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クラフト日本酒を楽しむ

お酒業界では「クラフト●●」が話題になっています。クラフト酒とは 「小規模生産で、つくり手のこだわりが詰まった」お酒 のこと。

例えば、クラフトビール、クラフト焼酎など。注目度が高いのがクラフトジンではないでしょうか。通常のジンでは使われない蒸留所特有のボタニカルが使われていたり、伝統的な製法が採用されていたりと、こだわりを持って造られて人気を博しています。自分は季の美 (きのび) 京都ドライジンが好きですね。スタンダードなロンドンドライスタイルと日本らしさがマッチしたクラフトジンです。お米で造られたライススピリッツと、ボタニカルには玉露や柚子など日本の食材を使用しているのが特徴。また、月の桂で知られる「増田徳兵衞商店」の柔らかな仕込み水が使われています。

日本酒に関連しても「クラフト」というキーワードが見られるようになりました。ちなみに法的に定められた定義などがあるわけではなく、同じ言葉でもさまざまな事象を指しているケースがあります。ただ、上記の定義と同様でクラフトには小さな規模で手作りかつ、職人技(クラフトマンシップ)を感じる日本酒のことを指すと考えればいいでしょう。

余談ですがシャンパンであればジャック・セロス、マキシム・ブランなど、
自社畑で収穫したブドウを使用し、醸造も手掛ける生産者のRM=レコルタン・マニュピランにあたるのかもしれません。

ちなみにクラフト日本酒とは2つの考え方があるようです。1つめは日本酒の製造技術をベースにしながら、従来の日本酒にはない味や香りが楽しめる醸造酒のこと。例えば、どぶろく等も含まれます。そのほか、フルーツやハーブなどの副原料を入れることで、新しい味わいを実現したお酒もたくさん誕生しています。例えば、福岡県の博多で開業したバーを併設したクラフト日本酒の醸造所のLIBROMの造る日本酒は並行複発酵という複雑な醸造過程を経て造られる伝統的な技術は守りつつ、副原料にした季節酒やフルーツのお酒、スパークリングなどの副原料を加えることで複雑かつ、これまでの日本酒とは違った味わいの驚きを提供してくれます。

そして2つめが中田英寿氏が経営するJAPAN CRAFT SAKE COMPANYのプロデュースが行ってきたイベント「CRAFT SAKE WEEK (クラフト サケ ウィーク) 」に登場した日本酒全般。職人魂が込められていればクラフト日本酒であるという考え方です。

ただ、後者まで広げると以前から存在する日本酒が広く含まれてしまうので、定義が曖昧になってしまう気がします。なので、前者の領域でクラフト日本酒を限定しておくこととしましょう。

するとクラフトサケは、日本酒製造をベースとした「その他の醸造酒」や「雑酒」、「リキュール」にあたるお酒のジャンルとカテゴリーすることができます。このジャンルでは、これまでの日本酒では表現できなかった甘味や苦みなどが広がるユニークさが出せる特徴があります。あるいはどぶろく的な造りなのではシュワッとした発泡感とジューシーな旨味を堪能できる商品がたくさんあります。

  こうした味わいの個性を考えると通常の日本酒以上に料理との相性を考えて味わうべきかもしれません。そもそも、通常の日本酒は味わいや香りもインパクトは控えめで料理との相性は外れなし。逆に言えば、マリアージュと言えるまでのマッチングは難しいものがありました。ところがクラフト日本酒は味も香りも個性的。なので、ワインのように相性を考えて選ぶことをお勧めします。例えば、油分が多くて、味わいが濃く、複雑なスパイスの中華やエスニック料理にはボタニカルな原材料を含むクラフト日本酒は相性がバッチリではないでしょうか。あるいはチーズをつかったイタリアン系の料理にはどふろくタイプをあわせると食事に広がりが出ること間違いないはず。このように考えいくと、料理との相性を考えたペアリングで楽しむのもいいかもしれませんね。


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