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ありがとうを言葉にするサンクスフィードバック/組織運営


こんにちは。こいけです。


「ポジティブフィードバック」


管理職になりたての頃に会社の研修で習ったアプローチ。
本物はたしか、対面の場で集まり相手に対して「イイね!」と思うことをポストイットに書き、相手の体にペタペタと貼っていく。


相手のことを深く知らなくても、イイねと思ったことなら何でも良い。

「そのデニム、カッコいいね!」
なんて、見た目に関することでも何でもOK。


研修で習ったこのアプローチを自組織でも実施することはあるけど、これを模して、「サンクスフィードバック」なるものを組織で実施してみたことがある。


普段から同じチームではたらくメンバー。
「瞬間のイイね」より「日頃のありがとう」を言葉にする機会を作りたかった。

実施した当時はコロナ禍でチームメンバーが全員リモートになっていたので、オンライン寄書きの「yosetti」を活用して実施。


チームビルディングにおいて「関係の質」を上げるためのひとつのカード。
どんなタイミングで実施して、どんな効果があったのかを整理してみる。


用がないと話しかけられないリモート事情

このアプローチは頻繁に行うというより、チームが組成されてしばらく経過したタイミングで実施することが多い。


「お互いのことは知っているが、深くは知らない」


組織がこんな状況ならやってみる価値はある。


実施した当時は、コロナ禍で急にリモートでの働き方に変わったタイミング。出社していた頃のように、「フラッと話しかける」「フラッと聞いてみる」みたいな空間がリモートにより失われていた。


この「フラッと」が地味にたいせつ。
雑談がコーヒーブレイクみたいに、仕事の合間の切り替えスイッチの役目を果たす。
雑談が省かれていくと、歴が浅い人ほど用がないと話しかけられない状態に陥る。


実施のタイミング

実施したタイミングは当時の組織では年間の繁忙期だった上半期。上半期は運用の業務も多く、物理的に次から次へと予定が埋まっていく。


日々の仕事に忙殺されて周りを見ている暇なんてない。まさか相手も自分を見てくれているとも思っていない。お互い自分のことで必死。


そんなタイミングだったからこそ、敢えてメンバーに時間をもらい、ひと呼吸おいて周りを見てほしい。


また、わたしが産休で組織を抜けるという人事情報を伝える前だったこともあり、上司が変わってもメンバー同士のつながりでスピードダウンすることなく組織を前に進めてほしいという願いもあり、今のタイミングで自分の存在が周囲にどんな影響を与えているのか、そんなことに気づいてもらいたく実施することにした。


日頃のありがとうを伝える

やり方は至ってカンタン。
メンバー一人ひとりのyosettiを用意し、日ごろ感じているありがとうの気持ちを寄書きするだけ。一人ひとりがチームメンバー全員に寄せ書きしていく。


「テンパっているときにいつも声をかけてくれてありがとうございます」
「いつも壁打ち相手になってくれてありがとうございます。◯◯さんのおがげで思考の整理ができています」


みたいな業務に関することでも、


「この前スタバ誘ってくれてありがとうございます。今度は飲みにも行きたいです!」
「ミーティングで議論が拡散しそうな時の◯◯さんの発言。いつも鋭いなって尊敬してます!」


みたいに業務と直接関わらないメンバーもコメントしてみる。


ありがとうにルールはない。
ありがとうの気持ちを言葉にするだけ。

「ありがとう」の威力

普段感じているけど面と向かって伝えることの少ない「ありがとう」の気持ち。


チームで時間をとって、メンバー一人ひとりに寄書きした内容を直接本人へ伝えるのだけど、これがまたちょっと照れくさい。
オンラインの力を借りてPC画面越しで想いを伝える。


寄書きなのでたいした文字数ではないのだけど、実際にもらってみるとありがとうの威力がすごい。


「そんなところ見てくれていたのか」
「あの時そんな風に感じてくれていたのか」
「新人で何も恩返しできてないと思っていたけどそうじゃなかった」


なんて、深くは関わっていないと思っていたメンバーでも、意外と自分を見てくれていることに気付き、「つながり」や何とも言えない「心地よさ」を感じる。


同僚だけど直接的な絡みがなくて寄書きに書くことがないと思っても、その人を思えば小さくとも何かしらあるもの。どうしてもなくても、これを実施することでチームに視界を広げるきっかけにもなったりする。


リモートだからこそチームのつながりを

今後もリモートでのチームビルディングは続いていく。
マネジャーは今まで同じオフィス空間にいたから気付けたことも、気付きにいかないと気付きにくくなってきている


メンバーも同様に、リモートが続くと上司に見てもらえている感覚は乏しくなる。
上司部下でこの状況なら、メンバー同士はなおのことつながりは乏しい。


わざわざ伝えることではないと蓋をして伝わることのない言葉は多い。
それを言葉にしてみることで、見てくれている人がいるという安心感。ここに居ていいんだという空間をリモートだからこそ作っていきたい。

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