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IT活用の羅針盤

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「もっと効果的にIT活用をしたい」「このようなリスクに対応したいが、何をすれば良いの?」などIT活用に関する情報が満載です。
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ITを活用した事業継承の新たな形

「事業承継。」 企業支援をしている立場からすると、 経営者の間でも日常の話題になったと実感している。 特に、中小企業の世界では、ある程度社歴がある経営者にとって最重要な経営課題の一つと言っても過言ではない。 現に、事業承継を支援する、いわゆるM&A業界は、有望産業として活況を呈している。背景には、戦後の高度経済成長を根底から支えてきた、数多の中小企業が、時代の経過とともに、経営者交代の時期に差し掛かっているという実情がある。特に、創業者からどう次の経営者にバトンをつなぐか

中小企業こそ、情報活用のスパイラルアップを実現する仕組みを

企業経営には情報が不可欠である。  経営資源として、ひと、もの、かね、情報と言われて久しいが、情報の重要性は高まるばかりである。言うまでもなく、経営環境の変化として世の中を見渡してみると、情報が溢れている。情報の洪水という表現も、特に目新しくはないが、世間ではDXが声高に叫ばれ、デジタル社会まっしぐらである。デジタル社会とは何かを簡単に説明するのは骨が折れるが、今回のテーマに沿って書くならば、デジタル化された情報を、今まで以上に容易に入手することができ、活用することができる社

これからの経営者に求められるIT活用スキルとは?

                             流石に今の時代、規模の大中小問わず経営者でITを無視できる人はいないだろう。 20年前の経営ならいざ知らず、IT=経営環境といっても過言ではない時代、しかも、これは急速に進展する一方である。私は以前から、“IT活用を考える前に、IT社会に適応することが、これからの経営者に不可欠である”と経営者の皆さんにお伝えしてきた。 今、巷は、生成AIで盛り上がっている。私のAIに関する具体的な考えは別の機会にするとして、経営者

とても大事だけどついつい疎かになるもの

私たちの日常生活や仕事において、とっても重要なんだけど、ついつい、疎かになったり後回しになったりする事は、結構多い。 結局、人間は、目の前の事、今の事、極端に言えば、切羽詰まったことには意識は高いし、それに関する行動はできやすいが、大事な事でも先の事になると、なかなか、実行できない。万人共通の悩みではないかと思っている。 まあ、人間皆一緒と思えば、あきらめと言うか納得もできるが、そうは言っても仕事ではとても大きな課題である。 有名な7つの習慣に時間管理のマトリックスがある

ベトナムと日本の情報セュリティレベルの違いと課題

ベトナムと日本を行き来してきた約20数年。 両方の国ともIT社会の進展は目を見張るものがある。こういう中で、お互いのギャップに目を向けると、様々な事が見えてくる。 その一つに、IT活用の中の情報セキュリティがある。 今、日本では、急速にリスク認識と言う視点でのITセキュリテイリスクへの認知が高まっている。中でも一番強烈なのはサイバーテロだろう。これは、一般市民には遠い話としても、実は、軍事レベルではすでに当たり前の領域である。 このあたりは、専門家にお任せするとしても、私

顔を識別する人間の能力とAIを考える

今、世間ではChatGPT(チャットジーピーティー)騒がしい。私の周りでもとても盛り上がっている。とは言え、まだ、知らない人も多いと思うが、Microsoftの最新AIチャットサービスだ。 そんなことで今回はAIの話しにしようと思う。 仕事柄もあるが、もともと私は、変わったことを調べたり考えたりするのが好きだ。 最近、少々ハマっていることがある。 それは、人間がなぜ、人の顔を判別できるのだろうか?を考えることだ。 よくある話だが、世界には自分に似た人が必ず何人か存在するら

BCPをどうやって対処すればよいか・・

BCPという聞きなれない言葉がある。 企業経営におけるリスクマネジメントの一環で登場する。 英語でフルで書くと、business continuity planningとなる。日本語では、事業継続計画といったところだろうか。 会社経営において、最大のリスクは事業継続ができなくなることだ。倒産は言うまでもないが、その前の段階として、事業の存続が危ぶまれるほどの、重大に悪い出来事が発生した時に、どういう対策をしておくかである。 まだ、記憶に新しいが、東北大震災の時のことは、経営

新興国にとってのIT産業が有望な理由

新興国と日本のつながりが、日々、多方面で増大している。 背景には、ITが地球全体に浸透し始めていることがある。世界が急速につながっていくのを実感する日々である。 こんな時代に、新興国目線で視たIT産業の行く末は、とても興味深い。 当社は、1996年にアフリカのルワンダに現地拠点としてブレインワークスアフリカを設立した。現在、ITエンジニアを中心にIT関連業務に携わるスタッフが10名強活躍している。 もともと、ベトナムで20年以上に渡りIT関連のビジネスを行ってきた経験があり

“つなぐ”か”つながない“かで大違い

今、“つなぐ”、“つながる”がブームだと思う。 最近の典型で言えば、コロナ禍で拍車がかかった、オンラインで人とつながるが一番顕著だ。 直接会えない中での、やむを得ず多くの人がつながってみた。 デメリットやストレスも沢山ある中でも、新たな発見として、誰とでもどこにいても、つながれる可能性に多くの人が気づいた。 これは、ビジネスの世界は言うまでもなく、一般の生活者でもメリットは大きい。コロナ禍が落ち着いてきたとしても、この体験による私たちの営みへの影響は、多大なるものだ。 そして

本格的な、EUCの時代が来るのかも・・・

EUCを知っている人はどれだけいるだろうか? 今どきは、ネット検索でたいてい調べることはできる。20年ほど前には、IT業界では流行言葉だった。 EUCは、EndUserComputingの略である。一般的に、ITの世界でソフトウェアを作る仕事は、専門家の仕事である。それを、専門家でなくても簡易的なソフトウェアを作って仕事をしましょう。という考えである。 代表的なものに表計算ソフトや簡易型データーベースがある。それより以前は、このような専門家ではなくても使いこなせるツールがな

DX時代の購買履歴を活用する商売ってどう?

まあ、マーケティングの仕事をしたことがあるとか、CRMに詳しいとか、営業で突出した実績を残しているとか、こういう人には釈迦に説法だとは思うが・・・。 RMFというマーケティング、顧客分析の手法がある。 少しだけ解説すると、 RはRecency、MはMonetary、FはFrequencyであり、日本語では、Rは最終購買日、Mは購買累計額、Fは頻度となる。 このRMFという指標を用いて、優良顧客(あるいはロイヤルカスタマーという言い方もある)を発掘し、手厚くフォローやサービス

リスクマネジメントは大事だけど、やり過ぎると・・・

リスクが、かつてないほど、増大している社会である? これは真実だろうか?そもそも、どの時期と比較してということもある。 仮に日本の戦争時代と比べるなら、全く比較にならないぐらい、現代のリスクは少ない。 私達のように、戦争の実体験がないものでも、世界での今の戦争のニュースを聞いていたら、実感できる。 もちろん、実体験とは格段にギャップがあるのは間違いない。 企業活動の観点で言っても戦後の復興期の状況は想像を絶する経営環境であると言える。何もない所から、企業が沢山生まれてくる。

SNS疲れって結局どういうこと?

寝ても覚めてもSNS。 日本でも世界でも、こういうハマっている人はとても多い。 当然、最近、SNS初心者としてデビューした人もいるし、まだ、使ってない人もいる。さらに言えば、スマホもパソコンもネットもしない人もいる。 日本の統計データを見ると、SNSの利用率はとても高い。SNSが一般的になって、すでに10年は過ぎた。私は、ITの仕事は40年近くしているが、SNSデビューは、それほど早くはない。10年以上前に、Twitterから始めた。 2、3年ほどは、文字制限の中の投稿がそれ

ペーパレス化の進展によるチェック力の低下

今、仕事の現場のあちらこちらで、ペーパレス化が進んでいる。 ITが世の中に浸透しだした20年以上前から、ペーパレス化は仕事の現場の常なる課題だ。 今は過渡期だから余計に不便を感じることは多い。簡単に言えば、完全にペーパレスにしないと、紙からデジタルデータへの入力作業が発生する。 今、民間でも行政でも、紙とデジタルの混在した状態が沢山ある。最近は、今年10月から国内で導入されるインボイスが話題だが、請求書関係がデジタルデータ化すると、様々なことが、効率化されるし、会社の経理な