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「正義の味方 カイバーマン」のカルテ(クソカード医学会用資料38)

まえがき

 「正義の味方 カイバーマン」はゲームボーイアドバンスソフト『遊戯王デュエルモンスターズインターナショナル2』付属の特典カードです。
 元はゲームDM8で登場したオリジナルキャラクターで、人気があったのか後続の遊戯王ゲーム作品にも何度か登場、そしてついにはアニメGXにも登場し、主人公である十代をブルーアイズデッキで打ち負かすなどかなりのインパクトを残しています。

 一方で、OCGでは最近はもうめっきりと見なくなりました。
 登場当初から弱いカードというわけではもちろんなく、当時はブルーアイズといえば、このカードや「白竜の聖騎士」を「増援」でサーチする戦士族混合ブルーアイズデッキが組まれていました。【カオス】全盛期だったけど。
 今ではブルーアイズサポートとしても優秀な後輩が増え、第一線からは退きました……が、それはリストラと言うより円満退職のような形なのでネタにするのは失礼というもの。
 最近の特撮作品のように初代ヒーローがカムバックし、まだまだやれるというのを見せつけてやろうと思います。シン・カイバーマンです。

正義の味方 カイバーマンについて

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

テキストからほとばしる昔のカードっぽさがすごい

 効果は実にシンプル。手札から「青眼の白龍」を特殊召喚します。
 ブルーアイズはサーチ手段が豊富なので、使って使えない効果ではないです。しかし、そのブルーアイズのサポートが豊富すぎるのが問題で、特殊召喚手段も今ではよりどりみどり。カイバーマンをわざわざ使うメリットはあまりないです。
 何より、強力な後輩が存在します。

最近までこいつも戦士族だと思ってたよ

 「青き眼の護人」は自分の効果モンスターを墓地に送り、手札から「青眼の白龍」を特殊召喚するという、カイバーマンによく似た効果を持ちます。
 しかもこの効果は自身以外のモンスターを対象とすることができるため取り回しはカイバーマンを上回り、他にも「レベル1なのでサポート豊富」「チューナー」「チューナーを展開するもう一つの効果」などでカイバーマンに対する優位は大きいです。
 優秀な後輩が現れてカイバーマン本人も喜んでそうな気すらしますが、このカードとの差別化を考えなくては、現代においてカイバーマンの使用は難しいでしょう。

 ついでに「正義の味方 カイバーマン」は『ブルーアイズ』や『青き眼』カテゴリに属していないため、ブルーアイズデッキにおいてサーチやリクルートに難があるのも懸念材料。
 頼みの「増援」は今では制限カードですし……。

 問題点をまとめると、
①ただ「青眼の白龍」を出すだけなら他に手段がたくさんある
②「青き眼の護人」の劣化気味
③サーチ・リクルート手段が必要
 となります。

 ①と②については実はシンプルな解決策が1つあります。
 「スキルドレイン」です。

メタカードの王

 「青き眼の護人」などはフィールドで発動する効果なので「スキルドレイン」の影響を受けてしまいますが、カイバーマンは自身をリリースするため効果無効をすり抜けられます。元々メタビ軸のブルーアイズデッキは存在しますし、食い合わせは悪くないです。
 ただ、その「スキルドレイン」も「増援」と同じく今では制限カード。選択肢にはなりこそすれ、これ1枚でデッキを組むのは現実的ではないでしょう。
 となると、カイバーマンの独自性である
・戦士族
・レベル3
・自身をリリースする
 この3点のどれかを活かすことになります。注目したいのはやはり、リリースでしょう。
 リリースといえば【六花】が選択肢に出てきます。リリースをトリガーに展開したり、ランク8「六花聖ティアドロップ」を有するため相性は悪くない……と見せかけて【六花】側から見ればデッキは植物族だけで組んだほうが強いので、ブルーアイズデッキと混ぜるのはいまいちでしょう。
 ならばドラゴン族主体の【聖刻】はどうか……とも考えましたが、【聖刻】は聖刻モンスターをリリースする必要があるので、ブルーアイズはともかくカイバーマンとの相性は微妙。
 となると、残る選択肢は……。

ヘルカイバー

 もはや何度目かも覚えてませんが、また【シャドウ・ディストピア】軸で組もうと思います。
 「青眼の白龍」のサーチに「ドラゴン・目覚めの旋律」を用いれば、ブルーアイズと同時に「闇黒の魔王ディアボロス」をサーチできます。
 「闇黒世界-シャドウ・ディストピア-」で闇属性になったカイバーマンの効果を発動すると、手札からブルーアイズ、そしてディアボロスが特殊召喚でき、そのままランク8展開に繋げられます。

地味にターン1がない

 また【シャドウ・ディストピア】デッキ必須級の「魔界発現世行きデスガイド」も「悪魔嬢リリス」を特殊召喚するだけでなく、
「クリッター」リクルート
⇒「コードブレイカー・ウイルスソードマン」をリンク召喚
⇒「クリッター」で「神樹のパラディオン」サーチ
⇒「神樹のパラディオン」特殊召喚
⇒「聖騎士の追想 イゾルデ」リンク召喚
⇒「正義の味方 カイバーマン」をサーチorリクルート
 と、カイバーマンの確保にも繋げられます。

 イゾルデで「剣の煌き」を落とせばディストピアと合わせて相手のモンスターをリリース出来ますし、デスガイド・リリス・カイバーマンは全員レベル3なのでランク3展開も可能。特に「No.26 次元孔路オクトバイパス」はブルーアイズやヌメロンドラゴン等の高打点を直接叩き込むことも出来ます。

 相手モンスターを奪ったりもできる

 【シャドウ・ディストピア】はコストによるリリースの押し付けで相手モンスターを除去するため、効果が無効にされていても除去が可能……つまり「スキルドレイン」ともある程度共存できるのも強いです。

 これぞ再起するために闇堕ちしたカイバーマンのデッキ……【ヘルカイバー】です。

相性のいいカード

 なるべく短期決戦狙い。

・深淵の獣
 「悪王アフリマ」で全員サーチ可能。サーチ効果のマグナムートや除去効果持ちのルイドブルムが強いのはもちろん、バルドレイクはディストピアの効果を使えば相手モンスターを2体も始末できる。

・「カオス・ソルジャー-開闢の使者-」
 イゾルデでサーチ可能。光闇属性中心のデッキなので出すのも簡単。除外効果を使用してランク8素材に。

・「聖刻神龍ーエネアード」
 ディストピアの生み出したトークンをまとめて処理して相手の盤面を破壊可能。

・「ブルーアイズ・ジェット・ドラゴン」
・「スターライト・ロード」
・「スターダスト・ドラゴン」
 ディストピアが破壊されたら機能停止するため。

・その他
 ランク3、ランク8の他にビーステッド同士でランク6、ディストピアのトークンでリンク展開などもできるので、EXは色々カスタマイズ可能。

デッキ構築

 先行でできることはディストピア+罠かリリス並べるくらい。
 後攻ならヌメロンワンキルや最上級モンスター連続展開が可能。どちらもビーステッドで上手く相手を牽制したいところ。

 使用感は、リリス用の罠やイゾルデ用の装備魔法がデッキスペースを圧迫してる上に、最上級モンスター主体なので事故がとにかく多い。
 一方で上手く回れば上級、最上級モンスターがガンガン出てきて相手に回避不能な除去を叩き込んだ上で殴れる独自の強みを発揮できました。
 ただビーステッド全盛期の環境なのでランクマは厳しい……重症度は3ですかね。

実績。

あとがき

 「氷岩魔獣」「灼岩魔獣」もそうでしたが、"そこまで酷い効果じゃないけれど現代環境では厳しいカード"を主軸にすると、一風変わった面白いデッキになりがちで個人的には好きですね。
 ただまあ、スキドレやディストピア入りのデッキは、医学会に持ち込むにはいささか場違いかもしれません。

 現在は「Re-BUSTER」や「轟雷機龍-サンダー・ドラゴン」を研究してます。どちらもクセが強いので構築難航していますが、その個性をどうにか活かしてやりたいところ。
 ちょうどシンクロフェスもありますし、次回は「Re-BUSTER」ですかね。

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