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私たちが、市職員の"副業"を応援する理由。

こんにちは😊 こまえのデザイン. (狛江市未来戦略室)の銀林です。

昨年10月、狛江市と狛江市商工会の共同で、狛江のまちを盛り上げていくためのまちづくり会社『一般社団法人 狛江まちみらいラボ (#まちラボ)』を設立しました。

狛江市では、この #まちラボの設立にあわせて、市独自のユニークな副業制度を新たに立ち上げましたので、その概要と、この副業制度に込めた私たちの思いをご紹介します!


そもそも、公務員の「副業」ってありなの!?

地方公務員は、法律で「職務に専念する義務」が課せられており、同時に、職務における公正性の確保や品位保持の観点から、一部の例外を除き、営利企業に従事することは認められていません。

…とはいえ、社会がどんどんアップデートされ、“働くこと” に対する人の意識や周りの環境も、刻一刻と変わっていくこの時代。
1つの会社で働きながら、「副業」という形で他の分野で活動することが、その人にとってのより良い人生・ウェルビーイングに繋がり、社会的に有益であることも、割と一般的な認識になりつつあると思っています。

そこで、狛江市でも昨年10月の #まちラボの設立のタイミングで、

#まちラボの業務を、市の職員が「副業」としてできるようにしました!


今回、狛江市が #まちラボでの職員の副業を認める目的は2つ。

  1. 市職員の属人的スキルのまちづくりへの還元

  2. 職員個人のキャリア形成とスキルアップ支援

他の役所と同じく、狛江市役所にも、色々なスキルを持つ職員はたくさんいます。
ただ、市役所の縦割り組織の中では、普段の業務でそのスキルを生かせている人はごく僅かで、地方公務員の制度上、地域にそのスキルを還元するのもなかなか難しい。

それなら!ということで、今回、この #まちラボの業務を通じて、職員の属人的なスキルを狛江のまちのために使うことができて、なおかつ、その職員にとってのスキルアップやキャリア形成にも繋げていってもらいたいという思いから、この副業制度を企画しました。

副業として市職員が業務を受けるスキーム

まずはじめに、(副業を希望する)市職員が持つ資格や特技を #まちラボで把握し、依頼者からのオーダーに応じて、案件に活かせる資格や特技を持つ市職員に打診し、条件を詰めていきます。

その後、依頼者と職員双方の合意が取れた段階で、依頼者と #まちラボが契約を結び、職員が副業として業務に取り掛かります。
そして、業務の完了後、依頼者からの支払いを受けて、副業した職員に謝礼(委託料)が支払われます。

★そして、ここでポイントになるのが、 #まちラボが間に入ること。

このスキームのメリットは、副業をする市職員にとって、依頼者との間の金銭のやり取りや事務的な負担が減ること。

ただ、私たちがそれ以上に大きなメリットと思っているのが、民間事業者から依頼される業務を、「事業で生じた収益を地域に再投資すること」をミッションとする #まちラボが受けることで、その業務が市のガイドラインに該当する=副業可能な業務であることが明確になること、にあると思っています。

■副業の対象となる活動 (要約)
・公益性が高く、継続的に行う必要がある地域貢献活動
・市内外の発展・活性化に寄与する活動 👈#まちラボ事業
・市の職務免除の規定に該当する活動及び市政又は学術に関する執筆活動
・その他市長が認めたもの

(狛江市職員副業ガイドライン/2023.11)

はじめにも書いたとおり、そもそも公務員は法律で「職務に専念する義務」が課せられているうえに、職務における公正性の確保や品位保持の観点から、ごく一部の営利活動のみが許可されているという現状です。

このような"縛られた"状況のなかで、職員に副業の機会が巡ってきたときに、(市が100%を出資する) #まちラボが、副業としての業務の適格性を判断できることは、特に副業の最初の1歩を踏み出そうとしている職員にとって、かなり大きいのではないかと思っています。

#まちラボでの副業を通じて、私たちが実現したいこと。

私たち未来戦略室は、狛江市役所で働く職員ひとりひとりが、自らの人生をより良いものにするための可能性を広げられるような場は、どんどん提供していきたいと思っています。

今の時代、市役所であっても色々な人材のグラディエーションのなかで、ひとりひとりが持つ能力が発揮され、地域や社会にその成果が還元されていくような組織にしていきたいし、そんな組織に変わっていくべき。

特に公務員は、(少なくとも民間企業よりは)雇用と給料が守られていて、普段の市役所の業務だけでは、その枠をはみ出てチャレンジするようなマインドが育ちにくい環境にあるのは確か。
その意味では、むしろ公務員がチャレンジできる環境を用意することが、実は日本の社会にも必要なことだったりするのでは? と思いながら、そこに向けた1つのトライとして、今回の#まちラボの設立を契機に、市職員の副業制度を企画立案し、認めてもらうことができました。

おわりに。

今回の#まちラボでの市職員の副業の導入にあたり、「兼業ガイドライン」として、対象となる業務の詳細要件や、対象職員の要件(=入社1年以上、直近の人事評価が「標準」以上、とか。)、必要な手続きを職員課に整理してもらいました。
ご協力いたたいた職員課の皆さん、ありがとうございました🙇


そして、#まちラボの"運営サイド"ではありますが、前職で経理業務の経験があった市の職員が、今回のスキームに基づく"副業第1号" として、#まちラボの経理を既に手伝ってくれています。
今後、#まちラボが展開する事業の方でも、市職員の属人的スキルを活かした活躍を積み重ねていけるように、私たちの方からも職員には積極的に働きかけていきたいと思っています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。よろしければ、「スキ」やコメントをいただけると嬉しいです!※このnoteは、狛江市未来戦略室のスタッフ4人が交代で執筆しています。それぞれの文章のスタイルもあわせてお楽しみください。

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