大人になってからNANAを読み返したら、
高校生の頃にはまったくカッコいいと思わなかったというか、むしろこいつさえいなければすべて丸く納まったんじゃねぇのォ〜〜〜？！って勝手に思って勝手に嫌ってたタクミのカッコ良さに気づいた。
自己中で冷酷な印象しかなかったけど、改めて読むと意外とハチのことちゃんと好きでタクミなりに大事にしてたんだなと思ったし、現実を見て迅速に問題を解決しようとする行動力と決断力は普通に見習いたいレベル。
ノブとハチはお似合いのカップルだし、先の展開を知っているからこそふたりがくっついていればみんなが幸せになれたんじゃないかなっていうのは昔も今も思っちゃうけど。でもハチが段々としっかり者になっていけたのもタクミと一緒にいたからこそなのかなとも思う。
ていうかハチとタクミとノブの問題に関しては、すべてにおいてそもそもハチがもっとちゃんとしていればよかった話じゃね！？
『あたしはブラストの世界一のファンだよ』的なこと言ったその夜、デビューへ向けて着々と進んでいってるブラストと自分自身を比べて急に落ち込んで男の元に逃げ込むハチの恋愛脳、わたしには一生理解できんのよな😂
ネタバレ配慮しないで書き進めますが、
レンを失ってみんなが悲しんでいるときに泣いてるシンちゃんにハチが『こんなんじゃママ失格だよ』って駆け寄ったシーンもまじで理解不能だった。この状況でもそのおままごと設定続けんの？！ってなったんだよね。
それまでは共感はできないけどなんだかんだハチのことは好きだったけど、それ以来ハチのことがあまり好きじゃなくなった気がするし、微笑ましいなと思ってた『ハチはシンのママ』という設定がでてくるたび、なんとも言えない気持ち悪さを感じちゃってる自分がいたりする（あくまでも個人的感想）
それで言うと同じくレンを失ったとき、レイラがナナにレンの事故の経緯を説明して謝ろうとしたシーンも昔と今ではだいぶ印象が変わったかな。
高校の頃に読んだときは、シンちゃんに「人の気持ち考えなよ！」ってレイラが責められているのを見て、なんでそこまで言われなきゃいけないんだろうって思ってたけど、世の中にはわざわざ言わなくていいこともあるんだと知った大人になってから読んだら、そりゃ責められても仕方ないわって思うようになった。
ていうか子どもの頃はシンとレイラの関係性も含めてふたりのこと大好きだったんだけど、大人になってから読むとレイラの無神経なところというか、悪意なく人を傷つけているところがやけに目に入ったな。
みんなにあれだけ愛されて大切にされているのに自覚がないのか知らないけど満たされていなくて、泣いたり逃げたり誰かを振り回したり、こんな人が身近にいたら絶対疲れるだろうなって思った笑 でも漫画のキャラとしてはレイラのことはやっぱり好き。
ナナとレンについては、昔読んだときはふたりの恋愛模様がすごく大人な恋に見えてドキドキしたけど、自分が大人になってから読むとむしろ誰よりも子どもっぽい恋愛をしているふたりだなと思うようになった。
共依存っていうのかな？恋愛の優先順位が常に下位の方にあるわたし的にはふたりの関係性は到底理解できないけど、フィクションの世界の話としてはやっぱりレンナナカップルのカリスマ性はかなり惹かれる。だからこそ最後はふたり一緒に幸せになって欲しかったよ…！！泣
そして昔も今も変わらないことは、ヤスがかっこ良すぎるということ。面倒見のいいキャラほんと大好きなんだよな〜。いつも冷静なのにナナのために記者を殴ったりするところとか、ヤッさあああああああああん！！！！って感じ。
しかもヤスは面倒見がいいことに加えて頭もよくて一般常識も弁えているじゃん。それでいて真面目な優等生ってわけじゃなくて、頭がいいからこその狡猾さ、世渡りのうまさみたいなのも持ち合わせてるからもう最高。
あと高校時代のレイラとの恋愛模様がめっちゃ良い。惚れ薬のシーンでレイラを見つめる瞳の優しさよ…！！最終的にミューさんと付き合ったのは意外だったけど、読み進めていくうちにお似合いだなと思った。博愛主義のヤスにときどきヤキモチ妬きながらも自分の立場をきちんと分かってるミューさん、推せる。
それと、これを言うと昔から友達とかにびっくりされてたんだけど、わたしそんなに幸子のこと嫌いじゃないんだよね（好きというわけでもないけど）
伝説の「わざとだよ？」から分かるようにあざとくて計算高い女の子ではあると思うけど、ハチと章司と幸子の三角関係については圧倒的に章司が悪いと思っちゃう派。自分勝手なハチに疲弊してたのは分かるけど、章司がフラフラしてたせいで結局みんなのこと傷つけてるわけだし。
最終的に章司はハチと別れて幸子と付き合ったからどうしても略奪女みたいな感じで言われてるけど、章司が自分の意思で幸子を選んだだけで別に幸子が無理やりハチと章司を引き離したわけでもないよなーって思う。まぁ、まだ別れてないのを知ってて章司の想いを受け入れたことについては責められても仕方なしだけど。
ここまでNANAの登場人物についていろいろ書いたけど、昔読んだときからずっと心に残っている台詞があって、その台詞を言ったのがメイン級のキャラじゃなくてブラストのマネージャーである銀ちゃんの台詞。
ナナが過呼吸になって病院の先生から心療内科を受診することを勧められたとき、冗談っぽく、でもたぶん本気で自分のことを「頭おかしいって♡」と表現したんだけど、その瞬間に銀ちゃんがナナの頭ぶっ叩いてから言ったのが、
「現代人なんてみんな多かれ少なかれストレス抱えてんのよ。息苦しい世の中だもん」
「あんたは人よりデリケートなだけよ。別におかしな事じゃないわ」
これ。すっごく心に残ってるんだよね。
当時高校生だったわたしは毎日がもうハッピー！！って感じで、友達にも恵まれて遊びに趣味にバイトにぴーひゃら生きていたので悩みなんてほとんどなかったけど、もし今後自分の大切な人が気持ちを病んだときにはこんな言葉を送れるような人になりたいなと思った記憶があるし、今でもそう思ってる。
そしてなにより、気持ちが病んだり心が疲れてしまった人のことを『人より少しデリケート』と捉えて、明確に言語化できる矢沢あい先生は本当に素敵な方だなと思う。
本編は先生が療養のため連載休止になり、まだ未完結。近年では矢沢あい展が開催されたり、ちょっと前にはコラボドレスが展開されたりしてたから連載再開はもうすぐかな？と期待しつつ先生の健康が第一なのでね。引き続きゆっくり待ちたいと思う。
モデルさんたちイメージぴったりすぎる！！
NANAの話題から少し離れちゃうけど、ギンガムチェック好きなのでコラボドレスについては個人的にはご近所物語のデザインがどタイプ。
なんか後半はコラボドレスの可愛さを語るだけになっちゃったけど笑、NANAは好きなキャラもそんなに好きじゃないなと思うキャラもみんな幸せになって欲しいと願っちゃう。
いつかナナとハチが再会して、707号室でまたみんなで花火を見るシーンが見られたらいいな。
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