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ひとり新年会 伊豆ホテルリゾート&スパ


お正月明けに一人時間を設ける理由


お正月明けは一人で過ごす時間を設けることにしている。
年末年始は何かとやることがたくさんあるからだ。
前倒しになって押し寄せる仕事をこなしつつ、大掃除におせちと、家庭人としてのあれこれを、やはりしないと落ち着かない。
そんなわけで、無理にでも空白時間を自分に与えようというわけだ。
見切り発車的に忙しく動き出すことがないよう、新たな一年のビジョンをゆっくり俯瞰する時間を持つことで、頭のなかにイメージマップのようなものができあがる。
心を遊ばせれば直感もさえて、新たなコンテンツを思いついたりもする。

伊豆ホテルリゾート&スパ

今年は熱川の伊豆ホテルリゾート&スパで過ごすことにした。
一年の計は元旦にありというように、新年をどう過ごしたか、その時のエネルギーは年間に影響すると思う。
なので、少し贅沢でも、心から寛げる豊かな時間が約束されるのが確かな宿を選んだ。
このお宿は3回目。
以前YouTubeに動画も投稿しているので、そちらも併せてご覧いただけ」ばと思う。


青が広がる

ホテルのエントランスへ続くドアが開くと同時に、目の前に青の世界が広がる。
このシチュエーション、展開を考えた人、もう本当に素晴らしい。
ここは東府やリゾートや、以前記事にした赤倉観光ホテルと同じ系列で、渡り廊下を効果的に使っているのと、あちこちに水盤を配置しているという、建築デザインの共通点がある。

目の前に広がる絶景。標高300メートルあまりからの眺めは開放感でいっぱい。
ロビー前の水盤テラス。空と海の青とシンクロして美しい
冬でも晴れた日は暖かい。日向ぼっこにちょうどいいテラス
ロビーから客室へは渡り廊下を歩いて行く。このシチュエーションがワクワクさせる
渡り廊下好きにはたまらない光景。このままで絵になってしまう
渡り廊下を出ると広々したテラスがある。海と空の景色をくつろぎながら眺められる
渡り廊下を出たところの水盤テラス
夜になると炎が灯り幻想的な美しさ

お部屋は露天風呂付きテラスツイン

利用したプランは、いつもの【贅沢一人旅プラン】。
露天風呂付きのテラスツインを、一人で利用できるというもの。
他にリビングのある素敵なお部屋がたくさんあるようで、できればそちらに泊まってみたいのだけど…。
ただ、テラスツインでも広さは46平米あるので、十分ゆったり。
3度目だと、すっかりお馴染みの気分になる。

入り口から部屋を望む。どの部屋もすべて海に面している
広めのベッド。寝心地は最高でした
窓側から部屋を望む。右側にラウンジスペースがあり、お茶や珈琲、冷蔵庫にアルコールなど。すべてフリードリンク。
部屋とは廊下を挟んで独立しているパウダールーム。以前、泊ったお部屋は、お部屋の一部がパウダールームになっていた。
洗面台の向こうにシャワールームがあり、さらにその向こうに露天風呂。
お部屋の露天風呂。半露天と言った方がいいかな?いつでも入れるのが嬉しい
浴衣にパジャマなど。浴衣の上から着るガウンや、湯上がりのバスローブもたっぷり用意されている。

宿泊者ラウンジで午後のお茶

ここに来る時は、たいていお昼に到着し、カフェで軽くランチをとって、お部屋にご案内いただくのを待つ。チェックインは15時だけど、準備でき次第、早めに通してくれることが多い。今回も14時にはお部屋に通していただいた。
お風呂に入ってから、ラウンジへ。
誰もいなくて貸切状態。

趣味のいいソファや椅子が配置されたラウンジスペース。
ライブラリールームが隣接。本もたくさんあるので、うっかり長居しそうになる
14時からはラウンジにちょっとしたフードが用意される。アルコールが好きな人はビールやワインがおすすめ
お茶タイム。雑誌を読んだり、景色を眺めたり。
テラス席もある。曇ってきたので、今日は室内にした。

フレンチの夕食

夕食はフレンチをチョイス。
ノンアルコールのスパークリングワインを頼んで乾杯した。
「おめでとう、わたし。今年もよろしくね」
こんな言葉を心の中でつぶやくとき、なんとも言えない幸福感が広がってゆく。
ひとりの時間は、実に贅沢だ。

ノンアルコールのスパークリングワイン。通常のワインからアルコール分だけを飛ばしたらしく、とても香りが良くておいしい。
ディナーのメニュー。
一口のお楽しみは、サツマイモのムース。上に乗っているのは葉っぱの素揚げ。
前菜のサラダ。一番下に静岡のみかんが丸ごとある。
ホタテ貝の貝殻焼き。サフラン風味のクリームがやさしいお味。
スープは大好きなのでいつも楽しみ。金時にんじんのポタージュだった。
メインディッシュは鹿肉をチョイス。臭みがまったくなくて、やわらかくてビックリ。
デザートはクレームブリュレを。

鏡開き新月の朝

目の前に広がる海には、朝日が昇り、満月の夜にはムーンロードが見られるという。
今回は冬の朝日を見たかったのだけれど、残念ながら曇り空。明日は晴れたらいいのにな。
朝ごはんは和食をいただいた。

朝から曇り空だったけれど、ほんの一瞬、お日さまが顔を覗かせてくれた。
朝ご飯のメニュー。和食です。
おみおつけ、ごはん、前菜と野菜の煮物。東府やと同じく、お汁がたっぷり。
海苔がパリッとするように特別にあつらえたという箱。こちらも東府やリゾートと同じもの。中に炭が仕込まれていて、海苔をおいしくいただける。家にも欲しいくらい。
食前酒ならぬ、食前の野菜ジュース。にんじんやトマトなど、4種類の野菜が使われた料理長のお手製だそう。
焼き物は伊豆の名物、金目鯛の西京漬け。
デザートはヨーグルトと紅茶。


ひとり温泉旅の過ごし方


温泉旅は基本的にお篭りで、どこか観光に出かけたりはしない。
ゆえに無理のない範囲で少しランクの高いお宿を選ぶ。
部屋では音楽を聴きながらお茶をいただいたり、軽く仕事をしたり、本を読んで過ごす。
温泉には日に何度か入る。お部屋のお風呂のほか、大浴場にも行ってみる。
平日は人が少ないので、たいてい独り占めできる。
ここのお風呂は立ち湯で、とにかく景色がきれい。
お風呂から上がってバスローブのままゆっくりしていると、なんだかとてつもなく優雅な気分になれる。
お部屋がとにかく過ごしやすくて、もっとうんと年を重ねた頃に、こんなところで暮らすのもいいな、などと思った。

Bluetoothを接続して、スマホでAmazonミュージックを立ち上げる。小さいのに素晴らしく音がいい!
旅の相棒のPC。とにかく軽いので持ち運びがラク。
朝ごはんをいただいたら、お昼ご飯はとてもではないけれど食べられない。午後3時近く、カフェ「Bakery&Table」でアップルパイをテイクアウトしてお部屋でいただいた。
これでもかというくらい林檎が入っている。箱根の冨士屋ホテルのアップルパイが大好物なのだけど、ちょっと似ている。
ティーポットがちゃんとあるのも、お茶好きには嬉しいところ。白山陶器のもの。


三日目朝、念願の日の出とサンロード

このホテルを選んだ理由に、海に昇る朝日を眺めたかった、ということもある。
冬は晴れている日が多いから、きっと見られると思ったのだ。
二日目の朝は残念ながら雲に覆われていたけれど、三日目、帰る日の朝は見事な日の出となった。

6時半頃。少しだけカーテンを開けていたので、夜が明け始めたことに気がついた。まだ日が昇る前のこの時間がとても好き。夜空の青さも美しい。
水平線に少しかかっている雲の隙間から、朝陽がのぞきはじめた。
力強く大きな日がどんどん昇っていく。
水盤テラスから。太陽の道が出現した。
日が高くなるほどに光の道がはっきりと見えてくる。
7時半くらい。橙色に焼けた空から、青空へと変わっていった。

朝の光は、このうえないギフトだと思う。静かで、しかし力強い光を浴びるだけで、生きる力が湧いてくる。いにしえの人々が朝日を拝む生活習慣を持っていたのは、力強く生きるためだったのかもしれない。

2日目が曇天だったことは、後から思えばそれもよかった。夜10時に倒れ込むようにして眠りにつき、朝8時前まで眠っていた。10時間近くだなんて信じられないけれど、それくらい休養が必要だったのだろう。
休ませていただけたのだと思う。

洋食の朝ごはん

帰る日の朝食。
前菜、サラダ、スープ、卵料理、パン、飲み物とフルーツと、とにかくたっぷり。

前菜のプレートと、サラダ。紅茶にオレンジジュース、フルーツヨーグルト。
やさしいお味のポタージュスープ。
パンは四種類。ミルクパン、プチパン、クロワッサン、ぶどうパン。
メインディッシュはオムレツにした。こういうときに限って、ふだん食べないケチャップなど使ってみたくなるのはなぜ?


飛ぶ鳥跡を濁さず。旅の終わりも美しく

最後に、旅を終える時の大事なこと、大切にしていることを書いておく。
それは、部屋をきれいに片付けて出る、ということ。
わずか数日でも、ゆっくり過ごさせていただいた空間だ。感謝を込めて、整えてから出ていきたい。
ホテルには様々なスタッフがいるが、最も目につかないけれど、部屋の居心地を大きく左右するのが清掃の方々。
ここまできれいにするのは大変だと思う。なので、
きれいにしてくださってありがとう
という気持ちを表現したい。
片付けて出るのは、そのためでもある。

また来よう。

お部屋を出る時、旅を終える時は、いつも残念で寂しくなる。このままずっと旅していられたら、どんなにいいだろうといつも思う。
でも、たぶん終わりがあるからいいのだろう。
日常に戻ってみれば、それはそれで楽しいのだし。
おそらく私は人一倍、別れとか終わりとかが苦手なのだと思う。
だからいつもおまじないのように呟く。
「また来よう」
そんなふうに思い、そんなふうに呟ける場があるというのは、これもまた贅沢なことに違いない。

ロビーから眺める日の出


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