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第97椀 のらぼう菜のお味噌汁

初出:2022年4月8日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

テーマ:春が来た! のお味噌汁

「のらぼう菜のお味噌汁」

春はまだ畑の作物が少ないのですが、取り残したアブラナ科の野菜の蕾がたくさん出てきますね。お味噌汁復活委員会でも菜花の投稿がたくさんです。ワタクシも仲間に入れていただいて、今回は家で種取りしながら毎年作っている「のらぼう菜(のらぼうな)」を摘んでお味噌汁にしてみました。

のらぼう菜は食べる菜花として、東京都西多摩地方、埼玉県飯能市、比企郡などで多く栽培される江戸東京野菜の一つだそうです。在来種のアブラナ(和種なばな)ではなく、セイヨウアブラナ(洋種なばな)に属しています。面白いのは、アブラナ科には珍しく自然交雑が少ないので自家採種が容易なんですね。

江戸時代の中頃に、元々は菜種油を増産するため「闍婆菜(じゃばな)」という名で幕府が配布したものだったようですが、飢饉の時に民が救われたとの記録が残っているそうです。漢字では「野良坊菜」と書きます。耐寒力が強くその丈夫さから「野良生え」が「のらぼう」と名が変わったと言う説がありますね。

苦味やクセが少なく、軸はブロッコリーのような風味がして、甘いんですねぇ。一番最初に収穫する茎は太くて柔らかくてよりおいしいんですよ。

それでは今回の作り方です。まずフライパンにごま油をひいて、水切りしておいた木綿豆腐を炒め、次にのらぼう菜をザクザクっと切って、軸、葉の順に加えてよく炒めます。さらに味噌を足して炒り付け、最後に昆布水を加えてひと煮立ちしたら完成です。アブラナ科の野菜は油との相性も良く、炒めると風味や旨みが増すような気がします。フライパン一つで出来ちゃうので簡単ですねぇ。

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『のらぼう菜のお味噌汁』
出汁:昆布水
具材:のらぼう菜、木綿豆腐
味噌:手前味噌(米麦混合麹)


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