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きるキル。ー私が私である為の服屋さんー


今回は、「主張する店」という商業系のコンペ作品について、
考えたことを共有させていただきたいと思います。

それではさっそく、、、。このコンペ概要は大きくいうと、
「次世代の商空間の可能性を模索する。」という内容になっています。

今までにない、そしてこれからの時代に必要となる商業の在り方の提案を求められています。

このコンペにおいて、売ってある洋服に対して、消費者自身が
自由に、切り刻み、縫い合わせ、貼り付ける、などのリメイクを行うことのできるお店を提案させていただきました。


以前、文章を書かせていただいたように、ファッションや洋服を着る、という行為そのものには、
ブランドや流行などの、外的な要因による操作が無意識の内にも施されているものだと考えます。


今回の提案では、洋服たちの価値をそれらの外的な要因から解放する事がひとつの目的です。

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このお店に並ぶ、既成の洋服たちを見て、消費者は何を思うのか。


消費者の内に宿る、「怒り」「悲しみ」などの心の叫び、
あるいは「愛おしさ」などの感情を、

切り刻む、縫い合わせる、貼り合わせるなどの行為によって
洋服そのものを通して、自身の思いを表現する事ができます。

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怒りを感じたときには洋服を切り刻み、誰かに切り刻まれた洋服を見て、「可哀想」と思えば縫い合わせる。

愛おしいと感じた思いをそのままに。

私が着たいと思う服は、どんなカタチなのか、どんな表情をしているのか。
その服を身に纏う、あるいは既成の服に対してワンアクション与えることで、
どのように私を表現し、どのように私を守ろうとするのか。


すでに意思を失われた、既成の服たちに対して、私、消費者の主的な主観を込めることのできる服屋さんです。

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そして、誰かの意思や感情の込められた洋服と向き合う事で、洋服を通して、誰かの思いを感じる。


誰かの意思や感情の切り刻まれたその一着の洋服は、
今の私にとって、かけがえのない一着となる。


そのような、何にも変え難い、洋服と消費者との間に
強い絆のようなものを生み出したかった。



私は、私がわからなくなったときに、そのお店へ足を運ぶ。


そこには、同じように私がわからなくなった人たちが集い、
思い思いに服たちと向き合う。


服を切り刻む人。

服を縫い合わせる人。

服を貼り合わせる人。


それらの行為には、それぞれの意思が宿り、
そして、そこには服に対する敬意がある。



私が着るべき服は、あなたであってほしい。
あなたでなければならない。

一着の服に宿る、誰かの叫びや愛を求めて、人々はそこへ足を運ぶ。



そのような、「誰かの心の拠り所」となり得る、商業のカタチを提案しました。


以上が今回のコンペで考えたことです。


商業行為そのものが、これからの時代、
社会にとって、人々にとって、
どのような価値を見いだせるのか。

どのような可能性を秘めているのか。


これからも考え続けたいと思います。


それでは本日も最後までお付き合い、
ありがとうございました。


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