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日本酒を楽しむ

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趣味の日本酒について紹介した記事です。実家は日本酒関連の仕事。名誉きき酒師であり、利き酒師の協会の顧問もしており、日本酒に関する著作も多数あります。現在は日本酒の会の主催者。日本… もっと読む
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記事一覧

クラフト日本酒を楽しむ

クラフト日本酒を楽しむ

お酒業界では「クラフト●●」が話題になっています。クラフト酒とは 「小規模生産で、つくり手のこだわりが詰まった」お酒 のこと。

例えば、クラフトビール、クラフト焼酎など。注目度が高いのがクラフトジンではないでしょうか。通常のジンでは使われない蒸留所特有のボタニカルが使われていたり、伝統的な製法が採用されていたりと、こだわりを持って造られて人気を博しています。自分は季の美 (きのび) 京都ドライジ

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「Dassai Blue」(獺祭ブルー)が日本上陸

「Dassai Blue」(獺祭ブルー)が日本上陸

 毎年、お招きいただいている東京獺祭の会に参加してきまた。会の盛り上がりが最高潮(要は酔いがまわってきたタイミング)に、特別イベントとして「Dassai Blue」(獺祭ブルー)が振る舞われました。この獺祭ブルーはニューヨーク(NY)のマンハッタンから北に2時間以上行ったハイドパークにオープンした酒蔵で醸造されたもの。

国内では未発売。米国におけるアルコール消費の市場規模の中で日本酒が占める割

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唎酒師としての活動が四半世紀経ちました

唎酒師としての活動が四半世紀経ちました

 日本酒の提供・販売のプロフェッショナル資格である唎酒師との関わりについて紹介させていただきます。

1991年に田崎真也氏や右田圭司氏などの若手ソムリエを中心に日本酒サービス研究会(SSI)が誕生しました。ここで認定が始まったのが唎酒師という資格。「日本酒のソムリエ」とか呼ばれますが、1985年に資格として開始したソムリエと比べて、遅すぎたように思います。しかも、資格開始の中心人物はソムリエ関

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夏酒を楽しむなら、どうする?

夏酒を楽しむなら、どうする?

  暑い夏に飲むお酒はビール。日本酒は飲まないという人が多いかもしれません。ところが、最近は夏酒(なつざけ)というジャンルが注目され、人気で、飲まれるようになってきました。ちなみに夏酒とは、どのようなお酒なのか?

 長年、評議員を務めさせていただいてきた唎酒師(ききざけし)などの認定をしている協会「SSI」によると(2007年頃から)蔵元が夏の暑い日に日本酒がのまれにくいという現状の打破を狙って

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島根の日本酒は味わいが深い

島根の日本酒は味わいが深い

ダイヤモンド社に勤務する知人が主催する島根の日本酒を楽しむ会合に参加しました。場所は赤坂の島根料理店「がっしょ」。出雲弁の一生懸命が由来のようです。出雲地方で一生懸命に育まれた食材をお客様にお伝えすることを目的としている和食店。希少性の高い食材や東京では見かけない日本酒の銘柄に遭遇できます。

日本海に面した島根県は、日本酒発祥の地といわれています。日本酒造りが始まったのは、稲作が伝来した弥生時代

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立春朝搾りって知ってますか?

立春朝搾りって知ってますか?

縁起物として注目度があがっている「立春朝搾り」という日本酒の企画をご存じですか?立春は旧暦では1年の始まりとされていた日。前日の2月3日は節分の豆まきで邪気を祓い、2月4日の立春は新しい春を迎える。まさにお正月のようなもの。そんな立春の早朝に搾り上がったばかりの新酒を飲んでもらおうと(25年前に)日本名門酒会という酒問屋が企画してスタート。

友人である友田さんの記事で立春朝搾りについて、わかりや

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年始なので日本酒の話

年始なので日本酒の話

日本酒の利き酒師を認定しているSSI(日本酒サービス研究会)の顧問をしております。振り返ると25年以上の関わりになりますが、日本酒を取り巻く環境は大きく変わりました。少子高齢化の影響を受けて地元消費が減少。蔵元が生き残るには

1.地元シェアを圧倒的に高める
2.首都圏など都市部向け製品を増やす
3.海外向けの輸出を増やす

と言った選択肢を迫られる事態になっています。そもそも大きな問題は日本酒の

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