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自動車メーカーのCS活用とは?

CSマッチング第3弾のテーマは...

「自動車メーカーにおけるCS活用について」

CSといえば、SaaSを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

ただ、SaaS業界に限らず、他業界でもCSのメソッドを活用して、プロダクト・サービス開発を行う事例もたくさん出てきているんです。

そういった取り組みを皆さんに知っていただきたい!ということで、
日産自動車にて日産コネクトのプロダクトオーナーを担当されている高垣陽子さんをお呼びし、CSの知見を活かしたコミュニティ作り等、現在の活動についてカジュアルにお話頂きました‼️

🗣 メインスピーカー:
日産自動車株式会社コネクテッドカー&サービス技術開発本部、ソフトウェア&UX開発部 アプリケーション&サービス開発グループ プロダクトオーナー 高垣陽子さん(特記無しの場合は高垣さんコメント)

ゲスト:
株式会社POL/カスタマーサクセス 大野 雅志さん(大)

司会:
株式会社KOMMONS/白塚 湧士(白)


白:本日はCSマッチング第3弾と言うことで、”自動車メーカーのCS活用”というテーマで1時間お話しさせていただきたいと思います。

白:今回は、日産自動車コネクテッドカー&サービス技術開発本部、ソフトウェア&UX開発部 アプリケーション&サービス開発グループ プロダクトオーナーの高垣 陽子さんをお呼びしております!

長いですね。私も覚えてないです(笑)

白:そうですよね。これを噛まずに言うのが本日の最難関だと思ってました(笑)

白:早速なのですが、高垣さんのこれまでのご経歴を教えていただけますか?

はい、最初はカメラマンになりたくて渡米し、フォトスタジオに入社しました。そこで、カメラは趣味で良いかな、と感じる出来事を経験しまして。その後、クリエイターを支援するサービスに関わりたいと考え、動画クラウドソーシング・ウェブ動画制作を行うViibarに入社。そこで、クリエイティブ管理ツール「Viibar」のカスタマーサクセス(以下CS)を担当しました。

その後、面白法人カヤックに転職し、移住マッチングサービス「SMOUT」のCS立上げを担当。そこで、コミュニティ運営にも携わりました。

自治体との仕事で地方に行くことが多かったんですが、その中で地方のモビリティに関する課題を痛感したんですよね。

白:具体的にはどの様なところでその様な課題を感じられたのですか?

分かりやすいのでは、数時間に1本しか電車やバスが来ない地域では、高齢者の方々が道路脇を歩いていらっしゃったりすることがよくあって。これはかなり大きなペインだなと感じていました。

白:なるほど。そういった原体験から自動車業界へのキャリアチェンジを決められたんですね。

そうなんです。リアルとオンラインが結合した”優しい”モビリティサービスを創りたいという想いがあった中で、自然にも”優しい”EVカーに一番注力していた日産自動車を選びました。

現在担当しているのは、日産コネクト。同じ車体でもより楽しく”カーライフをアップデート”するというのがコンセプトで、スマホアプリで社外からエアコンを操作したり、家から目的地までの道のりをカーナビ&スマホで確認したり、ソフトウェアで自動車をアップデートできるサービスです。

現在は日産コネクトの事業で、コミュニティ作りをはじめとした顧客とのタッチポイント作り全般とお客様の声をプロダクトに反映させる橋渡し役を担当しています。

白:これまでSaaSのCSを長くご経験されてきた中で、現在のCSの異なる点・難しさはどのようなところですか?

店員さんやディーラーさんとお客様の接点はオフラインならではの強み。一方、お客様にどの様にオンライン上で物事を理解してもらうかという導線設計は足りていないと感じます。その部分は自分がIT業界で学んできたことを活かせる部分かなと。

それから、ハードウェアは開発期間が長く、特に自動車は命を預かるプロダクトでもあるので、安全性を考えてもウォーターフォール型の開発にならざるを得ないのが一番違うポイントだと思います。

その為、ソフトウェア以上にユーザーボイスの中から”ユーザーが本当に求めているものは何か”を見極めることが非常に大事。

更に開発期間が長い分、販売する頃に時代遅れにならない様に未来を先回りして作らないといけないんです。

そういった中でどの様にソフトウェアのアジャイル的な考え方を取り入れていくかが難しいなと感じています。

大:日本が誇る製造業である自動車業界でソフトウェアサービスを作る中で、文化の衝突がありそうだが、どの様に対応されているのでしょうか?

(日産コネクトを主導する)中目黒の拠点では、日々ハードウェア側とソフトウェア側でむちゃくちゃ戦っています(笑)

やっと、”これがあると本当にユーザー喜びますかね?”と言う話がよく出てくる様になり、非常に良い環境ができてきていると思っています。私は今年の3月から参画しましたが、こういった環境を作るまでに5年程かかったと。

日本の一時代を築いた自動車業界の人達と近年、時代の中心になっているIT業界の人達、共に自分の仕事を誇りに思っているがゆえのことなので、活発な議論があるのはいいことだと思います。

次の時代を作る為に、お互い協力しないといけないのはわかっていますしね。

そんな中で鍵になるのはコミュニティだと個人的には思っていて。
ユーザーコミュニティを通じて、社内コミュニティを作る。
ユーザーとの接点を増やすことで、ユーザーと一緒にプロダクトを作る文化を醸成していきたいと考えてます。

そもそも自動車メーカーも昔はそういう開発の仕方をしていたはずですが、規模が大きくなるにつれ、組織が縦型になってユーザーから離れてしまっている部分もあると思います。

ユーザーの声が遠くなると、顧客の声を反映するというよりも安全性・リスク回避が重視されるのも致し方ないよなぁと。

ただコミュニティを通じて、一度でもユーザーと一緒に作る体験をして貰えれば、皆さんその大事さを改めて解って貰えるのではと思っています。

参加者様:ユーザーの年齢層は高めのイメージで、ソフトウェアに対する感度も低そうな印象を受けますが、どの様な層をターゲットにしているのでしょうか?

個人的には、ITに余り強くない層にも使って貰える”優しいWebサービス”を作りたいという想いもあるのですが、現時点では、まずはアーリーアダプターに訴求していくのが大事だと考えています。そこで満足して貰えれば、それ以降の層にも拡がっていくはずです。

参加者様:コミュニティ以外で、プロダクトチームのメンバーがユーザーやディーラーの解像度を上げるために実行されていることはありますか?

要望箱を設置して、そこでお客様の声を集めています。日産は非常に長い歴史のある企業なので、熱狂的なファンも多く、そういった方々からのお声が多いです。

それから、お客様としてディーラーにいって実際に接客を受けてみることもあります。実際の顧客対応を見ながら、「これだけ忙しい中でこの説明をしてもらうのはかなり負担になりそう」とかを考えてみたり。そういった実体験をカスタマージャーニーに落とし、改善案を企画としてあげる様にしています。

白:高垣さん、本日は大変興味深いお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。最後に一言お願いできますか?

プロダクトオーナーとして、お客様の声を分かりやすい言語で翻訳して、各部署に伝えていくことが求められている気がしています。

CSビレッジ内で他社の皆さんとCSの取組みについて情報交換させていただきながら、自社の取組にも活用していければと思いますので、引き続き宜しくお願いします!

白:現職でのチャレンジを応援させていただくと共に是非また進捗をお聞かせいただければと思います。本日はお忙しい中お時間いただき、有難うございました👏!

終わり

カスタマーサクセスのメンバー教育に課題をお持ちならKOMMONS

株式会社KOMMONSでは「働くを、傍楽に」というVisionの元、事業を進めている会社です。国内最大級のカスタマーサクセスコミュニティを基盤に、カスタマーサクセス特化型のキャリア支援事業、カスタマーサクセス設計支援事業の2つを提供しています。

急速に拡大しつつあるカスタマーサクセス市場において、即戦力の人材を採用するのは非常に困難です。弊社では、オンラインコミュニティに登録する約600名のカスタマーサクセス人材の中で、経験者や潜在能力のある未経験者を紹介できます。

また、メンバーの教育・スキルアップ(≒イネーブルメント)に課題がある企業様に向けて、経験豊富なプロフェッショナル人材による設計支援から提案可能です。人材を採用する前のプロセスから寄り添うことで、カスタマーサクセス組織の成長に伴走し、必要に応じて適切なスキルセットの人材を副業・業務委託・転職といったさまざまな形で紹介することができます。

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