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クィア・アイを構造的に読み解き、実践してみる

こんにちは、ダイバーシティ・マネジメント研修をやっているhypexの河合と申します。今日はNetflixの人気シリーズ「クィア・アイ」を構造的に読み解いてみます。

自分の周りの困っている人に何かしたいと思っている人などにはもしかしたら役に立つかもしれません。

クィア・アイとは

クィア・アイとは、それぞれのスペシャリティを持つ5人のゲイ男性が困っている依頼人を変身させ、幸せにするリアリティ番組です。

元々USで始まったシリーズですが、「クィア・アイ in Japan!」という日本シリーズもあり、日本でも人気の番組です。

テーマとしてはダイバーシティに向かっていて、その環境に潰されそうな個人をどうやったらポジティブにできるかという内奥です。

クィア・アイを観て、感動して終わりではなく、人をどうやったら変えられるかについて考察したいと思います。

個人は環境・構造によってほとんど決まる

当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、個人や社会構造を考える上で、重要なのに忘れられがちな観点です。

個人の性格や能力のほとんどは後天的で、環境によって決まります。
個人を変えていくには、その人のいる環境や社会といった構造を変えないといけません。

しかし、これを変えようとした時のアプローチとしては、ミクロでは個人へ強く語りかけるという手法がどうしても多いのが現状です。
もしくは、社会へのマクロアプローチとして国や社会通念を変えようとする動きが多いですが、これも時間がかかります。

クィア・アイは最小単位の環境を作ることで個人を変える

クィア・アイでのファブ5と呼ばれる5人は、最小単位の環境を作ることで個人を変えるという見事な手法を取っています。

クィア・アイ

基本的には、こういう構造になっているというのが非常に秀逸なのですが、これは個人への影響力の話であって、どう変化させるかに関してはファブ5の立ち振る舞いが非常に素晴らしいです。

ファブ5が作る環境をコミュニケーションスキルで片付けてはいけない

ファブ5が作る環境は以下のような特徴があります。


常にオープンマインドでコミュニティへの浸透速度が早い
・5人が互いに他者依存的であり5人である意味を持っている
対話を重視する

これらによって、急速に心理的安全性とその環境に自分がいる意味を作り出します。

5人のコミュニケーションスキルを褒め称える内容もよく見ますが、それはこれらの上でコミュニケーションスキルが一部技術的に使われているだけで、ファブ5を見てコミュニケーションスキルを最初に付け始めようとすると恐らく失敗しやすいのではないかなと思います…

これを身近な環境や組織で応用するために

クィア・アイのファブ5から全てを学べればすごいですが、まずできることとして、変えたい人の環境に着目することです。

変えたい人の環境に着目し、その環境のどこに問題があるのかを探ってあげましょう。たまに本人が理解している場合もありますが、かなりのメタ認知能力が必要とされるのと、そういった状態自体が思考力を落としているため、なるべく外から見てあげるといいです。

その上で次にやることは、環境の一部に自分が入り構造を変えることです。
逆に、この時あまりすべきではないことは「環境を変えた方がいいよ」などのアドバイスをしてしまうこと。

繰り返しになりますが、この当人はその環境によって出来上がっているので、当人が環境から抜け出したり、環境を変えたりすることはパワーが必要で、孤独感強く、むしろ追い詰めます。

環境とは、その人を取り囲む人のことですので、自分がまずはその一人として自分のと関係の中で安全な環境を作ってあげましょう。

それだけでも、かなり助けになると思いますし、組織であればパフォーマンスに大きく影響されます。

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当社では、組織のどこに問題があるのか(今回でいう、できることの1つめ)を、成果に繋がるという要素という基準で組織アセスメントなどもやっていますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

ご清覧ありがとうございました。

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