見出し画像

放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件


 213国会に総務省所管で「放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件」が令和6年2月9日国会に提出されています。
 放送法第3章の15条~87条には日本放送協会(NHK)の規定があり、放送法第70条第2項には 事業計画資金計画を作成し、総務大臣の意見を添え、国会に提出し、国会で承認を得なければなりません。
 また2月7日の報道資料には、総務大臣の意見は電波監理審議会に諮問し、審議の結果諮問のとおり意見することが適当との答申を受け、その後国会に提出しています。

(収支予算、事業計画及び資金計画)
第七十条
 
協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え、総務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 総務大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を付すとともに同項の中期経営計画を添え、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。
 前項の収支予算、事業計画及び資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が付してあるときは、国会の委員会は、協会の意見を徴するものとする。
 第六十四条第一項の規定により受信契約を締結した者から徴収する受信料の額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによつて、定める。




1・NHK事業計画について

 
  一般的に事業計画は、予算を達成するために取り組む方法や手順の考えが書いてあります。その内容は、特定の製品・サービスやプロジェクトに焦点を当て、「市場分析」「販売戦略」「リソース配分」「収益予測」などを詳細に計画します。
 日本放送協会の「令和6年度事業計画」P15からの計画概説からは、情報棟の建築とコンテンツ収益化以外は特に目立ったものは無く、地方からの情報発信、機能の地方分散、見逃し番組配信サービスの提供、インターネット活用業務等がありますが、民間の放送局では既に行っているもので、特に目新しいものはありません。ただ、NHKには過去から積み上げてきた高度な内容のコンテンツが多く、民法では作れない素晴らしい作品が沢山あります。それらを世界に有料配信して収益化すれば、視聴料はもっと少なく出来るだろうと考えてしまいます。
 下の図は中期経営計画の2024年度の要約ですが、本文からもコスト削減やコンテンツ収益の根拠や方針が見えず、契約数が激減してる状況で果たして受信料の公平負担の徹底を図れるのか疑問です。

2024事業計画要約 表 
2024事業計画要約 裏


①視聴料の値下げについて


 日本放送協会令和6年度収支予算、事業計画及び資金計画に付する総務大臣の意見に、「協会の令和6年度収支予算、事業計画及び資金計画については、令和5年10月に値下げされた現行の受信料額を維持しつつ、事業収支差金570億円の赤字等に対して還元目的積立金も活用し、視聴者への還元を行う点は評価できる。」とありました。

受信料体系の変遷・過去の検討経緯

 NHKの過去の値下げの実績を見ますと、令和6年3月までに3回だけです。平成24年10月の受信料引き下げはクレジット・口座引き落とし導入により行われました。2018年平成30年11月27日(火)石原委員長、上田会長の記者会見から分かりますが、可能なところからただちに実施するため、消費税率引き上げが行われる2019年10月に地上契約と衛星契約を消費税2%を加えず据え置きにして、実質2%値下げすると発言しています。そして、2020年令和2年10月からは、地上契約と衛星契約を2.5%値下げしました。実質視聴料値下げと言えるのは、これが初めてと言ってよいと思います。
  そして過去最大の値下げ幅であるにもかかわらず怒りの声が上がったのですが、NHKが値下げと同時に、受信料を不正に払わない人には通常の2倍相当の割増金を請求するという強気の姿勢を見せたからだと言われています。
しかし、複数の衆議院議員が視聴料の値上げについて進言していますが、2024年1月9日の理事会で値下げした額を堅持する方針と表明した事は注目に値します。

NHK2023年10月からの受信料について


②命とくらしを守る放送・サービス

 「命とくらしを守る放送・サービスに全力と取り組む」とありますが、民放も含め元旦に起こった能登半島地震の情報が余りにも少なかったように思います。というのは、最も信頼できる現地の情報はSNSの馳知事からの投稿でした。そして、官邸の対応が遅いとか、自衛隊は救援に来ないのかとか、水が無いといった現地の声がSNSから聞こえ、結局岸田総理の1月4日以降のXの投稿で政府の対応について詳しく知る所となりました。その後、岸田総理は積極的に政府の決定事項などをXで投稿しています。
 衆議院総務委員会での議員からの質問で、道路が寸断され基地局のバックアップ電源が切れていて対応が遅くなったと言う発言がありました。現在はスマホ1つで動画配信が可能で、衛星回線がある電話は置いてなかったのでしょうか?
 各携帯会社は今後スマホで衛星回線が使えるように準備を進めているようで、災害時の現地報道についてNHKの重要度が下がっていくのかも知れません。

③公平負担


 4年前に成りますが2020年3月の事業計画の賛否について、NHKから国民を守る党の浜田聡議員は動画でNHKの契約者数・支払い率を正しく公表すべきと訴えていました。
 令和6年度事業計画では受信契約件数の表が出されていますが、何月何日の数字で「見込み件数」とはどのような数字なのでしょうか? 殆ど増減はマイナスで、事業収支金額が減っているのに高額な契約金で国際大会のスポーツや民放でも放送してるバラエティなどは電波を使ってNHKがテレビで放送する必要があるのでしょうか? 基本的には民法にお任せして良いのではないでしょうか? 
 日本政府主催のスポーツ大会などであればCMの無いNHKでの放送の意義も分かりますが、人気のあるマラソンや大リーグ、サッカー等のスポーツ番組ではあるが一部の人達だけが楽しんでいて何十億と言う放送契約金を支払うと言うのは果たして公平と言えるのか、しかもそれこそ民業圧迫だと思います。
 そして「受信料の公平負担の徹底」は、地域割・団体割・障碍者割・生活保護割、学割、滞納、不払いなどなどある中で、どのようにしたら「公平負担」するという考え方にになるのでしょうか?

令和6年度事業計画P19


令和6年度事業計画 


 NHK党党首で元参議院議員の立花孝志氏のXの投稿です。契約対象数のデーターは見つからなかったのですが、受信機の保有率が93%という根拠もNHKはデーターで示して頂かねば、収入にも関係してきますので、納得できない数字に成ります。


 令和6年度資金計画の40頁見込み額の交付金収入が36億2510万3千円となっています。NHKのサイトには、「なぜ、国際放送に国から交付金が出ているのか」の説明がありますが、交付金の使途の内訳の記載がありません。過去にJapanデビューや軍艦島の「緑なき島」の様に、映像が日本を貶める為の映像に使われた過去があります。国際放送が正しく放送されているのかチェック機能はあるのでしょうか?


2・衆議院での議論


2024年3月14日 (木)
放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(213国会承認1)会議名:総務委員会 (1時間45分)で議論がありました。視聴料の引き下げについての質問や意見が比較的多かったかと思います。質問内容は以下に成ります。
・基地局の共同利用の加速化
・インターネット配信での視聴料にスマホ通信料を考慮する
・収納業務の新たな委託制度 平林晃(公明党)議員
・誤・偽情報への法的処置について 道下大樹
・2027年度収入の約20%減額予想について
 政治的圧力があったのではないか?
・インターネット配信法律化により必須業務に格上げ
・大規模災害による電源のバックアップ対策
経営委員会の録音データー議事録判決について
 受信料の下げ幅が急激に変わった。議事録の整備を求める

(3/22追加)
平林議員の営業アプローチで地域スタッフ制について質問されています。新しい方法は、デジタル・書面・対面で納得して支払って貰う。未収の方には対面でアプローチする。
乱暴な集金方法を止めさせることが出来たのは、NHKから国民を守る党の方々のお働きによるものです。


3・情報漏えい等とガバナンスの件


  2023年12月1日のNHKWEB記事に「NHK インタビュー内容メモ ネットに流出 協力者におわび」が掲載されています。この事件はSNSの世界では有名な話です。
 東京都民の暇空茜氏(ハンドルネーム @himasoraakane)が、令和4年11月2日に、一般社団法人Colaboに事業を委託していた東京都へ住民監査請求を行い、東京都において異例の監査の再調査が行われ、結果の通知が年末に近い仕事納めの令和4年12月28日に出されました。その経緯についての詳しい記事はこちらにあります。

 この話の延長線上に、今回問題とする公共放送NHKの情報漏洩が発生しました。現役のNHK金魯煐記者が、避難所氏(Xハンドルネーム)へインタビューし、その原稿をNHK派遣社員が流出し、暇空茜氏によって拡散されました。

暇空茜氏のXの投稿

 


 その拡散力はすさまじく、SNS界隈では注目を浴びている人物たちであったことや、東京都への住民監査請求に再調査が認められた前代未聞の請求の当事者たちであり、都議会議員国会議員によって監査請求の内容を問題視した質問が議会で度々されていました。
 そして、NHKから国民を守る党浜田聡議員は、NHKは避難所氏(ハンドルネーム)に取材した件で暇空茜氏にも取材すべきでは?と質問されています。
 NHKの派遣社員がその内容を暇空氏に拡散した件で、NHKは本来取材した避難所氏にまず謝罪するべきだと思いますが、その事実はあったのでしょうか?
 仮に住民監査請求の当事者が取材の協力者で、NHKがその当事者でもあり協力者でもあるColaboの伊藤夢乃氏に謝罪したのであれば、情報の公平性・重要性から協力の経緯と内容の説明を、NHKの責任公共性の情報から公表すべきと思います。

浜田聡議員の質問



NHK記事
事実関係をさらに調査したうえで厳正に対処してまいります。また、管理体制を強化するなど再発防止策をとりまとめ、信頼の回復に努めます

事実関係の調査結果は出ましたか?
再発防止策のとりまとめは出来ましたか?
その他、組織が巨大とはいえ大手メディアが報じる程のNHKの社員による不祥事が連続しています。

・12月19日産経新聞「NHK記者の不正経費請求、410件約789万円と判明 調査報告書

・12月21日経新聞「NHK、職員3人を停職 内部監査資料持ち出す

・3月18日の産経新聞記事に「NHK記者の経費流用は計1000万円超に 新たにタクシー、ハイヤー代284万円を認定」の記事がありました。

 令和6年度事業計画のP17に「NHKグループ全体でガバナンスの強化を図り」とあって、巨大企業であるとはいえ、大手メディアの記事に短期間のうちに複数掲載されています。DXやAIを使って事務的な仕事の効率化が急務と思われます。さらに不正アクセスについては、民間の極秘的なものの映像や情報も所持している事から、NHKも局内のセキュリティ・クリアランス制度を設け、アクセス権限の徹底も必要ではないのかと思います。



さらに日本経済新聞の報道では、《NHKの小形修一リスクマネジメント室長は「流出先としてあってはならないところに流れてしまった」と述べた。》とありますが。他の流出先なら、問題なかったんですかね? んなわけないですよね。

 今回の令和6年度事業計画の新規事業として、インターネット放送に参入が義務付けられるそうです。テレビを持たずにスマホなどからNHK番組を視聴したい場合、受信料の支払いを求める。スマホを持っているだけでは支払い義務は発生しない。既に受信料を支払っていれば追加負担なく、ネットからも視聴できるとしています。もう、有料アプリで良いのではないですか?


 2024年1月26日 理事会議事録があり、変更点の記載があります。令和6年度事業計画について議論されてますが、資料は何を見て議論されているのでしょうか?
是非30歳代の統計やデジタルが専門の優秀な人材を経営委員に入れて頂きたいです。事業計画や議事録が昭和にしか見えません。

4・知りたい事 聞きたい事

①事業計画をみて毎年同じような内容がみられ、何が継続して何が新規の事業なのか判りませんでした。また、歳出削減として2024年3月14日衆議院総務委員会井原議員の質問に対し、基地局の設置を民放との共同で経費の削減が出来たとありました。しかし、今後はいくら削減予定か、共同基地局のリスクは何か、その対策はあるのかなど分かりません。
 組織が巨大ですから、NHKも行政の事務事業評価の形で各事業内容を記載し、事業の目的・目標・達成内容や予算の推移や経費の透明性と歳出削減目標を明確にすべきだと思います。また、働き方改革から残業状況や特定部署に負荷がかかって無いか残業時間を調査し、その部分で歳出削減を行うのも重要です。
 新規事業立ち上げや廃止事業の根拠は?
視聴者の為の公共放送であるには、お客さまの要望に対し、ニーズはどの様に図っているのですか?新規事業の根拠となる指標をお占めし下さい。

組織図


統計グラフで社内の労働時間や契約者の属性・件数(年・月)や見込み件数の推移等で根拠を示すグラフの作成をし、国民に示しつつ傾向のポイントを分析し改善・収益化の予測根拠とし、歳出削減の目標を定量的に示すべきと思いますが如何ですか?

③日本国民にとって知るべき情報を知るための国営放送は必要だと考えています。公共放送として必ず行うべき事について国民と政府に定量的に占めして頂きたいです。例えば国事行為・天気予報・国会中継・総理会見等。

④コンテンツ6つの戦略で「質と量を確保しコンテンツの価値を最大化を図る」とありますが、定義やその根拠となる6つのコンテンツ対象をジャンルごとに目録を作り定量化し、キーワードで抽出可能にすべきと思います。そのコンテンツを展開する場合の方向性を分析し戦略戦術をお示し願いたいです。

⑤フェイクニュースの蔓延化に対し、渋谷に情報棟を建築し首都直下等大災害等にも備える準備をしているとしています。台湾有事を想定し、核シェルターや避難所としての対応はどうですか?
「正確で信頼できる情報」を目指し偽・誤情報への対応について、高度な技術や能力を持った人材を登用する場合、局内にセキュリティクリアランスの対策はとるべきと思いますが如何ですか?その際、人材は日本国民とすべきと思いますが如何ですか?ドキュメント等の番組作成上企業の重要な部分に入りますので、撮影上知り得た情報も多々あると思われ、そう言った部部への局内のアクセスの規制は必要だと思います。


以上です。
こちらの調査は、NHKから国民を守る党参議員浜田聡議員からの依頼で法案の調査をいたしました。


****************************************************************

その他の参考記事:

NHK経営計画(2024―2026年度)(案)に対するご意見とNHKの考え方 https://www.nhk.or.jp/keiei-iinkai/iken/pdf/2023kangaek.pdf




〆切間近】NHK経営計画案に対して私が送った意見

NHK経営計画案にツッコミ入れてみた!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?