同じような服が街に並ぶ。

みなさん、こんにちは。

突然ですが、みなさんは街を歩きながら
ウィンドウショッピングなんかをしている中で
なにか違和感を感じることはありませんか?

アパレル、服が売れなくなっている原因のひとつとして、
街に並んである服が、同じような服しかない、
似たような服ばかりだ、という消費者の意見を
目にすることがよくあります。

同じような服ばかりが街に並ぶ。

なぜそのようなことになってしまったのか。

そのように消費者に感じさせてしまった要因ともいえる、
1980年代 高度経済成長期以降のアパレル産業の実態、
そして現状について考えていきたいと思います。

モノをつくるだけモノが売れていたと言われる1980年代。

当時の商業活動、特にアパレル産業の主軸となっていたのは、
大量のものをいかに安価に生産することができるのか、
ということだったと言われています。

多くのアパレル企業は、インフラや物流の面で充実しており、
繊維やボタン、洋服を作るために必要な生地などの生産地であり、
更には人件費も日本に比べて安い「中国」へと生産の拠点をシフトし始めました。

いわゆる、表面的な「ユニクロのようなビジネス」を目指したのです。

そういった、アパレル生産の中国への一極集中の結果、
中国の経済成長に伴う人件費上昇による生産コストの上昇は
日本のアパレル企業が直面している大きな問題の一つであると言えます。

そして、本題である「なぜ同じような服ばかりが街に並ぶのか?」
ということについて。

大量に商品を生産、供給し売り上げを伸ばすためには、
その分だけ新しい商品、トレンドを取り入れた商品を
生み出し続ける必要があります。

新しい商品の企画が追いつかなくなると各アパレル企業は、
商品の企画や生産をOEM、ODMメーカーなどに
一任せざるを得ない状況が続きました。

様々なアパレル企業から委託を受けるメーカーは、
新しい商品を企画し続ける訳ですが、
依頼するアパレル企業が違ったところで、
根本はOEM、ODMメーカーでしかないということです。

そういった状況が続き、ブランドとは名ばかりの、
「同じような服」が街に出回るようになりました。

そのような状況が出来上がってしまえば、
消費者の服離れは進んでいく一方です。

アパレル企業は、自ら商品の価値を安価である事に軸を置き、
同じような服を作らざるを得ない状況を自ら生み出し、
洋服そのものの価値を自ら下げているようにも感じます。

今回はアパレル産業の現状について書かせていただきましたが、
内容が少しネガティブな内容になってしまいました…。

次回はこのようなアパレル産業の中で生き残っていく
企業、ブランドはどういった企業なのかということに視点を当て、
前向きな内容を考え、共有させて頂ければと思います。

参考:誰がアパレルを殺すのか
著者:杉原淳一・染原睦美

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