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さよならケロちゃん。さよならダンゴ虫。庭の小さな生き物たちin家庭菜園

去年始めた家庭菜園。

自分で育てたスイカやかぼちゃを食べたり、冬瓜三兄弟のあれこれがあったり、楽しんでいます。

しかし今年の春になり、問題が出てきました。
ナメクジがわいたんです。

セロリやスナップエンドウの葉を食べる食べる。穴だらけになっていきました。

見つけては取り除くを地道に取り組んでおりましたがエンドレスな除去作業。梅雨になったらどうなるんだろうと不安を抱えていました。そこへ強力な助っ人が現れたんです。

毎朝こうやって座ってるんです。胴体をパンパンに膨らませて。きっと夜の間にナメクジをお腹いっぱい食べルのだと思われます。頼もしいかぎり。朝ケロちゃんを見るのが楽しみになっていました。ケロちゃんの為にナメクジを残しておいたりもしました。(←取るのが面倒くさいだけでしょ)

数日家を空けた時は、帰って来るなりケロちゃんを捜しました。水遣りをしなかったらナメクジは死んでしまいます。ナメクジがいなくてケロちゃんが飢えていないか心配だったんです。そうしたところ、いつものようにいたんです。しかし様子がおかしい。

上を向いて大きな口を開けて苦しそうなんです。見出し画像に描いたとおりです。左手を大きく開いてぶんぶん振り回したかと思うと、その手を口の中へ入れたんです。そしてバタバタと出してまた入れてを繰り返すんです。とても苦しそうに。

何をしているんだろうとじっと見ていたら、ぽろりと出てきたんです。ケロちゃんの口の中からてんとう虫が。

ケロちゃんのすぐ横の葉の上に落ちたてんとう虫は、何事もなかったように葉の上を歩き始めました。そしてそのまま葉の上で寛いでいるんです。ケロちゃんはすぐ横にいると言うのに。当のケロちゃんもあんなに苦しそうな顔をしていたのが嘘のように、いつものようにゴロゴロと喉を動かして気持ちよさそうにしているではないですか。

命にもかかわるような危険や苦痛を一瞬で忘れてしまえるてんとう虫とケロちゃん。すごくないですか?感心しました。人間ならぎゃーぎゃー5年でも10年でも大騒ぎするじゃないですか。幸か不幸か大きな頭の人類は苦痛や恐怖を忘れない。しかし蛙やてんとう虫は一瞬で忘れて日常へ戻るんです。

驚いたことはこれだけではありません。

ケロちゃんが苦しそうに手を振っていた時、開いたその手の大きいこと。しかも大きいだけで物を掴むことはできないんです。口の中のてんとう虫を取ろうとして口の中に手を入れても、指に関節がないみたいで団扇のように大きく広げたままてんとう虫を掻き出そうとしていました。

そしてもう一つ気づいたことがあります。それは口の中から出てきたてんとう虫についていた黄色いゼリー。テントウムシの後ろ半分くらいに透明で黄色いゼリー状のものがついていたんです。これを見た時、「あ!」と思いました。だって見覚えがあるんです。

あれは二週間ほど前のことでした。芽キャベツの葉にレモンゼリーのようなものが乗ってたことがあったんです。

冬の間にすくすく伸びた芽キャベツ。
葉の下の茎の部分にたくさんの芽キャベツがなり、収穫して食べました。

レモンピールの散りばめられた透明なゼリーがこの葉の上に乗ってたんです。

よく見ると、レモンゼリーの近くに茶色い糞ぽいものも乗っていました。鳥の糞にしてはきれいで消化前に思えました。

(お腹をくだした鳥の糞?)

何かわからず不可解なゼリーを取り去り掃除しました。そうしたところ二三日後にまた同じ場所にレモンゼリーが乗っていたんです。

鳥の糞が同じ場所に落ちるなんてありえません。芽キャベツの上は青い空ですから。飛ぶ鳥が同じ場所で糞をするなんて考えられません。

(一体これは何なんだろう?)

不可解極まりない家庭菜園の謎でした。

しかし、やっとその謎が解けたんです。なんとあのレモンゼリーはケロちゃんの嘔吐物。

ネットで調べたところ、蛙は食べすぎると吐くそうです。芽キャベツをお腹いっぱい食べすぎて吐いたのだと思われます。馬鹿よね~

と思ったのですが、蛙は野菜を食べないそうです。と言うことは、芽キャベツのナメクジを食べすぎた?と言うのは時期的に考えられません。コノハナが必死にナメクジの除去を始めたあとですから。と言うことは、ナメクジがいなくなったから、消化できない芽キャベツを食べて吐いた?

馬鹿よね~

と可愛がっていたケロちゃんでしたが、先日、初めて泣いたんです。

庭で鳥がバタバタ騒いでいるなと思ったら「げろげろ」とケロちゃんの声が聞こえたんです。そしてまた鳥がばたばた騒いでケロちゃんが「げろげろ」と鳴いて。そこではっと気づいたんです。

(ケロちゃんが危ない!)

鳥に食べられそうで威嚇をして鳴いていると思ったんです。
ケロちゃんが「助けて!」とSOSを出している。

咄嗟に庭へ飛び出してケロちゃんを捜しましたが姿が見当たらない。
(ケロちゃん!)
と捜す木花の頭上をばさっと鳥が飛び立ったんです。その飛び去る後ろ姿に、
(食べたの?あんたケロちゃんを食べたの?!)
と声に出ない思いをぶつけたコノハナでございます。庭に呆然と立ち尽くしても、もうケロちゃんはいない。

気落ちしたコノハナは家の中へ戻りケロちゃんを失った傷心でゴロゴロしていました。すると小一時間経った時「げろげろ」と声が聞こえたんです。

(ケロちゃん無事だったのね)

ほっと安心したコノハナでございます。

しかしそれ以来ケロちゃんの姿を見ることはありません。あれは「バイバイ」だったのかもしれません。カナシ

さて、ケロちゃんは去りまして残ったのはダンゴ虫です。
ナメクジ対策に切ったセロリの茎にこんなにわいたんです。

どうにかしなければと思い、まずはセロリを引っこ抜きました。それでもわいただんご虫は減りません。それであるものを撒きました。それがこちらです。

珈琲のかす

だんご虫は嗅覚が優れていて香りのきついものが苦手だそうなんです。かわいらしい見た目に似合わず繊細ですよね。

珈琲の匂いも嫌いだと言うので、珈琲のかすを乾かして撒きました。

そうしたところ減ったんです。でもまた姿を現すようになって。珈琲のかすの匂いが消えてしまうとまた出て来るのだと思いました。それで毎日撒くようにしていたんです。そうしたところこんなことになりました。

「風の谷のナウシカ」のオウムの襲撃みたいになっちゃって。

実はこれ半分以上除去した後です。
これも半分以上取ったあとですが、まだこんなにいます。

なんとだんご虫は珈琲のかすを食べるそうです。つまりは毎日餌を撒いていたということになります。結果大繁殖しました。

えらいことになりましたが仕方ありません。自業自得です。
自分で蒔いた種、もとい自分で増やしただんご虫は自分で取るしかありません。
そこでアイスクリームを食べる平べったいスプーンでだんご虫を捕獲することを始めたんです。毎日朝夕二回。時間と体力が許せば昼間も。

捕獲しただんご虫は花壇の外へ移しています。地道な努力が功を奏しまして、一日に捕獲するだんご虫の数は10匹ほどになってきました。

努力は裏切らない。よかったと思っていたのですが、だんご虫をなめてはいけなかった。すくすく育っていた枝豆がこんなことになってしまいました。

枯れた。
地中の根をだんご虫に食い切られたんです。

土の上にいるだんご虫は除去できますが、土の中のだんご虫には手が出ません。知らない間に根っこを食べられていました。

植え直すしかありません。でもまた食べられてしまうかも。今はただ目に入るだんご虫を捕獲するしかありません。

日に日に減っては来ています。続ければいなくなる日が来るでしょう。

グッバイ、だんご虫。


 



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