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コーヒーとゲノム解析と地球

飲料のなかで、一番愛されているものは?

おそらくは上位に来るのはコーヒーだと思います。

日本もスタバや大手コンビニで一気に飲む数が増えたと思いますが、実は世界ランキングで見ると意外な地域が上位を独占していました。

2013年時点なので現在はわかりませんが、上位はほぼ北欧で下記のとおりです。
 第1位:ルクセンブルク
 第2位:フィンランド
 第3位:ノルウェー
 第4位:デンマーク
 第5位:オーストリア
 第6位:スイス
 第7位:スウェーデン
(日本は15位)

なぜ1つの国でなく北欧?と不思議に思いましたが、上記記事によると日照時間が短く、一時期アルコール禁止であったことから、薬理用途または嗜好品として習慣化したようです。

コーヒー豆は色んな種類がありますが、それについて調べた研究が発表されているので紹介します。

世界のコーヒー生産量の約60%を占めるのがアラビカコーヒーノキ(Coffea arabica。以下アラビカと略記)という品種です。ここまで大半を占めているとは結構意外でした。

このアラビカは、ロブスタ(次に多い品種)と近縁種の交雑から生まれ、複雑なゲノムを持っており、これまでのゲノム解析ではその多様性の原因が不明でした。
ちなみに、2010年代からゲノム解析に取り組まれ、その品種を遺伝子解析することで品種改良につなげようという動きが起こっています。

そして今回、最新の塩基配列決定技術を駆使して、アラビカの完全なゲノム配列を特定しました。
この研究により、これまで調査できなかったゲノム領域の解明だけでなく、コーヒーにとって重要な物質カフェインをどのように生成するのかが分かってきました。
ちなみに、カフェインを分泌する理由は、食べられないようにする知恵だと考えられており、他の植物ではないまれな能力です。(ある意味進化ともいえます)

他にも、アラビカ種内の遺伝的多様性が非常に低いことが分かった一方で、(天然でない)栽培種の一部では特定のゲノム領域で高い多様性があり、その要因である染色体異常部が特定されました。

これからの新コーヒーに期待したいところですが、長期でみるとコーヒー産業には危機が訪れます。

1つ記事を紹介します。

ようは、
地球温暖化でアラビカ種が半減すると予想されています。
しかも、現地の強制労働という社会問題もまだ起こっているようです。

消費者としては嗜好品として楽しく妄想できますが、バリューチェーンをさかのぼると地球全体の深い課題が凝縮されており、そこまで思いを及ぼす必要性があるなぁと思います。

実はこのトピックを取り上げたのも、まさにこの課題に取り組んでいる学生との出会いでした。

微力ながら、自分にできることをしたいと思っています。

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