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恐竜が栄えたのは常識外の長雨?

前回、植物と恐竜について触れました。

ようは、裸子から被子植物に勢力が変わったのは恐竜の台頭ではないか?
という話です。

恐竜は、今から2.4億年前の三畳紀に誕生したとされており、ピークは次のジェラ紀でした。そして次の白亜紀末に絶滅を引き起こす隕石衝突が起こります。

そもそもなぜこんなに栄えたのか?

1つの面白い仮説が提示されています。(元論文はこちら

この時代はまだ大陸が1つで「パンゲア」と呼ばれています。

それが後年プレートの移動で分割されていくわけで、それを示したのが「プレートテクトニクス」理論です。以前に触れた記事を載せておきますので興味のある方はそちらをご覧ください。

1つの大陸とはいえ長年乾燥が続き、地域によっては砂漠でおおわれていた場所もありました。ですので、まだ恐竜は地域的に偏って分布していたようです。

その多様化が進むのが、なんと200万年も続いた大雨の時代です。

これによって砂漠だった場所にも移動が可能になり、特に恐竜は移動能力に優れていたので一気に大陸の広範囲に進出したのではないかと考えられています。

この多雨期のことを、三畳紀をさらに細分化した時代名称から「カーニアン多雨事象」と呼ばれます。

上記記事内の図

上図の同位体比異常から、この稀有な超長雨が起こったのは、大噴火が原因ではないかと考えられています。
2023年でこの調査を深堀した報告がありますが、日本各所の地層から発見されました。

上記記事にあるように、恐竜の多様化を産んだだけでなく、海洋無酸素化が起こったことで海洋生物の絶滅ももたらしたとのことです。(その因果関係は厳密には不明)

ちなみに、恐竜が移動能力が高い、というと逆のイメージを持つかもしれません。SF映画を見る限りは走ってぎりぎり逃げられそうですね。

現実はさにあらず。

ティラノサウルスのような巨体でもなんと時速40km(乗用車の速度)で走ることが出来るそうです。

もちろん色んな種類がいるのでひとくくりには出来ませんが、なかには時速60km級もいたようで、少なくとも人類の足ではいかんともしがたいです。

俊足の背景は、その骨格、特に2足歩行を実現できる体格にありそうです。

関連でこの記事も興味を引きました。

ようは、
恐竜は爬虫類と異なり、むしろ鳥や哺乳類のような構造に似ており代謝が活発なので巨大化した、というはなしです。

恐竜はでっかい爬虫類と思い込んでいたので意外でした。ちょうど哺乳類も三畳紀に生まれたと考えられており、進化系統で交差しているのかもしれません。

いずれにしても、この歴史的な超長雨は文字通り彼らにとって「恵みの雨」だったのでしょう。
そして後年の絶滅も宇宙からの飛来物だったというのも歴史の皮肉です。

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