心乃泉

わたしは犯罪サバイバー。その事件が、良くも悪くもわたしの人生観を、まるっと変えてしまっ…

心乃泉

わたしは犯罪サバイバー。その事件が、良くも悪くもわたしの人生観を、まるっと変えてしまった。家族に期待せず生きてきたわたしに今、「家族の問題と向き合う」という試練が課せられている。 #サバイバー #家族 #機能不全家族 #家族会議 #心 #ヨガ #猫

マガジン

  • 家族会議【連載】まとめ

    70代の両親と未婚の40代娘ふたり。「親戚で一番幸せな家族になろうよ!」のひと言で始まった家族会議の連載記事をまとめました。 一族が守り抜く『偽善』から抜け出して、『仮面家族』から『本物の家族』になれるのか…?

最近の記事

【連載】家族会議『歪んだ愛情による負のスパイラル編』

「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議3日目#2|歪んだ愛情による負のスパイラル――母は自分に自信がないところがある。それは子供時代に母親から受けた教育(しつけ)によるものだ。親は良かれと思ってしつけする。一方の子供は、しつけによって本来の自分を否定された感覚になる。 わたし:なんかあれだね、お母さんはしつけに関することで嫌な思いをしたって感じだね。 母:あ

    • 【連載】家族会議『その場しのぎの約束編』

      「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議3日目#1|その場しのぎの約束――父も母も、それぞれがまだ甘えたい段階にいる。その原因は子供時代に甘えたい気持ちが満たされなかったことであり、それ故に大人になっても他人に求め続けてしまうのである。 その満たされなかった部分である『親にしてほしかったこと』をまずは吐き出していくことになった。 母:親にしてほしかったことね、

      • 【連載】家族会議『甘えたい親。甘えられない子供。編』

        「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議2日目#7|甘えたい親。甘えられない子供。――「甘えたい気持ち」は、大人になるにつれ自然と薄まるという単純なものではない。むしろ大人になればなるほど、甘えたい気持ちが強くなり心をしばりつけることもある。 わたし:「甘えたい」って、たぶんお父さんもお母さんもあると思うんだけど、これがひとつのポイント。お姉ちゃんも甘えたい人な

        • 【連載】家族会議『俺を褒め倒せ!父のトンデモ理論編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議2日目#6|俺を褒め倒せ!父のトンデモ理論気持ちが通じ合わないことでさみしさを抱えていたことを吐露した母。対する父は、母が悲壮感を漂わせてくるから苦手意識が出てしまうと主張する。さらにもうひとつ、母に改善してほしいことがあるという。 父:最近起きたやつでさ、「こうしてくれたらいいのにな」って思ったのがね、お風呂掃除の話あっ

        【連載】家族会議『歪んだ愛情による負のスパイラル編』

        マガジン

        • 家族会議【連載】まとめ
          13本

        記事

          【連載】家族会議『気持ちが通じ合わない。母が抱えてきたさみしさ編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議2日目#5|気持ちが通じ合わない…。母が抱えてきたさみしさわが家にはわだかまりがある。その小さなわだかまりが積み重なって、修復できない溝ができている。そうなった今、母はなにを思うのか。 「幸せな家庭について、今思うイメージは?」というわたしの問いかけに、母はぽつりぽつり、思いを言葉にしていった。 母:そうだね、今思

          【連載】家族会議『気持ちが通じ合わない。母が抱えてきたさみしさ編』

          【連載】家族会議『実家のことと親のことは言われたくない編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議2日目#4|実家のことと親のことは言われたくない実家の習慣の違いについて、父から「バカにされたような感じがしていた」という母。それを聞いてみるみる不機嫌になった父だったけど、アイスブレイクを挟んで調子を取り戻していったのだった。 そのまま父は、自分の幼少期の話をはじめた。 母親がご近所さんの家に行くとき、父はよく一緒に連れ

          【連載】家族会議『実家のことと親のことは言われたくない編』

          【連載】家族会議『実家の習慣の違いでバトル編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議エッセイ!録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議2日目#3|実家の習慣の違いでバトル編結婚後、いいこともあったとは思うけど「今出てくるのは嫌だったこと。」という母。 母:結婚したばっかりの頃、お父さんが実家の習慣の違いを、なんだろうな・・・わたしにとってはちょっとバカにしてるって感じかな。比べて何か言うときの感じが、わたしはバカにされたような感じがしてたの。 わたし:うん

          【連載】家族会議『実家の習慣の違いでバトル編』

          【連載】家族会議『完璧な主婦になろうとした母編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議エッセイ!録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議2日目#2|”完璧な主婦”になろうとした母1日目の家族会議では、父が幸せのイメージや結婚生活での不満を語ってくれた。続く2日目は母の番。母は結婚する前から、結婚についてさまざまに考えを巡らせていたようだ。 母:(結婚する前)周りの人がみんな結婚する中で、自分もいつか結婚するんだなって。「結婚しなきゃいけないんだなー」みたいな感じ

          【連載】家族会議『完璧な主婦になろうとした母編』

          おばあちゃんとのおしゃべりは引き際がスマートだった。

          ウォーキングの途中で自転車を見つけて、思わず笑みがこぼれる。 これは近所のおばあちゃんの自転車。ここに置いて階段を登り、その先にある畑の世話をしている。 つい先日、わたしが階段を降りようとしていたところに、ぜーはー息を切らしながら小柄なおばあちゃんが階段を上ってきた。そして登り終えたところで倒れ込むように花壇に腰掛けた。 「大丈夫ですか?」と声をかけると、「いやぁ~きついねぇ」と言いながらもニコニコするおばあちゃん。わたしも顔がほころぶ。 そして息を整えながら話し始め

          おばあちゃんとのおしゃべりは引き際がスマートだった。

          【連載】家族会議『良かれと思ってやったのに編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議エッセイ!録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議2日目#1|良かれと思ってやったのに編わが家の家族会議では、過去のわだかまりを払拭することが目的のひとつとなっている。そのために過去の振り返りを進めていきたいところではあるが、その間時間を止めることはできない。 日々時間は過ぎるのであって、同時に過去の出来事も増えていく。当然ながら、夫婦間のトラブルも日々蓄積されていく…。 2

          【連載】家族会議『良かれと思ってやったのに編』

          【連載】家族会議『家事はやりたくない!父の本音と未来の介護編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議エッセイ!録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議1日目#5|家事をやりたくない!父の本音と未来の介護編父に根付く「家父長制」意識。当たり前に繰り出される上から目線に対抗しようとする母だが、一方の父は自分が上から目線でいることに気づいてはいない。 それどころか「家族に気をつかってストレスをためている」というのが父の主張だ。 母:お父さん最近は気をつかって過ごしてるって言ってた

          【連載】家族会議『家事はやりたくない!父の本音と未来の介護編』

          【連載】家族会議実録『誰のおかげで生活できていると思ってるんだ!父の上から目線編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議の全記録!録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議1日目#4|誰のおかげで生活できていると思ってるんだ!父の上から目線編「家族のためにがんばってきたのになぁ・・・」不満そうに父がつぶやく。父はなにかというとこれを言う。時には「誰のおかげで生活できてると思ってんだ!」と怒鳴りつけて家族を黙らせることもある。 この言葉は、どの家庭でも妻の不満の種となると思う。妻の反論は「仕事と家庭

          【連載】家族会議実録『誰のおかげで生活できていると思ってるんだ!父の上から目線編』

          【連載】家族会議『後悔との向き合い方編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議の全記録!録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議1日目#3|後悔との向き合い方父からでてきた『結婚してから今までの不満』と『ぜんぶチャラにしてやり直したい』という理想。それに対し、わたしは思いを語った。 わたし:お父さんは失敗を次につなげたいんだよね?できればね?今クヨクヨしてるから、いろんな失敗を思い返したらクヨクヨしちゃう状態だから、プラスに変えていきたいってことだよね?

          【連載】家族会議『後悔との向き合い方編』

          【連載】家族会議『父の不満と理想編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議の全記録!録音記録をもとに連載で書き記しています。 前回の記事はこちら。 家族会議 1日目#2|父の不満と理想わが家が抱えている問題点は大きくふたつ。 まず、父と母が姉の気持ちがわからず傷つける発言をしてしまうこと。それから、夫婦仲の問題だ。夫婦間でのコミュニケーションがとれないから、家族に問題が起きたとき協力して解決できない。 だから家族会議をやるにあたっては、夫婦間のわだかまりを解消することも目的のひ

          【連載】家族会議『父の不満と理想編』

          【連載】家族会議『父の幸せのイメージ編』

          「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議の全記録!本日より、録音記録をもとに書き記していきます。 まずはざっくり家族紹介70代の両親と、40代未婚の娘ふたり。娘であるわたしと姉は、本来なら自分の夫や子育てに悩む年齢である。そりゃあ、わたしも成人するころまでは漠然と「ふつうの家族」を持つ自分をイメージしていた。しかしわが家はそうはならなかった。そしていまだに高齢の両親と家族論争を続けている。 なぜそんなことになっているのかは、『わたしと家族のこと』をご

          【連載】家族会議『父の幸せのイメージ編』

          『当事者は嘘をつく』を読んで姉を想う

          想像を絶する。苦しみと葛藤がビシバシ伝わってくる。1日で一気に読破してしまったけど、何度も読み返して言葉のひとつひとつをかみしめたい。 この本に向き合うことは、ある意味では自分の傷をえぐることなのかもしれない。でもわたしはこの物語を、姉に重ねて読んでいた。 『当事者は嘘をつく』を手に取ったきっかけは、NHKの番組を見たことだった。被害の経験のあと、何を思い、どう生き延びてきたのか。本の内容をもとにインタビューに答えていく小松原織香さんを見て、実際に読んでみなければと思った

          『当事者は嘘をつく』を読んで姉を想う