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第87椀 ハチク(淡竹)のお味噌汁

初出:2021年6月6日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

テーマ:素材のことを知って食べるとよりおいしい
「ハチク(淡竹)のお味噌汁」


岐阜県は日本のまんなかあたりに位置していまして標高差もあるので、北方系と南方系の植生が混在する土地です。タケノコも4月下旬~5月中旬はモウソウチク(孟宗竹)、5月中旬~6月上旬はマダケ(真竹)・ハチク(淡竹)と3種類のタケノコが順番に楽しめます。

今一番の旬はハチク(淡竹)です。岐阜県の郷土料理「朴葉ずし」にも朴葉の香りの良い時期と、ハチク(淡竹)の出回る季節と重なり、具材に使われることが多い食材です。あまりスーパーには出回らないかもしれませんが、田舎に住んでいると玄関先に誰からとはわからないハチクがドサッと置いてあったりします。

よく破竹と書いてあるものも見かけますが、正しくは淡竹と書きます。あっさりとした淡い味から来ているそうで、アワタケ (淡竹)と呼ぶ地域もあるそうです。

ハチクのタケノコは地下茎が浅いので、地面からいきなりニョッキリ伸びていて、すぐに見つけることができます。長さ40~50cmくらいのものを根元でポキンと折るだけなので収穫も楽ちんです。1mくらいに伸びていても、先の方の50cmくらいのところなら食べられます。

シャキッシャキッとした歯触りと、あっさりした味わいが特徴で、お味噌汁でいただくのが一番おいしいと思います。コクのある素材と組み合わせるとよりおいしいので、今回は厚あげと合わせて、出汁も昆布と煮干しのダブルでちょっと濃いめにしてみました。

アクがほとんどないので、採りたてならそのまま料理に使えるのもいいですね(収穫から少し時間が経っていたら水煮でアクを抜きます)。今回は採ってすぐのハチクをそのまま刻んで出汁と厚揚げとともに煮て、食べてみて柔らかくなっていたらお味噌を溶いて完成です。初夏の爽やかな味がしますねぇ。

「ハチク(淡竹)のお味噌汁」
出汁:昆布、煮干し
具材:ハチク、厚揚げ、ネギ
味噌:手前味噌(米麦混合麹)


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