私にヨガの先生はできません!【第十九話】ルイボスティーは売れない?
「はじめまして! 片井虎太郎と申します」
スーツを着た長身の男性はハキハキとした口調で名乗った。高身長。艶のある黒髪、そしてなにより良く通る声と名前が数ヶ月前に会った彼だと証明していた。
二十人近くがいる中ですみっこにいるからか、はたまたスーツによって雰囲気が変わっているからか、片井さんはこちらには気づいていないようだった。
もはや、私のことを忘れてしまっているのかもしれない。それならそれで、べつに気にすることじゃない。
私たちはあのとき、お互い課題があって、たまたま