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「親不孝介護」著・山中浩之 川内潤 読書感想文

編集者である山中氏の遠距離介護経験談とNPO法人となりのかいご代表である川内氏の解説によって作られた一冊。

実は、この山中氏の文章のリズムが私にしっくりこなかったのと、母と息子という対娘とのそれとは全く違う関係性への違和感が何とも心地があまり良くなくて、途中で読むのを放棄していました。

先月くらいにラジオをつけたら、山中氏か川内氏のどちらかが出演しており、親と同居している子供が介護が辛くて家を出てホテル暮らしをしている例があるというのを話していて、その深刻さに心が動き、再度この本を読むに至ったわけであります。
とりあえず、老親に不安を感じたら、わかりやすい症状が出る前でもいいので地域包括支援センターへ相談することが大事なようです。
また、この山中氏の場合、遠距離、別居、一人っ子という一見デメリットに思える条件が、実はメリットになるとのこと。
親とは距離を置くことで、いい関係が結べるようです。
しかしまあ、先にも書きましたが息子という存在にとって母親というのは聖女なんですねえ。
高齢になった母親が悪口や愚痴をいうことにショックを受けている下りにはビックリ。この方のお母様は息子の前では女優だったんだと思います。悪口言わない女なんて女じゃないのに。
また、お母様がブランド化粧品を使っていることに目くじらを立てるんですよ。母親はあくまで母親であって、一人の大人の女ではないと思っていたんでしょうね。
介護の本なのに、そこの部分が一番印象的でした。

おなじテーマで女性が書いたものが読んでみたいなと思いました。また、対象が母親ではなく父親なら違うでしょうね。父と息子、母と娘、など、色んなパターンを垣間見てみたいです。

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