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早朝バナナブレッド。

この1週間というものわりとしっかりとした風邪をひいていて、家にいることが多かった。
どうやら猫はそれが嬉しいらしく、ベッドでごろごろしているとすぐさまやってきて、枕元で丸くなって寝始める。私も私でそれが嬉しくて、まだ起きて何かしようと思っていたところを、一緒になって寝始めるので、昼も夜もひたすら寝ていた。

そんなこんなで、昨夜もずいぶん早く眠りにつき、目覚めたのは午前4時。体調不良でできていなかったイベントの準備やら何やらがどっさり山積みなので、そのあたりのことを何とかせねばならないのだけれど、とりあえず朝一番でバナナブレッドを焼く。
そんな時間はどこにという感じなんだけれど、準備を手伝いにきてくれる友人が甘党で彼女が帰る時に手土産として持たせたいというのと、先日口論になった父に仲直り用にお菓子を作りたかったし、何より、久々に大好きなバナナブレッドを一切れぐらい食べたかった。

そう、バナナブレッド、相当好きなのだ。もしかしたら自分で食べたい焼き菓子では一番かもしれない。冷蔵庫に入れて冷やして、ぎゅっとしたバナナブレッドを控えなきゃと薄く切ってコーヒーと一緒に食べる。けれどやっぱり美味しすぎてもう一切れ食べてしまう。というのを想像するだけで心がふわっとなる。

前回焼いた時はバナナをキャラメリゼしてかなり丁寧なレシピの生地に混ぜんこんだものだった。糖と炭水化物の爆弾みたいな代物で、美味しいに決まっているのだけれど繊細さもない、駄菓子みたいな仕上がりだった(とは言え、えらく美味しかったのでこれから度々作ると思う)。

今回はそオーソドックスでシンプルなバナナブレッドがいいなということで、あれこれ考えた末に、普通のバナナにシナモンを少しだけ混ぜたものにする。本当はここにナツメグかオールスパイスを入れた、ちょっとピリッとしたものに仕上げたかったのだけれど、これについては完全なる自分の好みなので、食の好みが保守的な父にあげるにはせいぜいシナモンまでだろう。

バターを室温に戻すまでの時間はなかったので、Youtubeで見つけたお菓子研究家の上げている溶かしバターを使った簡単なレシピにする。
材料は薄力粉だけでも良いのだけれど強力粉を使い、お好みでと書いてあったクルミやナッツは省く。料理のプロではないのでそんなに分析的には考えてはいないのだけれど、強力粉を使った方がもちっとした食感に仕上がるような気がするし、クルミは入れない方がバナナブレッドそのものを味わえるような気がしている。

せっかくなのでやや小ぶりな型で3台分、本来のレシピの2倍量を作ることにしたのだけれど、買ってきたバナナでは足りず、冷凍庫からバナナの輪切りを冷凍したものを引っ張り出すこととなった。
レシピ通りだときび糖かブラウンシュガーとあったのだけれど、買って封を開けたわりには使い所の一切なかったザラメ糖を代用する。ほんとは材料通りに作りたいのだけれど、今日は「まいっか」な気分なのだ。
冷凍のバナナを引っ張り出してきたことで飾りに使うぐらいのあまりが出たので、めずらしく一台は手土産用の飾りにすることにした。

材料を全部揃えたので、ざざっと混ぜ合わせて、ざざざっとオーブンに入れる(なんて繊細さのない作業だ!)。
焼き上がりまでに40分以上かかるので、その間に使った道具を洗い、キッチンを片付け、洗濯をはじめ、コーヒーを淹れソファで一息つく。

コーヒーを飲みながら、最近はアメリカの家庭で作られるようなケーキ、シフォンケーキやカップケーキ、バナナブレッドが好きだなと思う。もちろん、手順が多くて手間のかかるケーキの美味しさはやはり段違いなのだけれど、ざっくりとした洗い物も少ないようなレシピの方に心惹かれるのだ。これから少しアメリカのケーキのレシピを探してみようか。

なんて考えているうちに、午前6時、バナナブレッドが美味しそうに焼き上がった(とは言え、やはり溶かしバターのレシピなので少しぎゅっとした仕上がり)。

さあ、今日は体調も悪くないし、忙しい1日になるはず。バナナブレッドを作業中のおやつの楽しみにしよう。

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