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フランス語完全初心者がフルタイムで働きながら11ヶ月でB2試験に合格した勉強法

アルファベットのABC以降は言えなかったフランス語を全くの0から勉強し始めて11ヶ月。DELF B2試験に無事合格できました

合格基準点の50点に対し、私が取れた点数が67点。

胸を張れる点数ではないですが、たまたま合格できた点数でもなく、一応B2程度のフランス語力があることを客観的に証明できたかなと思います。

B2レベルは、仏検公式ホームページによると仏検準1級レベル、文部科学省の各資格・検定試験とCEFRとの対照表によると、英検準1級〜1級レベルに相当します。

フルタイムで仕事をしながら、仕事以外の時間のほとんどをフランス語勉強に注ぎ込んだ11ヶ月でした。

このnoteでは、11ヶ月間の道のりと、同じくがんばりたいと思っている方におすすめの勉強法をお伝えできればと思います。


11ヶ月の道のりまとめ

まずはじめに、11ヶ月の推移をざっくり。

2022年12月に0から勉強を始め、2023年11月にB2試験を受けました(試験日が11月5日だったので、10月末までの記録をこのnoteでは公開します)。

後で詳しく書きますが、私はレッスンを主軸にして勉強していたので、受講していたレッスンのレベルを表にしたのがこちらです。

やっていておもしろいなと感じたのは、やはり基礎はめちゃくちゃ大事で、A1レベルの勉強を徹底的にすればA2にも匹敵し得るし、B1レベルを徹底的にすればB2試験にも受かり得るということです。


また、私ははじめからこのような計画スケジュールを立てていたわけではなく、先生とも相談しながら自分の習得スピードに合わせて進めていきました。

習得スピードには個人差があるので、今の自分の力=いわゆる実力をしっかり把握した上で(分からなければ先生に相談して)、今のレベルにあったことにコツコツ取り組んでいくのが一番の近道だと思います。

なので11ヶ月でB2に受かるぞ〜!と思って勉強していたわけでは一切なく、流れに身を任せて勉強したらこうなった、というような感じでした。

ちなみに今は、B2のレッスンを受けています。
B2に合格しているので理論上はC1に進めますが、試験結果的にも体感的にもまだまだB2が身についてないと思うからでです。まだまだがんばらないとな〜と感じる毎日です。


時間とお金の優先順位を高める

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、

  • 人生とは、時間とお金の使い方を考えること。

  • そしてその使い方は、どんな人生にしたいのか・どんな自分になりたいのかで決まる。

と私はフランス語漬け生活を経て感じました。

(もちろん自分の意思に関係なく「しなければならないこと」もたくさんありそのバランスに悩むのも人生ですが、今日はその点は割愛します。)


例えばピアノが弾けるようになりたい人がいれば、ピアノに捧げる時間・お金の優先順位は他よりも上がると思います。

私はフランス語ができる(ここでの「できる」は自身のドイツ語レベル程度を指しています)ようになりたかったので、時間とお金を費やすもの・ことに対する優先順位を引き上げました。

といっても、学習を始めた当初は「まずは1年かけてA1(入門レベル)を勉強できたらいいかな〜」くらいのゆるっとした計画だったので優先順位はすごく高いわけではなかったのですが、始めると火がついて「できる限り早くできるようになりたい」と目標が変わり、そこからは優先順位を仕事の次にまで引き上げました。


そんな感じで、最終的には11ヶ月間で約600時間と30万円をフランス語勉強に費やしました。

時間の内訳:
160時間 オンラインレッスン
440時間 自主学習(主にレッスンの予習と宿題)

お金の内訳:
25万 オンラインレッスン代
5万 教材費や試験受験料

この時間とお金の使い方からも分かる通り、正直私の学習過程はそんなにおもしろくありません。

レッスンを主軸に、その予習や宿題にしっかり取り組む、至ってシンプルな勉強法です。

ただ、語学習得に限らず何においても、初心者がある程度のレベルまで何かを成し遂げたい場合には、「先生」のような存在について教えてもらうのがやはり王道なんじゃないかなと個人的には思います。

ちなみに、自主学習を含めた600時間で0からB2合格までたどり着いたのは早い方で、実際はもっとかかる方が多いと思います。

私はドイツ語と英語が一応ある程度はできるので、その相乗効果が大きかったと感じています。


何を「しない」のか決める

働く社会人の一番の悩みが「時間がない」だと思います。

でも、時間をかけないと語学は上達しません。

なので、本気でがんばりたいなら時間を「作る」必要があります。

「時間を作る」とはつまり、何をしないのか決めることでもあります。


私の場合は、趣味の読書をやめました。

友だちと遊ぶ予定も入れませんでした(自分からは誘わず、誘ってくれた友だちとは会う)。ちなみにこれは、岡山に移住して友だち・知り合いがほぼ0になったのが大きかったです。

こうすることで、仕事以外のプライベートの時間が確実にフリーとなりました。

経営者という職業柄、仕事もやろうと思えばいくらでもできるのですが、意識してセーブするようにしていました。
事業も5年目となり、少しずつ色々なことが落ち着いてきたのも大きかったです。3年前とかだったら「仕事をセーブする」という選択肢がそもそもありませんでした😅


逆に諦めなかったのは、旅行です。

外出するのは特別好きではないけれど、旅行は好きです。

明日世界が終わっても後悔ないように、が私のモットーなので、好きなことを完全に封印する必要はないと思っています。


改めて優先順位をまとめるとこうなります。

  1. 仕事

  2. フランス語

  3. 旅行


毎日のルーティン

11ヶ月間の私の平均的なルーティンが以下です。

平日は仕事とフランス語をしていたら一日が終わっていましたが、土日は比較的余裕がありました。

我が家は夜ご飯作りは当番制なので、私が担当の日は夜ご飯後の時間は仕事、そうでない日は勉強していることが多かったです。
土日のどちらかは気分転換にカフェに行って勉強することが多かったです。


土日は何も予定を入れたくないタイプなので、レッスンは基本平日に入れるようにしていました。

あとは、平日はどうしても仕事優先になってしまうので、どれだけ忙しい日でもレッスンという形で確実に平日にも勉強時間を確保するという意味合いもあります。

なので実際は平日はレッスン以外何も勉強できなかった日も全然普通にありましたし、まして旅行中はこんなにできませんでした。

できなかった時は土日の勉強量を多くする、旅行前には旅行中の分もやっておくなど、トータルでは勉強量の差が大きくならないように意識しました。


お金で勉強時間を買う

自由時間がたくさんできても、そこで机に向かって勉強しなければ意味ありません。

私は語学が好きですが、机で本を開いて勉強するよりはSNSを見てダラダラする方が好きです。

なので、「勉強時間」をレッスンという形でお金で購入し、勉強せざるを得ない時間を確保するようにしました。


また職業柄、「学ぶ場」を設けることで得られる効果は大きいことを実感しているので、ここは自己投資(必要経費)だと思って惜しまなかったです。

ちなみに、得られる効果は例えば以下です。

  • 正しい知識

  • 添削を受け間違いに気付ける機会

  • 話す機会

  • 勉強習慣

  • モチベーション維持


具体的には、毎月4万円程度はフランス語勉強の予算としていました。

友だちと会うことがほぼなくなったため、外食、服や美容にかかるお金が減り、読書用の本を買うことも減ったので、そこで浮いたお金をフランス語勉強に回しました。


留学と同じ環境を作る

私自身のドイツ語学習を振り返ったとき、私がドイツ語を話せるようになったきっかけは紛れもなくドイツ留学でした。

なぜ留学中だったのかというと、生きている"だけ"で(嫌でも)毎日ドイツ語に触れる環境があったからという理由が大きいと分析しています。


スーパーに行けばドイツ語が目に入り、大学の授業はドイツ語で進み、友だちはドイツ人、誰かに何かを尋ねるときももちろんドイツ語を使わないといけない。

そうやって毎日大量にインプットとアウトプットを繰り返して、慣れて、できるようになっていきます。

⚠️海外に住む=語学が習得しやすい、ではありません。
「環境」が大事という意味です。


であれば、日本でフランス語を話せるようになりたい私がすべきことは一つ。

留学に近い環境を自分の日本の日常で作ること、だと思いました。


具体的には、フランス語レッスンを週4回(時間)受けて、2日に1回はフランス語に触れる時間を確保するようにしました。

(本当は毎日でも取れるといいのですが、時間的にも金銭的にもこれが精一杯と判断。)


学習者で、話せない💦と悩む方に日々たくさん出会いますが、大抵の場合、アウトプット不足です。

例えば週1時間程度のアウトプットでは、効果を感じるまでには時間がかります。

もちろん「今日の出来事を一人でフランス語で呟いてみる」など一人でできることもたくさんありますが、やってもせいぜい2, 3分です(やらないよりは全然いいですけどね!)。


私のように早く効果を感じたいせっかちな方は、オンラインレッスンなどを活用して週4時間以上、学習言語をインプット&アウトプットする時間を設けてみてください。

まずは3ヶ月くらい続けると、多少なりとも伸びを実感できると思います!

ドイツ語を勉強中の方もしくはこれから勉強したいと思っている方で勉強環境を探している方は、ぜひ私が代表を務めるVollmond(フォルモント)をご検討ください♩
完全初心者から上級者まで大歓迎です!


友だちは先生でも代替可

先ほどの留学に通じる話ですが、私はドイツ留学中に「この友だちともっと話せるようになりたいからドイツ語がんばる!」と気の合う友だちと出会え(たくさんの時間を彼女と過ごし)たことが私のスピーキング力にかなりいい影響を与えた経験があります。


話さないと、話せるようにならないです。

でも、気の合わない人や苦手な人に自分のことをたくさん話したいと思わないですよね^^;

だから、「誰と」話すかが大事だと思います。


また、勉強をがんばる理由が「人」だと何より楽しんですよね!(今日はこんなことを話せた!○○語で一緒に笑い合えた!、という経験は何物にも変えられないです。逆に悔しい思いもしますが、それはバネになります。)


でも、気の合う友だちを作るのって難しくないですか?

日本(語)でも難しい…

なので私は、(これはVollmondの生徒さんにもよくお伝えしますが)、話してて純粋に楽しいな、自分に合うなと思う先生のレッスンを受けるようにして、「この先生ともっとフランス語で会話をできるようになりたいからがんばろう!」という意識へ繋げました。


最終的に日本人の先生もネイティブの先生もとても個人的に相性の合う先生を見つけることができて、むしろレッスンでフランス語を話す時間が仕事の息抜き状態に。

これから(特に会話)レッスン受講を検討されている方も、ぜひ自分に合う先生探しから始めることをおすすめします。


また、特に知識も経験も足りない初級レベルでは、自分の言語力の足りなさゆえに起きたコミュニケーショントラブルもドイツ留学中に経験してすごくしんどかったので、そういう意味でも「先生と生徒」という関係は、もし何か言語的な誤解が起きても関係にヒビが入ることは基本ないので気が楽だなと新たな利点も発見しました。

とはいえもっとラフに話せる友だちもいるとそれはそれで楽しいだろうなと思うので、今年はフランス語を話す友だちができたらいいな〜と密かに思っています。


仕事と勉強漬け生活のデメリット

何事にもいい面・悪い面がありますが、この11ヶ月で感じた一番のデメリットは以下です。

  • 運動不足

  • 眼精疲労

ずっと机に座っているので、健康に良いとは言えない生活です。


まず、ただでさえ在宅ワークで家から出ない生活をしているのに、フランス語勉強が加わりさらに出なくなりました。

旅行に行くと大体筋肉痛になっていました^^;

スマホの歩数計。ひどい時は家を出るのが週2🙈しかもそれも5000歩にも満たない…


また、もともと仕事(パソコン)で眼精疲労に悩んでいるのですが、勉強がプラスされたことで疲労が加速。

眼科に行って目薬を処方してもらっていますが、私の場合は、単純に目の使い過ぎが一番の原因だと思うので、目を使う時間を減らさない限り根本的な解決にはならないというジレンマです。


体の健康ももっと大切にすべく、B2試験に受かってからは勉強ペースを落として運動の優先順位を上げています。

でも去年フランス語をとことんがんばったおかげで、目を使わなくてもできる勉強(ポッドキャストを聴くなど)が増えたので、去年の自分にとても感謝しているのも事実です。

なかなか極端なやり方なので他の人に気安くおすすめはできないですが…!


短期集中の語学力的デメリット

次は語学力的に、短期集中で習得することのデメリット(短期では補いきれないポイント?)を挙げます。

0→B2は早くても1年以上かかる学習者がほとんどなので、そういう意味で「短期集中」としています。


ドイツ語講師という職業柄、自分自身の語学力はかなり俯瞰的に判断できる方だと思うのですが、圧倒的に深みが足りないと思います。

同じB2レベルの学習者とレッスンで話す場面は多いですが、たくさんの年月をかけてじっくり今のレベルを勉強している学習者の使うフランス語は深みがあります。

知っている語彙の量も多いし、文化など背景知識も豊富、体調が悪い人がいたら「お大事に」と言うような状況に応じた咄嗟の切り返しも豊富だなあと思います。

語学学習をしっかりコツコツ年単位で継続した人だからこそですよね。


私も自身のドイツ語学習を振り返った時、年々この「深み」が増していることを実感しています。

語学をじっくり長く学び続ける醍醐味って、ここにあるとも思っています。


何をモチベーションにがんばるのか

モチベーションについてよく聞かれるので最後にその話をして終わろうと思います。

まず、この質問の意図は大きく二つあると思います。

  1. 自分はモチベーションを保てなくて勉強を継続できないので、どうやったらモチベーションが保てるのか知りたい

  2. 「ただの趣味」なのにどうしてそんなにがんばるのかが知りたい


モチベーションの保ち方

一つ目に関しては簡単で、モチベーションに頼らないでいい勉強をしているからです。

「モチベーションが保てないから毎回勉強を継続できないです」は仕事に例えると、「ミスするたびに"がんばります"とは言うものの、結局何度も同じミスを繰り返す状態」に近いと私は思っています。

「意識する」のはもちろん大事ですが、それで解決されないのであれば、なぜうまくいかないのか分析して、意識しなくてもうまくいくような仕組みを整えていくべきだと思います。


私の場合は、その仕組みがレッスンです。

レッスンを頻繁に入れて、モチベーションが高かろうが低かろうが、仕事に追われていようが余裕があろうが、勉強せざるを得ない時間を作るようにしています。


何を目指すのか

次に二つ目のどうしてそんなにがんばるのかについては、こちらも同じくシンプルで、フランス語ができるようになりたいからです。

だって、フランス語を使えるって、かっこよくないですか…?

翻訳機を使わなくていいって、すごくないですか…?


「勉強」ってなんだかすごいことに聞こえるので、どうしても「何に役立つのか」「何を成し遂げたいのか」みたいな話になりがちですが、やりたいからやる、できるようになりたいからやる、これくらいの動機付けで十分だと思います◎

具体的なやりたいことは、勉強を続ける中で見つかることが多いです。


私は自分がドイツ語を話しているとき、時々「今、私めっちゃかっこいいかも」と思う瞬間があります。

これから後どれくらいかかるかは分かりませんが、ドイツ語と同じくらいフランス語を自然に使いこなせるようになった将来の自分を目指して、これからも勉強を続けていきます!


ちなみに、こんな私を一番間近で見ている夫には、「あなたのそれはもはや執念だよね」とよく言われます(笑)



語学力は一生の財産です。

どれだけお金があっても、買うことができません。

でも別に、できなくても生きていけます。
(大抵の物事はそうだなとは思いますが….)


人生一度きり。

何を重視するかは自分次第。正解はないと思います。

そんな中で、私と同じように語学に魅力を感じている方、できるようになりたいと思っている方の何か参考にこのnoteがなっていれば嬉しいです。


今日紹介したもの以上にさらに具体的な勉強内容が気になる方は、Vollmondのブログ記事にかなり詳細に記録しているのでよければそちらを参考にしてください。

ドイツ語をがんばりたい方もVollmondでお待ちしています😊


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