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ままならぬ、まと

人生でイケメンと出会う遭遇率をちーさんは知っている。

それが一体、何の話かもワケワカメなので
呆けたいところでしたが
私は『聞き方の上手い下手』というビジネス本で掴んだ小手先聞き上手を一旦演じることにしました。

彼女いわく、すれ違うときにはもう、判定し終えており、視界に入る否や高速で美度が
測定されているという。

ツワモノのイケメンが現れるたび、美度は最高記録を出し続ける。

彼女は言う。
「イケメンをね理解するっていうのはね、私から見たらね、質の高い趣味なのね。」

はぁ、または、へぇ。
ここの返事はどちらが適当か。
偏差値がいくつあれば、上手くちーさんへ
お返しできるだろうか?

ここであれこれ深く考えても無意味だろうと
思い始めたころ、私しか見えない方角から
歩いてくる者の存在に気が付きました。

「あの方はどうなんでしょうか?」

大変、ごまかしの聞くお返しにしました。  

彼女が振り返り、あの方を見ました。
「はぁぁっはっ!」

私は恐れました。適当ではなく、雑。
小手先どころか、思考皆無が最悪の結果を招いたと思いました。

ちーさんは動揺のご様子で声を発しました。
「ままならぬ、イケメンよ、流石ね」

そう言って、彼女は的を射止められたと
言わんばかりの一目惚れ顔で、あの方に
ちょこちょこを歩み寄っていかれましたとさ。

おわり。



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