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イノベーションのお手本は古代史にあり

今「日本の古代史」にはまっています。

数年前に、2.3mという超大型の剣が奈良県にある富雄丸山(ふゆうまるやま)古墳でみつかりました。

大きさかから権威を象徴するものだと思いますが、なにより高い技術力に驚きました。

上記記事タイトルにあるように「4世紀は空白」であることが知られています。

少々時代背景を補足します。以前弥生時代の卑弥呼について書きました。

当時まだ日本では記録書がありませんでした。中国の魏志倭人伝によれば、卑弥呼が統治した邪馬台国が3世紀まで記録されています。

そして次に日本列島の出来事が登場するのが、5世紀に「倭の五王」を記した「宋書倭国伝」。

つまり、4世紀に何が日本列島でおこったのかが分からなかったのです。(この時点でミステリー好きにはたまりません☺)

ちなみに、4世紀以降は近畿地方で「ヤマト王権」(らしきもの?)が誕生し、今の日本の礎がきずかれていくわけです。

この空白の4世紀が、最新の科学技術で明らかになりつつあります。

1つ過去事例をあげます。

数年前に、最新の技術でマヤ文明の新しい遺跡が見つかっています。

ここでは、LiDARという自動車の目の役割で期待されている技術を使っています。

謎の4世紀に話を戻します。

4世紀初めに作られたとされる奈良県の行燈山(あんどんやま)古墳で、LiDARで解析が行われました。(崇神天皇の墓として宮内庁が治定しているため、内部への侵入は不可)

その結果分かったのが、同時期・近隣に作られていた前方後円墳と縦横比が異なるということでした。

もともとあった1つの仮説として、中央のヤマト王権が中央集権的に各地に同じ形状の前方後円墳を作らせていました。

が、今回の計測ではその形状が近い時期・場所ですら違っていた。

もしかしたら、地方の勢力が勝手に模倣して権威を活用しようとしたのでは?という仮説が浮上してきました。
もう少しいえば、そこまでガチガチの中央集権ではなかったのではないか?ということです。

そしてもう1つが「ゲノム解析」です。

2021年の研究成果を引用します。(画像クリックで元論文)

古代史時系列でみた現代日本人との類似性比較

つまり、弥生からヤマト王権(古墳時代とも呼ばれます)で東アジアから大量に渡来してきたことが分かります。

察するに、4世紀は東アジア(主に中国)では相当戦乱が何かで荒れていて、日本列島に押し寄せてきた。
そんな多様な環境でイノベーションが起こり、冒頭の超大型剣も開発されたのかもしれません。

現代では、イノベーションは異質な環境で起こる、といわれますが、最大のお手本は古代史にあるのかもしれません。

しばらくは古代史から目が離せません。


<参考>

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