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オンライン講座でオースター『ムーン・パレス』を読みました

 1月10日にNHK文化センターのオンライン講座「文庫で味わうアメリカ文学」でポール・オースターの『ムーン・パレス』を読みました。
 これはオースター作品の中でも、とても人気のある本ですよね。僕も久しぶりに読んだんですけど、とても楽しく読めました。両親を失い孤児となった主人公が、唯一の肉親、ビクター伯父さんの死をきっかけに、「何もしない」ことを始めます。そしてどんどんものを減らしていき、ついには金も何もなくなり、ニューヨークのセントラル・パークに住み着きます。
 そこから恋人との出会い、奇妙な金持ちエフィングの家での仕事、生きているとは知らなかった父親との再開、西部での旅と、物語は大展開します。
 受講生との議論では、賛否両論が大いに出て盛り上がりました。いわく、引きこもってるんだったらバイトしろよ、という議論。父親探しと父親殺しが同時に起こっているのではないか、という分析。意外と西部の部分が面白かった、という感想など。
 褒めている人も、いろいろと突っ込んでいる人も、とても嬉しそうに話していました。そのことだけでも、この作品がすごく魅力的だということが明確になったのではないかと思います。
 次回は2月7日で、扱う作品はイーユン・リー『黄金の少年、エメラルドの少女』です。リーは大好きな作家なので今から楽しみです。

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