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ソラマメにまつわる雑記。

ソラマメの収穫の季節。

うちでも7本ほど植えていて、わさわさ実がなって来てる。

なんでソラマメだろ?

空に向かって上むきにサヤがつくので、日本語で「空豆(ソラマメ)」と言うそう。居酒屋とかでたまに「天豆(ソラマメ)」って書いてあることもある。お店で「空」ってゲンが悪いからかな。きっと。

「蚕豆」と書くのは中国から来た漢字で、蚕が作る繭のようなので「蚕豆(ソラマメ→中国語でカンドウ)」と呼ぶとよく書いてあるが、中国の蚕の繭があんなに長細いのか?それとも昔の中国のソラマメがもっと繭っぽい形なのか?

サヤを剥くと、サヤの内側に白い綿みたいのが蚕を連想しているのかも。また、ソラマメの収穫時期が、蚕が繭を作る時期だからって説もある。

調べてみると「胡豆」とも書くが、中国では胡椒とか胡弓とか西から来たものにはだいたい「胡」とつけられるように、北アフリカや南西アジアが原産地だそうだ。

豆板醤はソラマメで。

ところで、「豆板醤(トウバンジャン)」はソラマメで作るというのは、知ってる人は知ってる。検索するとレシピもいっぱい出てくるが、だいたい生で茹でて食べる用のソラマメを蒸して薄皮を剥き、日本の米麹と塩と唐辛子で漬けるという、とっても日本の米味噌的な製法である。米麹の甘味で韓国のコチュジャン的な味わいに近いものが出来上がる。

これが本場の中国の製法だと、どっちかと言うと豆味噌(八丁味噌)に近い。

スーパーなどで見かけたこともあるかと思うが、中国では「豆瓣醤(トウバンジャン)」と書く。「瓣」と言うのは「発芽」と言う意味で、ソラマメを発芽したのち薄皮を剥き、熱処理せずに、小麦粉をふりかけてカビ(菌)を生やす。つまりソラマメ麹を作り、それに塩を合わせて2〜3年発酵させるのだ。現在では製法はいろいろだが、この製法が名前の由来だそう。

あっ、ところで、もともと豆瓣醤は唐辛子の入らない辛くないものだったそうで、発祥はカビが生えちゃったので、唐辛子を加えてみた的なことだったらしい。それが美味しいと言うことになって広まったという。辛いのは「豆瓣辣醬(トウバンラージャン)」と区別したそうだが、今では中国でも豆瓣醤と言えば辛い味噌のことだ。

ネットを見てて、発芽ソラマメに挑戦してる人がいて、日本で売られている生のソラマメを水に漬けて「発芽しねぇ」って書いてて笑った。それはまだ種になっていない未熟果で、大豆で言ったら枝豆だよ。中国では完熟した乾燥ソラマメを使う。つまり種にもなる。乾燥ソラマメだと水に漬けて発芽させないと皮が剥けないから発芽させていると言うことらしい。

豆板醤は作らない。

ここまで書いて作らんのかい!と思うが、そもそも辛いものが苦手なので作らない。ソラマメはそのままでじゅうぶん美味しいし、そもそもそんなに作ってないから。生で食べきれないほどの量が採れたら考えよう。

収穫と採種。

上の写真を見てもわかると思うが、サヤが下を向いて来たら収穫する。ちなみに来年の種のために一番地面に近いところのぶりのいいヤツを採らずに残しておく。このルールを作っておくと、間違えて採っちゃうこともない。

ソラマメは茹でない。

ソラマメはフライパンかトースターでサヤごと蒸し焼きするのが一番好き。バーべキューだったら網焼きしても良い。鞘から外してちょいと塩をつけて食べれば、ビールがうまし。

薄皮をとって食べるという人もいるが、自分は薄皮ごと食べる。どうやら鮮度が悪いと薄皮をとらないと美味しくないらしい。ちなみに揚げたソラマメ(フライビーンズ)も皮ごと食べちゃう。たまに歯に挟まるけど。

ちなみにちなみに、英語でソラマメのことをフライビーンズって言うんだと結構最近まで思ってた。一般的には「fava bean(ファヴァビーン)」と言うらしい。意味は調べてもわかんないけど、学名からなんでラテン語とか?あとbroad bean(ブロードビーン)とも。これは直訳すると広い豆?なんとなくわかる。あと、horse bean(ホースビーン)。固い品種で飼料にしてたからだそう。

最後に、サヤの内側の白っぽくてネバネバしたところ(生だとワタワタしたところ)を、スプーンですくって食べてみると、実はすっごく甘い。ほんとに砂糖くらい甘い。サヤ付きの空豆が手に入った時は是非試してみてくだされ。

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