「世界のヘンな研究 世界のトンデモ学問19選」を読みました。

「世界のヘンな研究 世界のトンデモ学問19選」を読みました。

ツイッターのTLに流れてきた↓のツイート経由で知りました。

文学や映画の研究が成立するのだから、漫画やアニメについても同様の批評や研究が成立するはずだよねー、と常に思っているので、この記事は楽しく読めました。

無料で読めたアニメ研究以外に,どんな分野が紹介されているのかも知りたかったので購入しました。「海洋考古学」「カジノ」「忍者」など,様々な分野の研究の目的や、地元の問題解決・地場産業への人材供給とつながっている様子が簡潔だけどもよい密度でまとめられており、興味深かったです。確かに分野としては聞きなじみがなく、狭くてニッチですが、どれもまっとうな研究としての方法論を備えたものでした。これだけ調査された著者は素晴らしいですね。どうやってこれだけマイナーな専攻を見つけたのでしょうか。

研究を立ち上げる時の意識の持ち方のケーススタディーを大量に摂取できてよい読書だったと思います。

ただ…

ちょっと印象がよろしくなかった題名

「トンデモ」という単語にどういうイメージを持つのか・持たせるのかで印象が変わると思うのですが、正直言うとこの本の内容でこの題名はよろしくなかったと思います。
「トンデモ(学問)」という単語は疑似科学とか荒唐無稽な主張まで含むように使われてきたはずです。「トンデモ(本)」というカタカナ表記自体がそういった「とんでもない」主張や書籍を冷笑的に楽しむ目的で発明されたと個人的には理解しています(「と学会」とその周辺の活動)。この題名だと、そういった「客観的には研究とは呼べないけれども当事者は研究と主張している」事例を集めた本として理解されそうなのですが、著者編集者はじめ関係のみなさま(紹介されている大学関係者も含む)は納得されているのでしょうか?マイナーでニッチで珍しい研究分野ではありますが、ヘンでもなくましてやまったくトンデモでは無いのにこの単語かぁ…。

私自身は上述の通り抜粋記事を読んで内容の質を確認してから購入したので全文読むことができましたが、この題名のみを見かけたら買ってたかな…と,する必要のない心配をしてしまいます。

(執筆:2023年2月)

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