アートボード_8-100

壁のある住宅。

今回は、前回に引き続き、
「主観を築かせること」をテーマにおいて、
住宅の設計課題を通して考えたことを
共有させていただきたいと思います。

それではさっそく、、、

まずは、課題について。

今回の課題では、各週ごとに、

「柱・壁」
「床・天井」
「住宅を構成する何か」

というテーマが与えられ、それらを軸に、
都市において、パートナーと生活をする為の住宅を設計する、
という課題が与えられます。

僕自身がパートナー、あるいは家族と生活する上で
大切にしたいと考えることは、
「主的な主観を保てる環境」を住宅に内包させることです。


というのも、前回の記事でも書かせていただいたように、
家族やパートナーという僕にとってもかけがえのない、
大切で、より近い存在だからこそ、

そこに生まれる「当たり前」に縛られないためにも、
自らの意思と向き合う為の場所や時間を
生活していく上で大切にしたいと考えているからです。


そこで今回の課題では、
自らの意思、主観と向き合う為の行為、

「黄昏る」「見つめる」「考え込む」「一息つく」「見上げる」

などの行為に着目し、
それらの行為を生活の中で自然と取り込むことを
目的とし、住宅の設計を行いました。

アートボード 8-100


はじめに、「主観と向き合う為の行為」を行う上で
より心地の良い状態を求め、人体スケールを基に
それらの行為を行う為の空間のボリュームを検討します。


そして、従来住宅に必要とされる、
寝室や玄関ホール、リビング、倉庫などの室に対して
主観と向き合う為の行為を付随させていきます。

ここで考えることは、住宅の考え方として、
リビングや寝室、倉庫などの生活していく上で欠かせない機能性を
いかに、主観と向き合う為の行為と結びつけられるか、
ということです。

従来、住宅の設計を行う際は、
室のボリュームなどは機能性を重視し、
決められることが一般であるかとは思いますが、

そうではなく、主観と向き合う為の行為
を基にボリュームを検討し、
そのボリュームに対して後から機能性が
付随してくる、という関係性を目指しました。

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アートボード 2-100

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プランを見ていただくとわかるように
各室のボリュームが通常の住宅ではない
構成になっているかと思います。


それは、機能性ではなく、
「主観と向き合う為の行為」を基にボリュームの検討を
行なっているためです。

名称未設定-19


社会と住宅との間にある「一息つく」為の玄関ホール。
本を読みながらひとりで「考え込む」為の書架スペース。
壁に寄り添うように上を「見上げる」為の吹き抜け。
何も考えたくない時に「黄昏る」ことのできる倉庫。

そして眠る時は、ふたりで同じ方向を「見つめる」ことのできる寝室。


このように「主観と向き合う為の行為」に対して、
リビングや寝室などの室としての機能を付随させることで、

室間にあったヒエラルキーをゼロベースとして考え、
そこで生まれる室間の新たな関係性や
生活があるように感じています。


リビングは偉いから広くて解放的。
倉庫は偉くないから狭くて居心地が悪い。



それは、住宅に対して「機能的に住む」ことを
求めているからこその関係性であり、
そこには室間に上下関係、ヒエラルキーが
生まれているように感じています。

そうではなく、室と室との上下関係をフラット
考え直すことで、そこに住む人々の暮らし方も変わり、
人と人との関わり方も変わってくる。


そのために必要な機能性ではない軸というものは、
僕にとっては「主観と向き合う為の行為」であった。


今回は「柱・壁」をテーマとした課題のプランを基に
空間を説明させていただきましたが、

「主観と向き合う為の行為」を住宅に内包させるために、
「柱・壁」「床・天井」「住宅を構成する何か」を考えました。


この課題を通して、「主観と向き合う為の行為」を
構成するために必要な縦軸、Y軸(壁や柱)のグリッドが見えてきました。

「床・天井」をテーマとした時には、
床のレベル差を「主観と向き合う為の行為」のために
操作をすることで横軸、X軸(床や天井)のグリッドが見えてきます。

この二つの課題を通して見えてきたグリッドを軸に
設計を行った課題が三つ目の課題、
「住宅を構成する何か」をテーマとした設計課題です。


次回は、「住宅を構成する何か」をテーマとした
住宅課題について文章を書かせていただきたいと思います。


それでは本日も最後までお付き合い、
ありがとうございました。



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