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この恋に名前なんていらない

人はすぐに、名前を付けたがる。気持ちにも、事象にも、関係にも。

例えば、恋。

例えば、愛。

例えば、不倫。

例えば、カップル。

例えば、夫婦。

例えば、家族。

そうした名前は常に、「常識」や「理想」、「偏見」を携えてやってくる。

「恋とは、こういうもの」

「不倫とは、こういうもの」

「夫婦とは、こういうもの」

「家族とは、こういうもの」

こうした名前が私たちに降りかかってくると、私たちは時に苦しくなってしまう。

なんで苦しくなってしまうのだろう?

今この瞬間の自由な感覚が名前に押し込められてしまうから。そうして自由は窒息する。

この恋に、名前なんていらない。

「恋」という名前すらいらない。

私はただ今、この暖かくて、切なくて、まろやかで、甘くて、酸っぱくて、突き刺すような、でも包まれる感覚に、浸っている。

それでいい。

それだけで十分。

それ以外に何が必要なの?

この恋に、名前なんていらない。

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