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他者と会わないと気持ちが落ち込む…とわかっちゃいるけど会いたくない、というジレンマ。

このところ気持ちがへたって、乾燥機のなかでよれよれになったシャツみたいになってる。

五月病、といってしまえばそれまでなのだけど、今回の「へたり」はたんに気候のせいじゃない気がしてる。コロナ禍で他人と会うことが減ったことが、大きい要因としてありそうなのだ。


精神科医の斎藤環さんが、以前「一人では自分の欲望を維持することができない」と書いていた。


“他者との出会いがないままで過ごしていると、しだいに欲望が希薄になり、その宛先が曖昧化してしまうという臨床的事実がある。たとえば多くのひきこもり当事者が、そうした経験を語ってくれる。何年もひきこもり続けていると、自分の欲望がわからなくなり、まったく消費活動をしなくなってしまう人が少なくない。”


まさに、他人と会う機会が減ることで、欲望が湧かなくなってる気がする。これ、僕だけじゃないかも?


一方で、斎藤環さんが「他人と会うことはいつでも圧力であり、侵入であり、つまりは暴力であるということ」といっているように、基本的には他人と会うことは避けたいことだったりする。だからややこしい。

ランチにしろお茶にしろ飲み会にしろ、行ってしまえば楽しめることが多いのだけど、自分から声をかけることをためらってしまうのは、「なるべく他人と会いたくない」っていう気持ちが根っこにあるのだ。


「大嫌い、大嫌い、大嫌い、大好き!」と歌ってたモー娘じゃないけど、「会いたくない、会いたくない、会いたくない、会いたい!」とでも歌いたくなるような、他者に対して一見矛盾した気持ちが僕の中でうずまいている。

「他人と会う」という暴力性をすべて排除するんじゃなく、他者とともに生きながら、それでも過剰にストレスをためこまない、ちょうどいい塩梅をさぐっていきたいなぁ、なんて。


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