落語(63)蛇の目
大家「(戸を叩く音)剣士郎さーん、いるかい?あたしだよ。いたら開けとくれ」
剣士郎「(戸を開けて)あ、これは大家どの。突然どうされましたか」
大家「おやおや、傘貼りの最中だったかい。浪人も大変だねぇ。こんな狭い裏長屋の四畳半でもって傘貼りとは…ああ、そうだ。せっかく今日は晴れなんだから、その傘ぁ表で乾かしたらどうだい?井戸端なら日当たりもいいし、少しばかり広げてもらったって構やしないよ」
剣士郎「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて」
大家「なんせこの時期は、傘貼りにと