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妄想日記㉒もしも私がおじさまだったら。

「もしかして殺されるのではないか」
瑞々しく張りのある肌を丁寧に撫でまわしている最中にふとそんなことが過った。
こんなことを口にしたら、また小夜になじられる。
だから、何も言わずただひたすらに手と口と舌で小夜を解きほぐしていく。
ゆっくりと力が抜けていくのがわかる。
徐々に足が開かれていくと二人の皮膚の重なる面積が広がる。
娘より若い子と何をやってるんだって?
この通りだよ。
だから何だよ。
俺は自分に正直なばっかりに今にも殺されそうなんだ。
死と引き換えにしてもいいくらいのものかって?
それは教えるわけにはいかないよ。
気になるなら君もやってみれば。
相手と機会があればだけど。

小夜の体に侵入した瞬間にこの上もない優越感に浸れた。
酒以外の何かに浸れたのは久しぶりだ。
薄暗い部屋に月明かりが差している。
声をあげながら小夜が抱きついてきた。
唇を重ね合わせると互いに愉悦の笑みがこぼれた。
ふと、部屋にある姿見が目に入った。
気のせいだろうか。
俺にしがみついている女が老婆に見えたのだ。

その先のことは覚えていない。
朝起きると、ベッドに一人であったことだけが事実。


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