
理屈理論だけでなく、感覚的かつ実践的に身につけていたのです。
そして、このコピーライティングの基本は
その後、取材記事から、書籍に到るまで
あらゆる執筆の土台となっていきました。
写真は、そのころの・・・と言いたいところですが、
40歳の時です。
自著も出版して、やっとモノカキになれたと
実感するようになったころでした。
▶︎【本気の文章講座】5月開講
2022年5月上旬から
「文章講座」をスタートいたします。
25歳で大手出版社の編集プロダクションに
コピーライターとして所属してから約30年
広告、雑誌記事、書籍執筆、出版プロデュース、
ウェブライター、自著の出版・・・と、
一貫してプロの書き手として歩むなか
「現場」で身につけた技術を
体系的かつ実践的に伝授いたします。
ご注意いただきたいのは
「出版講座ではない」ということです。
「出版に繋がる道」でもありますが、
それ以前に、「文章を書く」という
極めてクリエイティブな世界を
磨き上げていくことがテーマです。
もっと純粋に伸びやかに、何より豊かに
「文章を書く」ことにより世界を創造する。
ここに本気で取り組みたい方をへ向けて
独自の技術を伝授いたします。
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みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。