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So where is the Paradise?地域に携わるのも悪くない、かも?

久しぶりの、完全な休みだ。
しなくてはならないことはいくつかあるけれど、差し迫っているようなイベントの準備や、作らなくてはいけないもののない、そんな日だ。
昨夜から、今日何をしようかとそわそわしていた。窓際のトットちゃんでも観に行こうか、気になっている展示を観に少し遠い美術館に行こうか、見晴らしの良いカフェか温泉に行ってぼうっとするのも、小鹿田焼の里に蕎麦を食べに行くのもいい。

「忙しい」というのはキャパシティを超えているだけのみっともない状態だという知人がいるのだが、去年の10月以降の私は忙しかった。時間的にも精神的にも余裕のない日が続いてたのだけれど、1月7日にあった集落の鬼火焚きのイベントを終えて、ようやく一息ついた。

去年の4月から「地域の役」というものを気安く2つ引き受けて、定例会やらイベントの企画やらなんやらで、時間の取られ具合や重要度の高さに正直びっくりしている。
地域事は人との関係性や利害などにまつわることも多いので、地味だし言葉にしてはまずい場合も多く、40歳という年齢と移住者という立場で地域に携わるって大変だと思ったここ数ヶ月だった。

もちろん悪いことばかりではない。
自治会の総務委員会に出られるようになって、小塩という集落がどう運営されているかの一端を知ることができたし、イベントに来てくれた地域のおじいちゃんおばあちゃんに「あんたがここに来てくれてよかった」と言われることもある。

そんな中で、先日とある人からこんなことを言われた。

「あんたが来た当初はきついことばかり言った」

きついことを言われた印象はそんなになかったのだけれど、確かに関わるきっかけが多かった割には素っ気ない対応をされていた。
その人はMさんと言い、長年農業に携わっている70代前半の人だ。
私は彼がした発言でとても印象に残っていることがあった。2〜3年ぐらい前にあった旧小塩小学校の活用方法について、市役所が地域住民からの意見を吸い上げるためのワークショップでのこと。

「草刈りだなんだっちゃ、実際のところ身体動かすのはこっちなんだから、そこんところしっかり考えてもらわにゃ困る」
というようなことを言ったのだ。

そのワークショップで話合われていたことは、どう活用するのが良いのかというアイディアやどう上手く落とし所を見つけるかというもので、頭でっかちなもの、つまりは机上の空論だった。
その話し合いをMさんの一言が具体的で身体を伴うリアルなものにしたのだった。
この意見はとても厳しいものだけれど、筋が通っているなと思った。

そういう人が移住してきた当初の私を、信用するに値する人間なのかをじっくりと見ていたのだ。
けれど、実際のところ移住したての私なんて芯もなければ根性もない頭でっかちな人間(今ももちろんそう)で信用には値しなかったので、素っ気なく(彼の中ではきつく)振る舞ったのは的確な判断だし、さすがMさんだと思う。

移住してからの4年という時間をかけて、Mさんが私という人間に対して少しは信頼しても良いかもしれないと思ってくれているのだったら、これほどに嬉しいことはない。

私も私なりの筋を、長く、正直に、通そうと思う。

とりあえず今日の休みはMさんを含め、地域でお世話になっている人にお礼用のケーキを焼く休日にしようか。
なんてこれを書きながら考えていたら、朝っぱらにも関わらずめずらしくドアベルが鳴った。出てみるとMさんの妻Sさん。
彼女がずいぶん立派なイチゴを届けてくれた。

やっぱり今日はお礼用のケーキを焼く日だな。

追記
今年は移住して5年目になるので、本読んだり文章書くのに力が入れられればなーと思ってます。そのために削るべきことも多い1年になりそうです。

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