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アジア紀行~インドネシア・バリ島男3人漫遊編②~

バリ島に朝がやってきた

ベッドで目が覚める。天井の模様が違う。ここはもうセラムでもアンボンでもない、紛れもなくバリ島だ! 気持ちのいい朝に、深呼吸したくなる。
3人でホテルのレストランに行く。アメリカンスタイルの朝食で、パン・ベーコンエッグにコーヒーとジュース。どれも美味しい。
Y(息子)とM君(義弟)は、プールで泳ぐと言って先に部屋に戻る。
庭を眺めながら2杯目のコーヒーを飲む。近くの席で日本人の若い男女が食事をしている。セラムやアンボンでは、一人の日本人にも出会わなかったが、バリ島では別に不思議なことではない。男性の横顔が知っている人に似ているので、気になってずっと考え続ける。もちろん他人のそら似でしかないこともわかっている。

フロントでチェックアウト時間を確認し、1週間後のシンガポール航空(SQ)のリコンファームについて尋ねる。SQのオフィスは Bali Beach Hotel にあるらしい。電話で確認すると、すでにOKが出ていた。インドネシアに到着したときに、ジャカルタでリコンファームしたのが有効だったらしい。

プールに行くと、2人はいかにも気持ちよさそうに泳いでいる。見るだけのつもりだったが、自分も泳ぎたくなったので、すぐに着替える。朝の水は冷たくも温かくもなく、ちょうどよい。


クタ・ビーチ

11時すぎ、3人でクタ・ビーチに行く。バリ島南部は、西岸のクタと東岸のサヌールが最初に観光地として開発され、さらに海岸沿いに南北に広がっていった。
西側のクタは特に大きな波が打ち寄せるサーフポイントで、夕方には大洋に沈む夕陽を楽しむ人も多い。
真昼の太陽がギラギラする海に、日本からやって来た男3人が入っていく。しかしこの海は泳ぐ海ではない。海に入るということは、波と格闘することと同義だ。背丈を遥かに超える波が襲ってくると、からだは文字どおり翻弄され、上下の感覚もなくなってしまう。ひとしきり我々のからだを弄んだ波が去って行くと、水泳パンツの中には巻き上げられた砂がいっぱい入っている。下手をすると、もみくちゃにした挙げ句、力強く引いていく波は、水泳パンツまでいっしょに持って行ってしまう。M君がそうだったように・・・。

フラフラになりながら砂浜に戻ってくる。南国の太陽で、濡れたからだはすぐに乾いて、ジリジリと皮膚を焼き始める。セラム島で我々の肌はすでに焼けて皮がめくれ、腕や首筋には水泡のようになっているところもある。赤く痛々しいジャパニーズの皮膚がさらに焦げていく。

ビーチに座っていると、バリの太ったおばちゃんが必ずやって来る。
肩の辺りをつまんで、「マッサージ」と言ったり、髪をさわって「ミチュアミ」と誘う。マッサージはともかく、こんな短い髪の毛のどこを「ミチュアミ」するんですか!
お断りすると、別に強引に押し売りするわけでもなく、彼女たちは去って行った。
海で遊ぶということで、貴重品やカメラはホテルに置いてきたが、こうして書いていると、写真のないのが残念だ。


クタの町

2時間ほどビーチで遊んだあと、ホテルに戻る。まずはシャワーで汗と塩を流す。荷物の整理をしていると、ホテルのボーイが荷物を運びに部屋にやって来た。もうチェックアウトの時間だ。
3時頃まで預かってくれるようお願いして、少し町を歩くことにした。ポピーズレーンを通ってレギャン通りに出る。この辺りは賑やかだ。町といっても、レストランと土産物屋が並び、ちょっと中に入るとロスメンと呼ばれる小さな宿がたくさんある。

郵便局があったので、出していなかったハガキを投函するが、日本に届くには10日間ぐらいかかるそうだ。その時はもう帰国している!
郵便局を出たところで、何やら案内の紙片を渡された。見ると「TOKYO RAMEN」「東京ラーメン」と書かれている。日本で「東京ラーメン」と聞いたとしても気持ちは動かないだろうが、異国にいると「ラーメン」という音が魅力的に耳に響く。

とりあえずポケットに入れておく。
レギャン通りをブラブラして、布と木彫りの店に入る。特に何かを買おうと思っていたわけではないが、バロンのお面に気持ちが動いた。

ペンケースのような木彫りの箱もいっしょに購入する。

通りを歩いていると「Money Changer」と書かれた店をときどき見かける。看板にその日のレートが書いてある。
YEN→Rp 19.77
1万円は197,700Rpになる。空港やアンボンのレートより、かなりいい。ちょうどインドネシア・ルピアがなくなってきたところなので、5万円を両替する。
ほとんど100万Rp。すごい札束になった。

そのあと向かったのは、あの「東京ラーメン」。目の前で麺を打って作っている。出汁は醤油味。久しぶりに日本の味だ。

店を出て時計を見ると午後3時前。急いでホテルに戻る。今夜はウブド(Ubud)に泊まる予定なので、タクシーを頼んで値段交渉する。Rp.30,000で成立。

車の中で、M君が買ったカセットの音楽を聴きながらウブドに向かう。1時間ほどで、見覚えのある懐かしい村に到着する。

さて、今夜の宿をさがさなくっちゃ・・・。





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