都甲幸治

早稲田大学やNHK文化センターでアメリカ文学を教えています。エッセイや書評を書いていま…

都甲幸治

早稲田大学やNHK文化センターでアメリカ文学を教えています。エッセイや書評を書いています。海外文学だけでなく、日本文学から心理学、歴史、ビジネス書まで幅広く興味があります。

最近の記事

オンライン講座でグレイス・ペイリーの短篇を読みました

 5月23日の夜7時半からNHK文化センターのオンライン講座「英語で読みたい!アメリカ文学」で、グレイス・ペイリーの短篇"A Conversation With My Father"を読みました。  病床にある父親が、作家の娘に向かってあるお願いをします。自分はチェーホフやモーパッサンのような作品が好きだが、お前は奇妙なものばかり書いている。たまには小説らしいものを書いたらどうだ。そこで娘は作品を書いてみるのですが、全然父親の期待に応えられません。というか、応える気がありませ

    • AKGのヘッドフォンK701はむちゃくちゃすごい

       最近、AKGのクラシックなヘッドホンK701を買って、色々な曲を聞いてみているのですが、これは本当にすごいです。開放型だけに、密閉型にありがちな圧迫感がなくて音の抜けがとにかくいい。特に高音は最高です。  こうしたヘッドフォンはよく低音が少ないと言われがちですが、ちゃんとACにつないだヘッドホンアンプを使えば、気持ちいい低音が、自分にとって出すぎるほどです。まあ、スマホ直挿しだと、そこまでは音が出ないんですけど。 しかも装着感も非常に軽い。見た目も、なんだかミッドセンチュリ

      • ブコウスキー『勝手に生きろ!』(河出文庫)の新装版が発売されます

        ブコウスキー『勝手に生きろ!』(河出文庫)の新装版が発売されます。あの町田康さんに「わたしが最も好きなブコウスキー作品がこれです。」とのありがたい帯文をいただきました! どうもありがとうございます。僕は新装版あとがきも書いています。ご興味があれば。

        • Ankerのモバイルバッテリー、すごくないですか

          最近出たAnkerのモバイルバッテリー、すごくないですか。軽くて小さいのに容量が大きくて、なおかつ USB C のケーブルがついてる。それだけじゃなくて、直接コンセントに差し込める。つまり全部入りです。これだけ持っていけば、どこでもさっと使える。最高に便利ですよね。

        オンライン講座でグレイス・ペイリーの短篇を読みました

          Ankerのケーブルホルダーは便利すぎる

          いや驚きました。Ankerのケーブルホルダー、あまりにも便利すぎます。土台がマグネットで机につき、あるいは机や棚が金属製じゃなければ、ちゃんと張り付きます。そしてケーブルに取り付けたクリップみたいなやつで、しっかりケーブルが土台につきます。磁石の力も絶妙で、つまめばぱっと取れるけど、落ちない。こうやってケーブルを整理整頓するととっても綺麗。これで1000円ちょっとなんて、めちゃくちゃ安いですよね。Ankerってすごすぎる。

          Ankerのケーブルホルダーは便利すぎる

          指紋認証は爆速で楽

           毎日パソコンにログインするとき、ピンナンバーを打ち込んでいますよね。もはや当たり前になったこの行事ですけど、実はやらなくてもいい方法があるんです。それが、指紋認証リーダーをパソコンに付けること。  サンワサプライの指紋リーダーを使ってみたんですけど、これがものすごく楽。一瞬でパソコンが起動する感じです。使ってみて初めて、ピンナンバーを打ち込むのは面倒くさい、と自分が思っていることに気付きました。これ、お勧めです。

          指紋認証は爆速で楽

          オンライン講座でトニ・ケイド・バンバーラの短篇"The Lesson"を読みました

           2024年4月17日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「英語で楽しむアメリカ文学」で、トニ・ケイド・バンバーラの短篇"The Lesson"を読みました。バンバーラは、アメリカの現代女性黒人作家として著名な方です。日本でも単行本こそ出ていませんが、かつて藤本和子さんが何本か短篇を翻訳しています。その他、『塩を食う女たち』(岩波現代文庫)でも紹介されています。  今回は4月の初回ということで、多彩な人が集まり、自己紹介の時間もたっぷりとれて、楽しい時間を過ごし

          オンライン講座でトニ・ケイド・バンバーラの短篇"The Lesson"を読みました

          オンライン講座でヘンリー・ジェイムズ『デイジー・ミラー』を読みました

           2024年4月3日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「文庫で味わうアメリカ文学」で、ヘンリー・ジェイムズの『デイジー・ミラー』(新潮文庫)を取り上げました。  ヨーロッパ暮らしの長いウィンターボーンという青年が、アメリカから来たばかりの美しい女性、デイジーと出会います。常に好奇心旺盛で、自分のしたいことを追求するデイジーに対して、ウィンターボーンは戸惑いながらも強く引かれます。しかし、深い関係を築くこともできず、お互いを理解しようとしても結局はすれ違い、イタ

          オンライン講座でヘンリー・ジェイムズ『デイジー・ミラー』を読みました

          シャープのネックスピーカーはとにかく最高

          最近、家の中で音を聴くときは、もっぱらシャープのネックスピーカーを使っているんですけど、これは本当に最高です。 イヤホンより音源が遠いから、耳が疲れない。でもスピーカーよりは近いから、音も声もはっきり聞こえる。家族と音の大きさの感覚が違っていても、自分専用の音量に設定できる。しかも、横に居る人にはネックスピーカーの音はそこまで聞こえないから、迷惑をかけない。接続は最新のle audioだから、画像の動きに音が遅れることがほとんどない。しかも軽いのにかなり音がいい。デザインも可

          シャープのネックスピーカーはとにかく最高

          オンライン講座でローレン・グロフの短篇"The Midnight Zone"を読みました

           2024年3月20日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「英語で楽しむアメリカ文学」で、ローレン・グロフの短篇"The Midnight Zone"を読みました。グロフは好きな作家で、Noteの「本がひらく」での連載でも扱ったことがあります。この短篇も彼女ならではの魅力が詰まったとても良い作品でした。  休暇で夫婦と男の子2人の家族がフロリダの森のコテージにやってきます。ですが仕事の必要で夫は車に乗って出て行ってしまいます。夫には一緒に来るかと誘われたのですが

          オンライン講座でローレン・グロフの短篇"The Midnight Zone"を読みました

          オンライン講座でケン・リュウ『紙の動物園』を読みました

           2024年3月6日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「文庫で味わうアメリカ文学」でケン・リュウの『紙の動物園』(ハヤカワ文庫)を読みました。  中国からカタログの花嫁としてやってきた母親が作ってくれる、命を持った折り紙の動物が出てくる表題作はとても魅力的です。その他にも、たくさんの素晴らしい作品が収録されています。受講生の方々は、何よりこの作品集に感情的に入り込んでくださいました。泣いたという方もいらっしゃったりして。  それだけでなく、中国やアメリカ、日本

          オンライン講座でケン・リュウ『紙の動物園』を読みました

          オンライン講座でケン・リュウの短篇「紙の動物園」を読みました

           2024年2月21日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「英語で読みたい!アメリカ文学」でケン・リュウの短篇「紙の動物園」を読みました。  中国からカタログで選ばれて来た母親と、アメリカ東部の普通な白人である父親の間に生まれた少年が主人公です。母親が紙を折って作った、自分で動ける不思議な虎をおもちゃとして育った少年は、学校に行き始めると、周囲とのズレを感じ、やがて母親を否定するようになります。母親が早く亡くなったあと、彼は母親に残された手紙を読んで自分の過去を

          オンライン講座でケン・リュウの短篇「紙の動物園」を読みました

          オンライン講座でイーユン・リー『黄金の少年、エメラルドの少女』を読みました

           2024年2月7日に、NHK文化センターのオンライン講座「文庫で味わうアメリカ文学」でイーユン・リーの短篇集『黄金の少年、エメラルドの少女』(河出文庫)を読みました。  この作品集は本当に名作ぞろいで読みながら心底を堪能しました。女性同士の愛を描いた「優しさ」なんて、何度読んでも激しく胸に迫ってきます。受講生の方々も、もともとイーユン・リーの作品が好きな人が多くて、なんだか心強かったです。  イーユン・リーはもちろん長篇もいいんですけど、こういう中篇から短篇といったサイズ感

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          AnkerのUSBハブはかっこよくて使いやすい

           最近は自宅のノートパソコンでオンライン講座をやったりしているんですけど、困ったことが。usb-cで充電しながら、同時に会議用スピーカーと会議用カメラをつないで、しかも通信も安定するように、有線LANをUSBアダプラ経由でつないで、と考えていたら、とにかくポートが足りない。どう工夫しても必要な分だけ挿す場所がない。  で仕方なく、ノートパソコンに付属してきた電源をつないでやっているんですけど、オンライン講座のときだけ電源を出してくるのもすさまじく面倒くさい。誰か助けて。  と

          AnkerのUSBハブはかっこよくて使いやすい

          オンライン講座でカレン・ラッセル「狼少女たちの聖ルーシー寮」を読みました

           1月24日水曜日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「英語で読みたい!アメリカ文学」で、カレン・ラッセルの短篇「狼少女たちの聖ルーシー寮」を読みました。  主人公となるのは狼人間の少女たちで、男女に分けられた上、人間の営むカトリックの修道院に入れられます。そこで人間の言葉や行動などを徹底的にしこまれ、狼と人間両方の世界に適応できるよう教育されます。  とは言え、その教育は全然うまくいきません。進みの早い生徒と遅い生徒の間で確執が生まれ、さらに人間に抵抗し続ける

          オンライン講座でカレン・ラッセル「狼少女たちの聖ルーシー寮」を読みました

          オンライン講座でオースター『ムーン・パレス』を読みました

           1月10日にNHK文化センターのオンライン講座「文庫で味わうアメリカ文学」でポール・オースターの『ムーン・パレス』を読みました。  これはオースター作品の中でも、とても人気のある本ですよね。僕も久しぶりに読んだんですけど、とても楽しく読めました。両親を失い孤児となった主人公が、唯一の肉親、ビクター伯父さんの死をきっかけに、「何もしない」ことを始めます。そしてどんどんものを減らしていき、ついには金も何もなくなり、ニューヨークのセントラル・パークに住み着きます。  そこから恋人

          オンライン講座でオースター『ムーン・パレス』を読みました