#21 ケンカ別れした親友を、想う夜。

みなさんには、思い出すと心がざわつく人はいますか？

私は今日もお風呂に入りながら、連絡を取らなくなってしまった親友のゆきちゃんのことを考えて、しょぼんとした気持ちになっています。

ケンカの原因は、ゆきちゃんの彼のこと。当時、話を聞けば聞くほど、私には彼が、ゆきちゃんを大切にしているとは思えませんでした。親友として、応援できる恋ではなかった。でもゆきちゃんは彼のことが好きだから、私には味方になって欲しかった。そういうケンカでした。

私はあの時、あの恋を応援するべきだったのだろうかと、いまでも考えます。

もちろん当時は、大切なゆきちゃんのことを想って応援しなかったのだけれど。それが「ゆきちゃんの気持ちを無視している」と言われたら、そうなんだと思います。

そして私は、私の大切なゆきちゃんを悩ませ、将来も約束しないその彼を、むしろ嫌な人だなと思いました。そういう自分の気持ちを優先したのだと言われれば、それもそうなんだと思います。

でも、いままた同じような状況になっても、私はやっぱりあの恋を、応援しないと思うんです。

だって、大切な人には、幸せになってほしいと思いませんか。つらい思いや悲しい思いは、しないでほしいと思いませんか。正論を振りかざしたら、だめですか？

こうして今日も、クヨクヨとあの日に言い訳をしては、「ゆきちゃん、元気で幸せに暮らしているかなぁ」と、胸がギュッと締めつけられるのを感じて、布団に入るのです。

こまつまい